映画「危険なレシピ」を見ました

EU FILM DAYS…やっとこさ今日のぞけました。まったく各国大使館から案内もらっても忙しくて行けやしない。招待状の1枚は将来有望な映画監督に差し上げたのだけど、彼も行く時間あったかしら(笑) というか、この映画祭、チケットは買っても安くて、たった500円なのだから、ぜひぜひ皆さんにものぞいてほしい。ちなみに結構うまっていた会場ですが、今日のお客はジジババばっかりでした。東京ってホントに安くて面白いものがたくさんあるのだけど、それはだいたいみんな年寄りに占拠されているよね。年寄りには時間がたっぷりある。一方の若者は忙しくて見れやしない。この映画を見て、環境問題について真剣に考えたところで、あと20年後にはここにいる皆、生きてないよ、と思った(ブラック)。

それにしても、こういう映画祭に出展される映画って、今ひとつマニアックで盛り上がりにかける…というのを覚悟でいったら、なんと、この映画めちゃくちゃ良かったし、笑いが止まらなかった「危険なレシピ」。 先週ウチもレクチャーでお世話になったフィランド大使館のミッコ・コイヴマーさんの流暢な日本語解説から始まりました。(ホント、ミッコさん忙しいなー。明日も浜松町で育メンレクチャーだしなー)

フィンランドの映画監督の家庭。お父さんの言い出しっぺで1年間オイルフリーの生活を試みる。そんな彼が伝えたい地球温暖化にたいする警告メッセージはもちろん重要なんだけど、何がいいって、奥さんがホントにいい! この奥さんは本当に素敵だと思った。いきなり極端な要求を家族にもとめる旦那。いきなり車はNG、プラスチックNGなどなど。驚愕しながらも付き合う奥さん。しぶしぶ撮影を納得しながらも、やはり撮影しているのが夫だからか、本当にピュアな素顔を見せる。そして迷いながらも独自の価値感を探って行く。途中、ソーラー発電やディーゼル燃料の自動車を買ったところで、家族はちょっと明るさを取り戻す。でもすぐまた行きずまる。「こんなことやったって地球が救えるとは思っていないわ」と。率直に友達に語る彼女は最高に綺麗で、魅力的である。

そしてこの低年齢にして英語が超上手な子供たちが、これまた最高である。「パパの使っているカメラもプラスティック使ってるでしょ」「それいけないんだよ」と。

そもそも監督がこの映画/この実検を試みようとしたのは、将来温暖化で地球がメチャクチャになったとき、子供たちに「あの時パパはこうなる事が分かっていたのに何も努力してなかった」と思われるのがイヤだと思ったことがきっかけだという。

うん、いいね。このパパ。この子たち、将来もずっと覚えているよ。パパがこんな風に血迷って1年間、実検をしてみたこと。そしてママもしぶしぶそれに協力したこと。みんなの間に流れるあったかい時間。仲のよい家族が本当に羨ましいと思った。素晴らしい映画。次回「北とぴあフィンランド祭」みたいなイベントやるとしたら、こういう映画を皆さんに見せたいなー。

映画祭での上映はもうないのだけど、見たい方で英語が分かる方ならここで数ユーロで見れるみたいですよ。