ノルディック・トゥリー/ハーモニウム運搬




ティッモのハーモニウムは、すでにフィンランドを出発したようです。ハーモニウム、早くおいで〜。そして名古屋の学校に直接入ります。ヘルシンキ/中部国際空港ってルートかな。ところが人間が入る日は、名古屋線が飛んでなくって(使えない……)結局成田から東京駅、そして名古屋へ移動するノルディック・トゥリー人間一行。

ハーモニウム、日本でレンタルすることも可能なんだけど、私はもう最初から絶対にフィンランドから持ってくるということに疑いを持ってなかった。逆にティッモの方が「レンタルでもいいよ」としきりに言ってくれてたのだけど、やっぱり自分の楽器を持ってくるのと、レンタルするのとじゃだいぶ違うよね。ちなみにティッモはアメリカには1台ハーモニウムを置いてあって、それを使っているんだって。日本でも置いておけるくらいツアーが頻繁にあれば良いのだけどね。(ちなみにラウーのマーティンはスーツを1着、靴を一組、ウチにキープしてある/笑)

ハーモニウムについては面白い話があるので、過去のブログに書いた文章だけど、ここに転載しておく。前回、ハーモニウムの運搬は赤帽さんを駆使して運搬した。今回はヤマトの引っ越し便を多く利用する。ノルディック・トゥリーのツアーからJPPまで。等々札幌まで行くこのハーモニウム。この運搬のロジスティックを考えるのが結構大変。なにせ人間と違って、ハーモニウムは自分じゃ歩いてくれないから。

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ハーモニウムといえば、面白い思い出が1つある。武蔵野のホールからSPCまでハーモニウムの運搬に赤帽さんを頼んだのだけど、運んでいる最中、助手席に座る私に運転手さんが私に話しかけてきた。

「こういう仕事も大変ですねぇ。でも僕は一番大変なのはTVのADさんだとお思いますよ。“これは無理だ”っていうのが理由にならないそうですね」「オーダーが出たら死んでもなんとかしなくちゃいけないってグチを言ってましたよ」

なるほどTVのADさんはよく赤帽を利用するみたいだ。でも企画の主催者からしたら“これは無理だ”というは理由にならないのは、まったくもって当たり前のこと。TVのAD、大変な仕事かもしれないけど、任務の完了なんて当たり前中の当たり前のこと。個々の仕事はもちろん全体の責任や、関わったスタッフや出演者に払うお金の事も最終的に引き受けなくてはいけないプロデューサー(というとかっこいいけど)の方がよっぽど大変だ。私に言わせれば、どんなに大変でも言われたことをやれば取りあえずは大丈夫という分だけ、ADはプロデューサーよりも楽な仕事だと思う(もちろんクリエテイティビリティに溢れ自主的に動くADさんも多いでしょうけど)。

ダメもクソもない。ダメでもなんとかする、そうじゃないと仕事がまわっていかない。だいたいそれが仕事ってもんだ。思わず運転手さんに「そんなにやりたくない仕事だったらヤメればいいのに、なんで文句言いながらやってんでしょうね、その人たち」とピシャリと言ってしまった。ちょっと反省。でもまさか赤帽の運転手さんはこの巨大楽器にアテンドし、ヨレヨレの黒Tを着たさえない私がこの企画全体の責任をおっている人間だとは思わなかったに違いない。ちょっと笑えた。

ま、私はいつまでたっても現場ADみたいなもんですよ。 この仕事、ホントいつまでもするもんじゃないと、そのとき力強く思ったのであった。

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ハーモニウム、早く来い! なんと150年くらい前の代物で、アメリカ制らしい、ティッモのハーモニウム。昔は譜面台のところに鏡がついていて、ティッモによると「鏡を見ながら学生がさぼったりしているのを先生はチェックしていた」そう。ルックスも博物館チックで大変な風格です。でも見ていると、メンバーはみんな平気でコーヒーとか台のところに置いちゃったりして結構荒っぽく扱われている。あ,そうだ、今回ちなみにハーモニウムの椅子も一緒に空輸されてきます。贅沢でしょ? でもハーモニウムって85kgなのね。でも大きさから言うと空輸の書類上では、もう100kg扱いになっちゃう。椅子を入れても92kgだから椅子も持ってきても値段は一緒。だから一緒に持ってきちゃうことにした。だってお寺にも洋館にもピアノ椅子ないし、それだけレンタルするのは手間だしお金もかかるから。……と、まぁ、こういうのもいろいろ考えながらツアーを組み立てていくわけです。人間運ぶのの3倍くらい費用がかかるハーモニウム。皆さん、充分堪能してくださいね!