ユーミンのSUPER WOMAN 「鶴岡真弓と行くアイルランド」Part 2

ユーミンのSUPER WOMANというシリーズでアイルランドが取り上げられた。しかも鶴岡先生ということで注目していた番組。アヌーナが出たPart1にひきつづきPart 2をうっかりして見逃してしまったのだけど、NHK ON DEMANDで見ることが出来た。内容がすごく良かったので、ここに忘れないように、まとめておく。鶴岡先生,本当に素晴らしい。

「ケルト」って本当に知れば知るほど「歴史」じゃなくて「哲学」「思想」なんだと思う。

ここで主に語られたのは「ケルトにおける女性性」「ケルトの母性」

アイルランドは5世紀にキリスト教がもたらせて、それがセントパトリックによって、土着の自然信仰とキリスト教がうまくブレンドされたという事なんだけど、女性の聖人もいたんだよね。

ケルトの十字架。丸い中に十字ある…あれは古来の信仰である太陽と、ラテン十字(いわゆる十字架)がブレンドされたもの。

アイルランドのキルデアという町にある聖ブリジットの大聖堂。聖ブリジットはセントパトリックとともに、ケルトの自然信仰を守りつつアイルランドにキリスト教を広めたとされる聖女。グレートマザーとも言われている。

「世界は永遠に再生する」これがケルトの信仰。

ここで鶴岡さん。「キリスト教とか近代って、やっぱり男性の力を全面に押し出して<
邁進して来た西洋>という描き方が世界史の中にあるわけだけど、本当はキリスト教という大宗教に取り込まれたのではなく、女性のグレート・マザー的な、慈母心的な力が、何万年と人類がそれを大事にしてきたものが、キリスト教によって改めて次のステージにおいて花ひらいたという事だと思う」

「女性性、形のない、しなやかな… 男か女かじゃなくて、男も女も一緒に回転し、そこから何か3つめの新しい別の要素が生まれいずる、という…。女だけが生む力ということではなく、男と女がいいバランスで回転して、そこにスーパーパワフルなものが生まれる。それがブリジットのメッセージ。それがケルトの三つどもえの模様である、と」

また二人はクレア地方にセント・ブリジットの泉を訪ねます。ここが洞窟なんだけど、アジアのようなチベットのような不思議な場所。聖人の銅像への着せかけ方とか日本の東北地方の「おしらさま」のよう、と説明する鶴岡さん。

「日本でも井戸とか泉とかおみくじとか、“聖なるものと結ぼれ”をつくりますよね」

ユーミン「ここに行くって決めた時、ここは目的地ではなく旅の途中なんだけど、そこに向かわせるプロセスに、すでに癒す力がある。そこに向かわせる自分が自分を治しているっていう…行こうと思った時からすでに癒しが始まっている」

「やっぱり意志の力って大事ですね」「自分が何かする。人が何かをしてくれるのではなくて」

鶴岡さんのまたもや名言。「自然っていうのは自然に生命が生まれるって考えているけど、やっぱり“生むものは意志を持って生む”んですよね」「生かすも殺すも意志なんですよね」「それがおそらく男性よりも女性の仕事だったりしてきた」

「太陽崇拝というのは日本にもあって、日本はそれが最終的に日の丸という形になった。信仰を目に見えるように形にしていくということにおいて、ケルト十字と日の丸はヨーロッパとアジアを結ぶユーラシア大陸の人類の太陽崇拝の2つのトップであると言っていいかもしれませんね」

「(SUPER WOMANとは)最初から超越した場所にいるということではなく、スーパーなところへ行くという意志を明確に持って邁進していこうという、Will(意志)だと思う。聖ブリジットも彼女の意志で慈母神、聖女になっていった。そしてみんなに聖なる泉とかキラキラ輝くものを届ける、という… やっぱり旅をし続けて行くのがSUPERなWOMANではないかと」

というわけで、「ケルトの母性」なるぬ「ケルトの父性」…違うな。この二人が表現するのは「ケルトの情熱」だ。ってなわけで、マーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの公演をどうぞよろしく。



(注意:鶴岡先生とユーミンの番組上の発言は野崎が番組を見ながら書き起こししたものです。多少誤解があるかもしれません)