どうしようもなく暗い映画、でも確かに光が見えたような気がした

どうしようもなく暗い北欧映画が大好きなのですが、これもそんなタイプの映画のうちの1本。「光のほうへ」デンマーク映画。

幼い兄弟は、アル中で育児放棄してしまった母親に変わって小さな赤ん坊の面倒を一所懸命みていた。でもある夜、誤って赤ん坊を死なせてしまう。大きくなって疎遠になってしまった兄弟の生活はそれぞれボロボロだ。兄はムショ入り。やっと出所しても失業していてシェルター暮らしのアル中。弟は結婚して子供をもうけたものの薬中で、夫婦で薬でフラフラになっていたところ奥さんは車にひかれて事故死。弟はしっかりせねばと思いながらも薬が辞められず、それでも小さな息子マーティンの面倒を見ている。

福祉が充実している国の話であることは映画をみていても理解できる。でもそんなデンマーク、北欧でもありうる、まったく底なしの世界。最後にそれでもなんとなく光がみえたような気がする。いい映画だった。早くしないと今週で終わっちゃうらしいので、都内にいる方は必見。でも隣でやってる中国映画の方があきらかにポップに泣けて面白そうだったよなぁ!(笑) 

それにしても人間が生きて行くのは面倒くさくて難しい。昨晩寝る前に読んだ【「認められたい」の正体〜承認不安の時代】にちょっと通じるものがある。人間が生きて行くのは本当に大変だ。一人一人が、たいしたことない人生を、まったくもって大騒ぎしながら生きている。たとえば……たとえば犬みたいに散歩してご飯をたべてご機嫌のご主人の側にいられるだけで幸せ……って事には何故ならないのだろうか。人は誰もが認められたがっている。自分に。自分に近い人たちに。自分の知らない人たちに。人間は自覚症状のあるなしに関わらず認められなくてもいいと100%割り切ることは絶対にできない。でも、そういった考え方から自由になる方法がこの本には書いてある。良い本だった。

結論として、人生は大変だが、良い本や良い映画がたくさんあるので、良いと思った。今日を頑張る皆さんの側にも、あなたの人生を勇気づけてくれる音楽や映画や本がありますように!