映画「森聞き」

フィンランドの音楽が使われている、ということで、この映画を見てきました。「森聞き」

映画自体は高校生が森や山で働く人たちに話を聞きにいくという、なんのことはない内容。それにしてもこの制作会社さんの丁寧な仕事ぶりには本当に頭がさがる。先日のラヤトンのCD絵本もさることながら、今日の東中野ポレポレのロビーも、木こりグッズや山の展示でにぎわい、かつ私は夕方の会だったから遭遇しませんでしたが、昼間の回においてはトークショウが毎日設定されているという徹底ぶり。いや、ホントすごいです。

私は音楽がどう使われているのかに興味があったので、それにばかり注目していましたが、思ったほど多用されてもおらず、やはり映画が主役という感じですね。ま、当然ですが。内容はと言えば、映画の進み具合がゆっくりで多少最初の方は眠くなりましたが(ホント最近2時間以上の映画は必ず寝てしまう)お年寄りの言葉の数々にも感動し、そして何よりもピュアな高校生の言葉の方にも感動しちゃいました。

この仕事を60年とか続けているお年寄りに聞くわけですよ「この仕事の好きなところは?」「嫌いなところは?」と。ところが一方のお年寄りの方は、もう仕事が好きとか嫌いとかいう次元を超えているわけですよ。「種を残したいからやる」とかそういう事が回答で、高校生分かったかな〜と思ったんだけど、これがちゃんと通じ合えているんですよね。もっとも通じてない部分もたくさんあったけど。でも、それでいいんです。それにしても、あの女の子はホント賢そうだったなぁ。

というか、この年代の人たちは誰も職業を選ぶなんて出来なかった。木こりのおじいちゃんが学校に行きたかったけど、木こりになった、なんて言ってたし。でも……そうなんだよね。それが何十年と続けて、もう山の一部と化しちゃっているお年寄りたち。そうそう、このチャーミングな木こりのおじいちゃんも、トークショウで来日…じゃなかった来場するみたいですよ! ホント素晴らしい〜

でも職業ってホントにぴったりあった時、それはもう理由がなくなるのかもしれない。自分の仕事のどんなところが好き?嫌い?と聞かれたら、それでも私はいくつか理由はあげられるけど、でもその好きなところは同時に嫌いなところだったりもして、事態は非常に複雑だ。だいたい「何故この仕事をしているのか」という回答は、私も最近よく分からなくなってきている。ただここ数年、自分はヨーロッパの伝統音楽の一部なんだ、ととても強く感じている。自分はたまたま日本にいて、また何百年も続く伝統音楽の歴史の中で、この音楽を紹介する立場にいるだけだ、と。そしてヨーロッパの伝統音楽はとても根強いもので、今、多少ミュージックビジネス的な部分とクロスオーヴァーしているけど、それもたまたまな事で、もしかしたら自分はもっと違う形で伝統音楽にかかわりあってたかもしれない、とも思う。特にJPPを呼んだ時は,本当にそれを強く思った。私はこの音楽に呼ばれて、この音楽を日本に紹介するために、ここまで来たんだな、と。

やばい、またJPP病、発病……それにしても私ってマジメだなぁ〜。高校生みたいに自分の事,真面目に考えちゃいました、ハイ。自分の事、考えるの、実は大好きです(笑)。

とまぁ、今日というか昨日木曜日は、朝から夜中までずっと外出で打ち合わせの合間にフィンランド関係の映画を2本もみた1日だったけど、実は今日1番の感動大賞は、東中野のミスタードーナツの2Fで2度目の感動、ユキさんのラモーンズ本。お正月前に一度読んだのだけど、先日のドキュメンタリー映画をみてからは初めて読み返してみる。やっぱり映画観てからだと印象がだいぶ違う。バンドについて、バンドについて、バンドについて(笑)……じっくり感想を書きたいので、自分の考えがまとまったら、また改めて書きます。