bar clear all


2010年12月28日火曜日

伝統という重み:JPP



なんといっても2010年最大の思い出は、長年憧れだったJPPを招聘できたこと。これにつきるでしょう。

私もこの仕事をはじめて15年目に突入しようとしていますが、今年になってやっと伝統音楽とは何かが分ったような気がしました。それを教えてくれたのはアルト・ヤルヴェラ、ティッモ・アラコティッラ、そしてJPPです。

彼らのツアーは静かだったよ。本当に静かだった。あまり彼らは感情を前に出さない。こういう国民性なんだなと思ってみるけど、私の知っている他のフィンランド人は、もっとうんと普通だ。だからこれはペリマンニ特有のものなのかも? アンティなんかもフリッグで来日した時と、性格が違う!って感じ。(でも二人だけになると、よく話したけどね。アンティ、いろいろありがとう!)

それにしてもアルトとティッモ。今年はノルディックトゥリーのツアーから、そのままJPPというわけで、二人と2週間べったり一緒にいたことになる。長いツアーだった。でもシミジミと、シミジミと良いんだよね、この二人。本当に本当に派手さはまるでないし、ジョークも面白くないんだけど、でも、しみじみと良いんだよねぇ。

そして悪い事にJPPもノルディックトゥリーもコンサートがほとんどNO PAだったことから、私はすっかりそういう音になれてしまった。今ではPAを通した音は、のっぺりと平らでまるで面白みがないように思える。繊細なボウイング、そして大きな大きなダイナミクス。それがPAを通すと、まるで伝わってこないんだよ。コンサートはやっぱり生音に限る!! そう思ってしまう今日このごろなのでした。いかん、ますますマニアックな方向へ自分が行ってしまう……

そんなわけで、今年の私のPerson of the yearは、マウノ・ヤルヴェラに差し上げたいと思う。JPPと一緒に仕事をしていると、みんながマウノのことを尊敬しているのが本当によく分る。誰も何も言わない。でも分るんだ、みんなが心からマウノを慕っているのが。ペリマンニは多くを語らない、でも多くを意味する。だってあの音楽を聴いてみてよ。あんなに豊かで繊細な音楽は他には存在しない。

JPPを呼べたのは本当に武蔵野文化事業団のKプロデューサーのおかげだ。Kさん、すごい決断だったよ。「ノルディックトゥリーで苦労するならJPPでも同じでしょ」とさらっとJPPをブッキングしてくださった。実は私はこの時点ではあまりJPPの音楽に興味はなかった。でもJPPのツアーを組めば、ハーモニウムもミュージシャン2人も日本にいることになるし、あとはハンスさえ呼べばノルディックトゥリーのツアーはなりたつ。だからノルディック・トゥリーのツアーをやりたくて、JPPを呼んだ。でもってJPPにはさほど期待してなかった。JPPの旬は「ストリングティーズ」を出した90年代の後半で、もうバンドとしての全盛期は過ぎているだろうと思ったのだ。(いつもここに書くようにバンドの命は本当にはかないものなのです)

武蔵野が決まった段階で、もう赤字だろうがナンだろうが,ツアーは催行する覚悟を決めたのだが、そこに伊丹のコンサートを持ってきてくださったハーモニーフィールズさんにも大感謝だ。そして北海道ではコンカリーニョさんが手をあげてくださり、一応ツアーの体裁を整える事ができた。やった!

実は伊丹でのコンサートはホール側の要請で伝統曲オンリーのプログラムにしてくれという事になった。ご存知のように現在のJPPは、ステージで演奏する曲の90%がオリジナルだ。たった3回しかない公演でステージ上の自由がなくなって、他のメンバーはどうだか知らないけど、アルトは明らかにイヤがっていたし(反対にテイッモは面白がっていた)、ペリマンニの正装(白シャツに黒ベスト)は、それほど嫌がらずにやってくれたけど、この日のプログラムはメンバーにとっては何年も演奏してない曲を演奏するのに、ほんとうに大変だったはずだ。しかも「Hale Bopp」(マウノ作曲)も「Engel」(ティッモ作曲)とかも、もちろんなし。

でもこの日のマウノは,素晴らしかったね。あれはいったいなんだったのか? 伝統曲をやることで火がついたのか? それとも実は「今日の演奏は久しぶりの曲ばかりで、演奏が本当にヤバいぞ」という焦りから、自分がバンドを引っ張らねばならないという事で火がついたのか? あとからアルトも言ってたけど、あの日のマウノには神様が降りてきていた。本当に素晴らしかった。一歩前に出て、バンド全体をひっぱる様子は、おそらくバンドがもっと若くてブイブイとアメリカをツアーしてたころの演奏と何ら変わらないものであっただろう。

今回のツアーでももしかしたら健康上の理由でマウノは来れないかもという話が幾度かあがった。ブッキングはご存知のとおりこういうコンサートは1年前に決まるので、「またビザを取る段階で難しそうだったらエスコに頼もう」とアルトとは話していた。でもエスコが来たら,こんな風にはならなかったと思う。エスコは派手なプレイヤーで、本当に楽器がうまい。楽器はめちゃくちゃ巧くて、おそらく現在の若手フィドラーの中で「一番うまい」のは彼だろう。でも、あの深みはエスコじゃ絶対に出ないんだよね。

JPPの音楽は、ペリマンニの哀愁が、人生の哀愁が、すべて集約されたような音楽だった。そして……なんというのかなぁ、やっぱりすごいと思うのは、この円熟度なんだよね。ずいぶん前に来日したデイヴ・マネリー(アコーディオン/アイルランド)が10年くらい前にインタビューに答えて言っていた。「自分は今のアイルランドやケルト圏のバンドは全然興味ない。1920年代のアメリカの音楽が素晴らしいと思うんだ」質問者である松山晋也さんが「その頃の音楽にあって、今のアイリッシュミュージックにないものはなんだと思いますか」と質問すると、デイブは少し考えたあと、「円熟(maturity)」と答えた。

今、やっと今、デイヴの言う円熟ってのが分ったような気がするのだ。円熟度は……たぶん長く音楽をやっていないと出ない。いや、長さはもしかしたら関係ないな。ましてや自分のエゴがあると一瞬にしてきらめきを失ってしまうものだろう。音楽に、この伝統に対する自分の献身度。これなんだよね。これが本物の音楽の円熟、そしてこれこそが伝統音楽なのだ。

と、ここまで書きましたが、実際は音を聴くとJPPってめちゃくちゃ過激なことをやってます。そこが本当に素晴らしい。とりあえずいわゆる「豊かなフィドル系」音源を貼付けてみましたが、この良さが分るかなぁ。こういうのにハマるとね、もうボウイングがぐっちゃぐちゃなユニゾンのバンドとか聞けないんだよ。繊細なボウイングと大きなダイナミクス。これを知っちゃうとね、もう他の音楽がノッペリしちゃって聞けない。メロディを丁寧に扱おうと思ったら、ボウイングはあって当然なのだ。もちろんクラシックみたいにヒステリックに意図的にボウイングを揃えるのは全然健全じゃないと思うよ。でもたとえばヴェーセンをみていて。ミッケはウーロフの呼吸とあわせてメロディを奏でている。だから二人のボウイングは、いつもよくあっているのだ。それはまるで意識することなしに。

このメロディに対する献身度が……音楽を聴けば分るでしょう? 演奏者のエゴなど、みじんも無い。このメロディに向かってバンドがまとまる感じ。これが音楽の豊さなんですよ。

しかしJPP。今後どうするかなぁ。ライブ盤というものすごい名盤が出来たのだけど、もう来日は……おそらく2度と無理だろうし、せめてライブ盤をリリースしてみようかと心がゆれている。が、リリースしても意味ないんだよね。すぐにアマゾンとかで入ってくるから、お客さんはそこで買えば良いのだし、リリースして来日のための予算稼ぎができるならいいけど、それも今やありえないしね。リリースしたら赤字になる可能性は大。そんなJPPについては、まだまだ書きたいことがあるので、この後しばらく続く予定。

2010年12月26日日曜日

グレンがもうすぐやってくる!



さーて、グレンがもうすぐやってきますよ。ホント嬉しい。またあの元気が分けてもらえる。早く来ないかなー。リクエストなどありましたら、ぜひぜひメールください。本人に渡します。もっともどこも狭い会場。リクエストは叫べばやってくれますよ、きっと。手紙書いてきてくれて、会場の受付に渡してくれてもいいし。そういや2年前の京都では歌詞を書いてもってきたお客さんもいましたなぁ(笑)

それにしてもグレンのライブにかける集中力たるや本当にすごいと思う。ステージをお客さん側から見ていると本人ビールを飲みながらのらりくらりとやっているように見えるでしょ? でもそうじゃないの,実際は。本当にステージに向けて万全を整える、その様子は端から見ていると,実はちょっと痛々しいくらいなのよ。伝統音楽系の連中がまったく自然に音楽をやっていて日常の延長でステージに出るのと比べるとすごい違いだと思う。時々ものすごい緊張してしまうこともあるらしく(今回も何せ急にデカい会場から小さくなるので、ちょっと心配)、こんなことをブログに書くとグレンが嫌がるかもしれないけど、とにかくあのステージにかける情熱は、ちょっとウチの他のどのアーティストとも比べられない。(ちなみにほんとにリラックスしたグレンは、ほとんど黙っている。ペラペラしゃべって盛り上げているのはステージ上のキャラクターだ。だから結構ツアー中、二人で落ち着いて食事をする時や移動の時などは、ずっと黙って窓の外の景色をみていることが多い。でも打ち上げでも、知らない第3者が来ると、またペラペラとしゃべり始めるので、根っからそういう2面性のある性格なんだろうなと思う)

この話,多分前にもここに書いたことがあったと思うのだけど、また改めて書きますね。グレンはもちろん、私はウチのアーティストが来れば、自分が主催でなくても(この前のケルクリみたいに)、ツアーはずっと付いて行くし、海外にも何度も観に行くし、とにかく何度も回数を観るわけだから、自分のアーティストなら「あ,今日は調子いいな」とか「うーん、いまいち」「集中してないな」とかすぐ見分ける事ができる。いつだったかの日本ツアーの時、グレンは毎晩毎晩集中力が増して、とにかくみるみる演奏が良くなっていったことがあった。でも最後から2日目はちょっと疲れがでたのか、いまいちの出来だった。そして最後の最後。ラストチャンス。ツアーの最終日という日。この日はもう最高に盛り上がるだろうと私もグレンも確信してたんだけど、実は2セットやったうちの前半の調子がいまいちだったんだよね。(いや、もちろんこのイマイチってのは、もちろん95点以上のことを言っているんですよ。こんなのに気づくのは本人と私と、全国おっかけの方くらいだと思う)

前半のステージが終わり休憩になって、楽屋に戻ってきたグレンは、いつもどおり、お部屋にこもるわけで、私も滅多な事じゃ話かけないのだけど、私がちらっと部屋をのぞいてビールを持っていったら、グレンは私に「ヨーコ、何もいうな。自分のことは自分で分ってるんだ。後半は絶対に良くしてみせるから」と私の目をみて力強く言ったのだった。

そのとき,思った。この人のライブにかける情熱はただものではない、と。こういう「絶対になんとかする根性」は、もしかすると北欧のバンドでは少ないかもしれない。アイリッシュには多少みられる。でも、やっぱりグレンほど一晩一晩のステージに100%の情熱をそそぐ人は本当にレアだと思うのだ。少なくとも、私はグレン以外には知らない。もしかしたらポールもそれに近いものがあるかな。ポールの方はステージのパフォーマンスも充分ピリピリしているから、お客さんが、本人のテンションを想像するのは簡単だと思うけど。

お客さんにとっては、6000円とか、5000円とか、2000円のチケットだから、たま〜に、お客さんからツアーを全部買いしめたんじゃないのみたいなコメントが来ると、私はムッとしちゃうのだけど(笑)、いったんステージで公表したものについては、主催者(私)も、アーティスト(グレン)も、責任をもって受け止めるしかないのだ。だから「今日は良くなかった」と言われることは、いつでも覚悟してなくちゃいけない。お客さんにとっては1回きりの貴重なライブなのだから。チケット代だけじゃなく、自分の貴重な時間も交通費も裂いて、来てくれたわけだから。だからアーティストも主催者も良いものを提供しようと必死になるわけだけど、それでもやっぱり人間だから、巧くいかない時もある。というか、巧くいかない時の方が多い。でも必死でお客さんにまた戻ってきてもらえるようにアーティストも主催者も頑張る。頑張るのだ。ウチのアーティスト、全員、みんな本当に頑張っている。めちゃくちゃみんな努力家なのだ。が、それにしても、だ。グレンの集中度は尋常ではない。グレンはいったい何を目指して歌っているんだろうか。私も自分なりの解釈があるのだけど、今だそれを人に説明するまではまだはっきりと理解していないと自分でも思っている。この人の音楽にかける気持ちは、本当に通常の人間を遥かに超えたものがある。「音楽」っていうより「ステージ」と言った方がいいかな。この人からステージを取ったら、いったい何が残るんだろう、と思う。お客が2人いれば、グレンは何も戸惑うことなくステージを作るだろう。グレンからステージを取ったら、たぶん死んじゃうんじゃないかとも思う。そのくらいステージにかけているんだよね、グレンはね。

気を付けないとホント食べ物を食べるのもストップしてライヴに気持ちが行っちゃうので、ホント身体によくない。一度ステージから戻ってきて「あぁ、なんかお腹に力が入らなかった。何か食べておけば良かった」とボヤいていたことがあったので、それ以来、必ずグレンの好きなお寿司を少しだけ楽屋に必ず入れるようにしている。で、だいたいは「食べたくない」って言われるのだけど、「いつだったか“食べておけば良かった”ってステージから戻ってきたことあったじゃない?」と言うと、グレンは無理にでも口にお寿司を運ぶ。いつもそんな感じだ。

さらに言うと、お寿司を割とたっぷり楽屋にいれてあげたら、あいかわらず「食べたくない」といってステージにあがってしまい、そのままステージをこなし、「あ〜今日のライヴも良かった。お腹すいたな。打ち上げは何かおいしいもの食べにいこう」と私が楽屋にいったら、グレンは、すでにクタびれたテイクアウトのお寿司をペロリとすべて平らげていて「もー、死ぬほどお腹すいた。倒れるかと思った」なんて言うから「なんだ、これからおいしいもの食べにいこうと思ったのに〜っっ!」ってな事もあった。

と、つまりそういう食欲のコントロールがまったくできなくなってしまうんである。ちょっと信じられないでしょ? 

そんなグレンのものすごいステージがまた日本で観られる。今回のツアーは実は前回のツアーが終わったとき、速攻で日程を押さえたから実現した。スクイーズがこんなに成功している今、次のスケジュールがもらえるかどうかは、まったく分らない。私も保障しません。ウチもこの仕事いつまで続けるかホント分らないし。なので、ぜひぜひ皆さん、これが最後と思って、ぜひ会場に足をお運びください! グレンが間違いなく会場に来たあなたに元気を分けてくれますよ。

2010年12月25日土曜日

ジョン・スミス「僕は友人に見取られながら死ぬのかと思っていた…」



経理合宿に入る前に(今のところ12/29〜1/2を予定)、そろそろ今年1年を総括して何か書かないとなーと思いつつ,今年の最大の収穫は実はジョン・スミスだったと思うので、そのことについて書いてみようと思う。アルバム・オブ・ザ・イヤーは間違いなくジョンの「Map or Direction」。そして曲は「僕は友人たちに見取られながら死ぬのかと思った」という幽霊の歌「Invisible Boy」。ウチの他のアーティストを応援してくださっている皆さんごめんなさい。でも今年1年振り返ると、ジョンは本当にめっけもんだったと思う。こんなウルトラヒットは滅多にあるもんじゃないよ、ホント。

ここにも書いたのだけど、ジョンを見つけたのはまったくの偶然だった。CDにめっちゃホレこんだのはいいけど、まさかここまで自分でもジョンにのめり込むとは予想してなかった。やっぱり私はなんだかんだいって、本来こういう音楽が好きなのだ。結局コンテンポラリー系のものすごく良いものがリリースできれば、実はインストものよりも気持ちはそっちに入る。だからおそらく来年の1位のライヴは絶対にグレン・ティルブルックなのだ。それはもうなんとなく分っているのだ。ま、それはまた置いておいて……。

もちろん普段自分がかかわっている伝統音楽は、いつもすごいと思っているし、大尊敬している。特に今年は長年の夢であったJPPを招聘するという夢がかない、その素晴らしさに本当に心を打たれたのだった。JPPと一緒に過ごして、伝統とは……伝統音楽とは何か始めて分ったような気がしたよ。JPPに比べたら、今まで私がかかわってきたものは、ルナサやヴェーセンはもちろん、チーフタンズやアルタンにいたるまで、伝統とはまるでかけ離れたものだと思ったよ。もちろん本来はすべてを含めて「伝統音楽」なのだけれど。ま、それはまた後で書くとして…。

それにしても、ジョンは素晴らしかった。悩めるジョンは、むき出しの熱い鉄の塊みたいな奴だった。クールに見えながら、ラティーナのCD評でおおしまさんが書いてくれたように、実は内側はマグマのように熱い。この世界でやっていくことの辛さや大変さ、それをすべてをまだ30にならない若者は抱え込み、非常に悩んでいるようにも思えた。7月の暑い東京。ジョンと二人で、レコード会社一人アーティスト一人のプロモーション活動。お互い逃げ場がない状況で、時々喧嘩しそうにもなったよ。

そのジョンを紹介してくれたブーと先日やっと大阪でゆっくり話すことが出来た。ジョンのことを報告したかったからブーと話せて良かった。思えば1対1ツアーは、いつも濃い。これからやる1月のグレンも、また、ものすごく濃いだろう。ブーの時も本当に濃いけど、ブーはいいんだ。私たちは本物の親友だから。ブーの場合は超例外で、他の1対1ツアーって、良く知らないなのにいきなり結婚しちゃったような状況だから、本当に異様な間柄なのだ。それでも年上で経験値の高いグレンとのツアーはまだ楽だ。ジョンとの1週間(そして京都も含めると10日間)は、本当に辛かった。

ジョンは、ものすごく才能にあふれた人だと思う。家は子供のころから貧しかった。お父さんは牧師ということになっているが、もともとは音楽ビジネス(クラシックの方面?)の仕事をロンドンでしていて、それが立ち行かなくなりデヴォンに引っ越してきたのだという。デヴォンとはいえど牧師だけで食べていけるわけでなく、確かタクシーの運転手もしていたと言っていた。でも音楽が本当に好きな人で、そのおかげで例えばレッド・ツェッペリン、ボブ・ディラン…そのヘンの重要アーティストの一通りのレコードは、家にすべて揃っていたらしい。ジョンもバイトをしながら家計を助けていたが、早くこのイヤな街を飛び出そうと頑張って勉強した。やっと大学に通うことになってリバプールに引っ越してからは、ずっとリバプール在住で、心はいつもリバプールにあるみたいだった。東京にいる時も、話を聞いていると、付き合っているロンドン在住の彼女よりも、リバプールでハウスシェアしている仲間の方が気持ち的に近いというか、この時期の男の子にありがちな傾向だよなと思ったほどだ。デヴォンの話は、あまり出なかった。

最初はジョン・マーティンの事務所に所属し、そこでも相当気に入られていたのだろう。当時リリースしたライヴCDとDVDは、きちんと制作され、事務所がジョンの才能に期待していたのが分る。でもジョンいわく、そこには所属アーティストがあまりに多すぎて、思うようにブッキングをしてもらえなかった、と。そんなわけで、その事務所を離れ、今はデイヴィッド・グレイやダミアン・ライスが所属するアイルランド系のマネジメントオフィスに籍を置くようになった。そこに所属してからの活動を眺めると、デイヴィッド・グレイをはじめとして、かなり大物アーティストの前座としてツアーができるようになったので、希望がかなって本当に良かったと思う。まだまだ英国でもジョンのことを知っている人は少ない。でも、そうやって大勢の人の前で演奏することによって、そこからジョンを本当に応援する人が出てきてくれればいいな、と思う。

このリチャード・トンプソンのMelt Downでの演奏の映像をみていて思い出したのが、六本木ヒルズにあるTSUTAYAのスターバックスでのジョンのインストア・ライヴだ。周りはかなりザワザワと騒がしかった。でも雑踏の中で聞いたジョンの歌声は、本当に素晴らしかったよ。雑踏の中だからこそ心に沁みた。ジョンはあの時、私の心にだけ向かって歌ってくれているように感じた。(あそこで真剣に聞いてくれたお客さん全員がそうだったと思うけど)

とにかくインストア、ラジオ、どんな環境で演奏しても、環境が多少悪かったとしても、いつでもジョンの音楽に対する集中度は素晴らしかった。こういう雑踏の中での演奏って、そうなのよ。周りがうるさいのは別にどうでもいいの。その中でアーティストが音楽に集中できないと、ダメなんだよね。アーティストが集中してさえいれば、いくら雑踏の中でも、その音楽は打つべき人の心を打つ。こういう研ぎすまされた集中度は、歌とギター、たった一人のアーティストだからこそできるマジックかもしれない。バンドになると、また話が違ってくる。

ジョンは言っていた。「一番のギタリストになろうとか、一番のシンガーになろうとは思わない。ただ一生懸命練習して、ベストの自分になりたいんだ」と。真面目で、ホントにいい奴なんだよ、ジョンって。

ジョンのパフォーマンスで、もっとも心に残ったのは、東京ボブ・ディランの名店「ポルカドッツ」で約30人ほどのお客さんの前でウォームアップギグをやったとき。あの時、間違いなく池袋に音楽の神様が降りてきていた。あのライブがとにかく私は忘れられない。実は記録も取ってないので、今、それを聞き返すことが出来ないのが残念だが、それでもあの時の感動は今でも新鮮に思い出せるのだ。あの時のジョンの集中力は素晴らしかった。

お客さんは、それこそ水をうったように静かな中でじっくり聞いてくれたけれど、あそこにだってジョンのことを知っているお客さんが来てくれたわけではない。「無料だしマスターが薦めてくれるから、のぞくか」程度のお客さんだったと思う。それは翌々日のスターパインズアカフェでの公演でも一緒だ。でもあのとき、ジョンは本当に私の期待に答えて素晴らしい歌を聞かせてくれた。ギターも最高に最高にとぎすまされていた。

私の2010年はあの一夜に集約されていたと思う。今だにあの感動をうまく伝えることは出来ない。でもあの時のジョンの歌が忘れられない。忘れられないので、またなんとか2011年も呼ぼうと今,頑張って動いているところだ。期待していてください。

2010年12月23日木曜日

お花見ワールドビート2011

さて今日なんか、もうとってもあったかくて明日にでもお花見でいそうな陽気ですが、まだ春は遠い? でも近いですよ。なんてったって、あと3ケ月後にはこんなに素敵なイベントがあります。お花見ワールドビート!!! 

3/26(土)上野水上音楽堂
出演:エディ・リーダー/ジョン・マッカスカー,マイケル・マクゴールドリック&ジョン・ドイル トリオ/栗コーダーカルテット/シュローダーヘッズ/ほか
13:00開場/13:30開演(18:00終演予定)
前売:5500円(自由席・税込・整理番号入)

4/2(土)上野水上音楽堂
テテ/デヴィッド・ウォルター/Rickie-G/中村まり/ロンサムストリングス/エミ・マイヤー
13:00開場/13:30開演(18:00終演予定)
前売:5500円(自由席・税込・整理番号入)

先行発売:1/12(水) プランクトン
一般発売:1/15(土) チケットぴあ、e+
お問い合わせ:プランクトン 03-3498-2881

そしてエディにゴールディ、ジョン・マッカスカー、ジョン・ドイルたちは、名古屋、大阪にも行きます。
3/28(月)名古屋クラブクアトロ
3/29(火)心斎橋クラブクアトロ

楽しみ、楽しみ、楽しみ。春は近い!

ケルティック・クリスマスのこと、そして…

長いブログを書こうと思った。ケルティック・クリスマスのこと、そして……

うまく考えがまとまらないので、とにかく、この方のブログをご覧ください。本当に私たちは厳しい世界の中に生きている。もちろん厳しいのはこの業界だけではないのは分っているけれど。

CDは厳しいけどコンサートは盛り上がっている……って、誰がどんな統計をみて言っているのだろう。みんな厳しい。小さな会社の社長さんは皆どこも自分のポケットからお金を出して、なんとか事業を補填している。ウチなんて運転資金ミニマムの超低空飛行だからまだやっていけているようなもの。従業員とかいたらとてもじゃないけど続けていけない。だから雑用でも何でもいい歳して何でも一人でこなしていかないといけない。辛いとおもうことも、もう止めてしまいたいと思うことも、今までに何度も何度もあった。

カンバセーションの皆さんには、チラシ配りやら、アーティストの来日の件で相談にのっていただいたり、本当にお世話になりました。

2010年12月22日水曜日

ロビン・ヒッチコック、カバー集



ロビンがニック・ドレイクやボブ・ディラン、ジョージ・ハリスンをカバーしたカバー集を出すみたい。ニック・ロウとのユル〜イ「Blue Moon of Kentucky」(ビル・モンロー)なんか、とってもいい感じ。それにしてもロビン。創作意欲がつきることない。そしてそのどれもがハイクオリティ。早くまた呼びたいなぁ。トラックリストなどは、ここ。音はここで聴けます。

2010年12月20日月曜日

ヴェーセン、出演番組放送情報

音楽専門チャンネルMUSIC ON! TV
http://www.m-on.jp/
視聴方法などは上記URLからどうぞ。

“WALKMAN” Presents 「キミの知らない音 Project」特番

12/23(木・祝)19:00〜20:30 (初回放送)
12/26(日) 21:00〜22:30 (リピート放送1)
12/28(火) 10:00〜11:30(リピート放送2)
12/30(木) 12:00〜13:30(リピート放送3)

「YUI、清水翔太、JASMINE。日本の音楽シーンの次世代を担う3人のアーティストが、これまでにない音の魅力を求め、音作りの旅を始める。旅先で見た風景や、感じたインスピレーションを通して、アーティストが自分達の特別な“音”を創る過程を追いかけるスペシャルプログラム」という事だそうです。いったいどんな番組になっていることでしょう〜。

ウーロフいわく「日本人が大量にウチに来た」という事ですが、なんといってもウーロフの家は、MUSIC PLANTのどのアーティストのお家よりもデカいので、きっと大丈夫だったことでしょう(笑) ちなみにいわゆる「豪邸」はポール・ブレイディの印税御殿。メアリーも別荘や別宅がいくつもあってすごいなぁと思いましたが、広大さからいったらウーロフの家が一番。それこそ増築増築で、ものすごい事になっています。うらやましいけど、あれじゃあ暖房費とか大変そうだな〜。1ケ月以上いかない部屋とかありそう(笑) 放送が楽しみです。

グレン・ティルブルック、ミュージックマガジンさんに掲載いただきました!

うわ〜い。来日までの気分も盛り上がりますねぇ〜。内容もとっても良いインタビュー。

高岡さん、編集部の皆さん,本当にありがとう。早く来ないかな〜、早く来ないかな〜、早く来ないかな〜。

2010年12月19日日曜日

グレン・ティルブルック、クロスビートさんにインタビュー掲載

この夏に取材していただいた記事が掲載されています〜。Love hope and strengthのこと、スクイーズのこと。いろいろ語っています。ホント、ソロツアーもいつまで出来るかなぁ〜。

<グレン・ティルブルック 2011年ツアー>
1月8、9、10日 京都Irish Pub ノーム
1月12日 札幌 琴似パトス
1月14、15、16日 吉祥寺Star Pine's Cafe with サイモン・ハンソン
1月18日 横浜Thumbs Up with サイモン・ハンソン
すべてのインフォはこちら

2010年12月18日土曜日

ラウー、佐世保公演終了


エイダンは映画「ノルウェーの森」を鑑賞。

リハーサルの様子。みんな真剣そのもの。



サイン会の列。クリスの笑顔がかわゆい。

またケーキいただいちゃいました。そして楽屋でこれまたお客様にいただいたシャンペンをあけて今年最後のコンサートとなりました。お客さん、プランクトンの皆さん、ありがとう。また来年もよろしく。

2010年12月16日木曜日

佐世保へ移動

ラウー、本日佐世保へ移動。フィドルとギターはこのようにシートベルトをさせられるのでした。

ラウー、京都公演、最高でした

ラウーの京都公演。昨年よりも多くのお客様にご来場いただき、もりあがりました! ありがとう! 最後はFieldさんで大セッション大会。ラウーのセッション初めてみたけど、細々と技がきいていて、他のバンドのセッションより全然面白かった。



スヴェングとスヴェングニズム

Sväng & svängism from Ville Tanttu on Vimeo.

2010年12月14日火曜日

ルナサは昨日帰国、本日ラウーは京都へ移動

昨日はルナサが帰国してしまい、本当にがっくりだったのですが、都内に戻ってきたらラウーがまだいたからうれしかった。(日本語がヘン)

では京都で! 京都の皆さん、おまちしてりますよー。今回唯一のライブハウス公演。


新幹線の中で何故かシャンペン?

綺麗な紅葉。清水寺にて。

マーティンはラー油を購入。

2010年12月13日月曜日

ルナサ帰国。ラウーはオフでラジオ。



トレヴァーのベースをチェックイン中。成田空港にて。

ラウーは今日はオフ。ラジオを一つこなして、その後は恵比寿へ繰り出しました〜。渋谷駅にて。切符をかってくるからここで待ってなさいと指示したら、ほんとに大人しく待っている様子が、めっちゃ可愛い(笑)。

大好きなお魚屋さんへ。そのあとはもちろんトラムバー。ロジさん、皆さん、お世話になりました。

2010年12月12日日曜日

ケルティック・クリスマス

ケルティック・クリスマス。ステージのすてきな写真はプランクトンさんのブログにあがっているようなので、こちらでは楽屋の様子をお伝えしましょう。

ルナサの楽屋の様子。ちょっとお疲れ気味。

ラウーの楽屋の様子。あいかわらず練習好きで、細かいアレンジをいじりまくってます。

いよいよ共演! 歌ものは「Freeborn man」、チューンは「Ash plant」をやることになりました。


パイプはこうやって小部屋にこもってチューンアップが必要なんです。

ルナサのステージを見ているエイダンとマーティンの影。

こちらもステージ脇からアンコールの様子。

2010年12月11日土曜日

アラマーイルマン・ヴァサラット参上!



本日ケルティック・クリスマスでチラシを巻き始めますが、このバンドも、また来日します!

新設ホームページはこちら

ラウー到着! ルナサ東京に戻りました



ラウー無事到着!! うれし〜い! 到着時はお寿司とビールという決まりなんです、ラウーは。


ラウーのホテルチェックインを手伝い、ルナサを出迎えてみれば、ルナサもお寿司が食べたいという‥‥もう生魚は見るのもいやだ(笑)。


ランドセルを姪っ子に買っていきたいショーンおじさん。


あぁこういうショットってバンドっぽい! スペイン坂。


夕飯は焼き肉です。ルナサとラウーのご飯なんて、なんか夢みたい!!


最後はバーでなごみます。

2010年12月9日木曜日

ルナサ in 大阪




すみません、順番ばらばら。あとで整理します! では名古屋にむけてレッツゴー!