ブックカフェのある街

映画館で買った「海炭市叙景」の文庫本は鞄の中にいれて、営業中に大事に大事に読んでいます。なんか都会の電車の中とかで読むとイチイチしみます。ホントに美しい本だと思います。

そういった時間の合間に、またもやちゃっちゃと1冊読んじゃいました。それにしても来日が何もない2月は本も読めるし、映画も観れる。なんかよい月です。風邪で寝たことをのぞけば(笑) 仕事もオフィス仕事が進む,進む。こういった時に仕事をたくさんして、時間貯金を稼いでおかねば。また春はマーティンとデニス、そしてヴァサラットの来日と、超忙しくなります。

さて、実は「海炭市〜」を紹介してくれた人が仙台在住なのですが、仙台でこの映画に関するTalk Showがあるんですよと教えていただきました。へぇ〜ということで、今日紹介する本は、そういった仙台でのユニークな文化活動に非常に貢献してらっしゃるという仙台のブックカフェ「火星の庭」さんの本。「ブックカフェのある街」。しかも出版社も仙台。仙台文庫という地元からの出版です。これまた偶然にも「古書ほうろう」さんが、私が納品に行く週に「入荷しました!」と呟いていらっしゃったので、これは何か縁のある本だと思い,購入しました。うーむ、仙台か。

帰り道から読み始め,寝る前に読み、あっという間に読んでしまいました。読んで最初の感想は「ブックカフェ、自分もやってみたい!」という事です。次に職業を選ぶ機会があったら、ぜひやってみたい。ちなみにこのブックカフェさんも最初はほんとに資金も何もないところからスタートしている。勇気をもらえる本です。パワーがあります。

ホントにいろんな人がいますが、今や東京は何をやってもカオスに飲み込まれてしまい,小さい事がたくさん同時多発的に怒っているから何も残らないのに比べると、地方都市は非常にポテンシャルを秘めている。地方都市なら何かやった時、何かが残るような気もしています。でももちろん分母(絶対人口)が少ないから、人を集めたり何かのムーブメントを作るのは大変だと思う。でもそれでも、ほんとに何かをやって行かないと,東京との文化格差がどんどん出てきてしまう。そして少ない分母とはいえ、たとえば北海道はフィンランドと同じくらいの人口がいる。仙台だってダブリンと同じくらいの都市です。やっぱり何かできない訳がない。

それにしても「海炭市」の映画も函館の人たちが、この美しい本をどうしても映画にしたいと思って作った映画なのです。人々を動かした、この本の持つパワーを噛み締めています。本を読むと「映画にしたい」って強く思った人たちの気持ちがわかる。しかもこの映画によって、この作家の本が次々と復刊しているそうですよ。うーん、素晴らしい。

ウチのミュージシャンの音楽も、どこかで誰かの行動をうながすきっかけにならないかな〜と思います。ウチの音楽はそういうパワーがあると思う。そしてそれについて、私ができることはいったいなんなのだろう、と考えています。

さてそのブックカフェ本を買った古書ほうろうさんで、今、ジョン・スミスとノルディック・トゥリーのCD、そして店主さんがファンだというグレンやクリスのソロアルバムを置いていただいています。ぜひご利用ください。