ギャラ不払い:ときどきいるんだよね…そういうのなんとも思わない人

友達のFBで、ギャラの支払いのことが話題になっていた。フリーランスの人や、外部の人を使ったら、ギャラを払うのは当然… なのだが、それを怠る人が本当におおい。私なんぞも、よく広告代理店やTVとか媒体とか称するところからさんざん情報を搾取されたあげくノーギャラなんて事もよくある。今じゃそういうバカなのにはひっかからないけどね…情報は無料だと思っている人が本当に業界内にも多いから困ったもんだと思う。でもこちらもアーティスとやアーティストの出身国のことはある程度プロモーションしたいので、ほんとうにそのへんの線引きが難しい。ただせめて、自分が人に何かをお願いした時はかならず、きちんとギャラが発生するように気をつけたいと思っている。

おおきな会社や代理店、イベントプロモーター…だけでなく個人でも、そういう人はけっこういる。私は幸いなことにあまり実害もないのだが、端から見ていて思うのは、悪い人というのは実はそれほど悪意をもってやっているわけではないのではないか、と。だから余計にたちが悪い。そして最後の決めのところで身体が動かないという人が多い。あぁいう人は軽い鬱病みたいなもんなんじゃないか、と思う。

情報の無料搾取はたびたびあったが、過去THE MUSIC PLANTにおいて具体的に借金を踏み倒されたのは倒産した原楽器の売り掛け2万ナンボ程度であるから、まぁ運が良いというか上手くやっている方ではないかと思う。もう面倒だったのでその2万ナンボは諦めた。原楽器にはもっとたくさんの売り掛けが残された会社がいっぱいあった事と思う。

その他では記憶にあるところでは、某プロジェクトで私が紹介したライヴハウスをとある人が借りて、借りたはいいがそこに借金を残し、私がその借金をかぶったという事件がある。もう10年以上たったから時効だよね……きっと。その人はライヴハウスからの再三のメール、電話にも返事をせず、そして奥さんと子供と普通に生活していた。まったく返信がないので、私は家に押し掛けていった。ああいう人は、きっと鬱病みたいなもんなんだと思う。電話しなくちゃいけないのに出来ない。これをほおっておくと大変なことになるのに、ほおっておいて単に時間がすぎるのを見ているだけ…という。あまりにも頭に来たし、私も責任がある事だったし、ホントに時間がもったいなかったので、最終的にこの借金を私が肩代わりしライヴハウスに支払った。

この人は(今でも思うのだが)ある程度わたしのことを思んぱかってくれる人で(でも本当にそうなら迷惑かけるなよ、と思うよ、ホント)、私が彼の借金をかぶったことは彼に多大なるプレッシャーというか、心の負担をかけたことになったと思う。これが私からの彼に対するリベンジだという私なりの結論だ。万が一私にお金が返ってこなくても、これはもういい。お金はたいした金額ではなく30万とか50万とか。その程度だった。もう金額も覚えてないや。でも彼は非常に申し訳ないと言って、まともな職業についている彼の奥さんが借金は必ず分割で返しますという証明書を一筆書いてくれた。一気にかえせないので月々このくらい、という明細もつけて…。

返済には半年くらいかかったと思う。返済はたしか最後の1回のときにちょっと滞っただけで、きちんと返済された(当然だ)。もうこれで二度とこの人に会うことはないだろう。私はなんとなく納得していた。が、あとから判明したのであるが、彼らはこの間、どうやら外国へ家族旅行に行ったらしいのである!! まったく! 信じられない。私は貧乏な中からお金を貸してあげたのに!!! もしかしたら彼らはサイコパス!?

アメリカにはサイコパスという、まったく他人に感情を寄せることのできない非人間的な人がかなりの高確率でいるらしいのであるが、日本、とくに音楽業界の場合、こういう感じの「軽い鬱」の人が多いのではないかと思う。責任を取らなくてはいけないのに取れない人。困難に正面から向かい合って解決しようとしない人。そもそも日本人は給料もらって、サラリーマンで、会社の言うことをハイハイと聞いて責任も持たないで学校に行くみたいに仕事しているのが一番あっている人種なのかもしれない。それが出来もしないのにフリーランスになったり、責任がともなうような仕事をしようとするから、そういう結果になるのかもしれない。可哀想な「軽い鬱」の人たち。同情すべき点はたくさんある。が、だからこそ、彼らは一番たちが悪く、一番関わらない事が正しい人たちなのだ。皆さんも気をつけた方がいい。あなたの周りにも心当たりある人がいると思う。

いつぞや有名キーボードプレイヤーの難波先生が、スタッフを雇うことについて言っていた。一番たちが悪いのは「いい奴だけど仕事ができない奴」だということ。「いい奴で仕事ができる」やつは問題ない。「悪い奴だけど仕事できる」は我慢すればいい。ただ一番扱いに困るのが「良い奴だけど仕事ができない奴」。この話も根本はこういうところにあると思う。仕事をしていくのは本当に難しい。

ミュリエルのチラシを熱血制作ちう〜