ラヤトン「無限の森へ」



本日、西荻窪の本屋さん「のまど」にて行われた、この絵本/CDのトークイベントに行ってきました。もっとトークが多いかなと思ったら、CDをたくさんかけてくれて試聴会みたいな感じでした。

最初「ラヤトンは韓国で売れているんですよ」という柴田さんのコメントに、いやな予感がよぎる。韓国で売れているヨーロッパの音楽って、ワールドミュージックじゃなくってニューエイジなんですよね。例えばアンビョルグ・リーエンが日本へのプロモ来日のあとに韓国に行ったとき、彼女の韓国のレコード会社は彼女のスローな曲ばかり集めて、むちゃくちゃ綺麗なピンクのアートワークで彼女の音楽を紹介していた。アンビョルグはノルウェー1番のフィドラーだ。だから、そういうのって全然違うと思う。あと他にシークレットガーデンとか超ビックなんですよ、韓国ではね。スタジアムとかでコンサートやっちゃう。なので、このグループも「韓国でビック」と聞いて、そんな感じかと思ってた。でも実際聞いたら、けっこうしっかり歌っていたし,特にフィンランド語の歌詞なんてホント良いよね。女性の歌ものを聞いたら、やっぱりヴァルティナに似ているなーと思ったし。ラヤトンは、男女3人ずつの6人グループだ。シベリウス・アカデミーを拠点に97年に結成されたそう。

アルバムたくさん出してて,中にはクイーンやアバのカバーもやっているらしいんだけど、日本ではそっちの路線にいかず、この路線(エコ、フィンランド、古い歌詞に曲をつける……みたいな)で紹介するのが正しいと思った。どうやら過去来日しているらしいことも発覚。(かつ、あの数年前に突如中止になったアカペラグループフェスみたいなイベントにも出る予定だったらしい)でも単発やライヴハウスとかじゃなくて,ちゃんと方向性を定めた上で、きちんとしたマネジメントのもとで、ちゃんと来日させたら良いよね。コンサート会場で、こんなCD売ったら、すごく良いと思うし。

しかしCD屋じゃ限界あるから絵本にして本流通というのは、すごいアイディアだなと思った。しかもホームページにあるように個人のお店さんに丁寧に営業する方法はすごい! アマゾンには流さない、って断言もしてた。でも分かる。確かにイラストレーターの三田圭介さんへのロイヤリティと、CDの音源へのロイヤリティと、この美しい装丁うんぬんを考えると、アマゾンのあの掛け率は不可能だもの。

しかし先日もとあるバーで話していて思ったのだけど、本にしても、CDにしても、お酒にしても、何か個人や小さい会社が新しい事を始めようとすると日本の場合はいつもこの健康的ではない問屋制度というか業界の古い悪習が邪魔をする。先日の一人出版社もそうだったけど。

それにしても仕事がないとか世間が文句を言っているのであれば、小さくても仕事を生み出すことが出来る私たちをもっとサポートしてもらえないかと思う。周りをみていて気づいたのであるが、仕事を生み出せる人間は実はすごく少ない。そして,皆とにかく忙しく人手はいつも慢性的にたりない。私だって経済的に余裕があれば、誰か雇えるのにな、と思う。

と、そんなことも考えた夜であった。明日からは少しでもあったかくなるといいなぁ。あったかくなれば、桜も咲く。プランクトンさんのお花見ブログの投稿を手伝いだしました。あちらにもちょくちょく投稿するので読んでくださいね〜。