総括2012年

まぁ、今年を振り返って…などというのは、あまり好きではないのだが、友だちが次々にFBやTwitterにそういうネタをあげているのをみて、うらやましくなり、いくつか思い出に残るネタを書いてみようと思う。

なんといっても、今年最大のネタはポール・ブレイディの来日じゃないだろうか。詳しくはこのブログでさんざん書いているので、過去のブログの2012年2月〜3月あたりを参考にしてもらえれば良いのであるが、まぁ、ホント今でもよく呼べたなと思っている。あれは前にも書いたが、私が交渉上手だったらというわけではない。絶妙なタイミングで前年の正月にジェリー・ラファティが亡くなったことが良かったのだ。さすがにポール御大となれば、私が心をこめてお願いしたところで説得に応じるような輩ではない。ホントに説得に時間がかかる。でもとにかく来年、また同時期に来日してくれる。このまま順調に定期的に呼べるようになれば、御大ももっと簡単に来てくれるようになるのではないかと思う。っていうか、もっとプロモーションに時間をかけたいのだよ。戦略的に組み立てて! 今回も説得に大変で、なんだかそのまま走りだしてるけど…。アーティストって、前回の滞在中はあんなに良くしてあげたのに、全部忘れちゃうのよね! まったく(笑) そしていつもゼロからのスタート。まったくもってロックスターってのは難しくてデリケートな人種だ。音楽が良くなかったら「このクソ親父!!」と言って蹴飛ばしているところなのだが…

しかし私のテンションもお客さんのテンションも異常に高かった、前回の来日。実はこれはちょっと問題かもと思っていて、なんとかもっと気軽に来れるような空気を作れないものかと考えている。実際とってもチャーミングな御大なのである。周りにいる人から言えば、かなり私との会話も「夫婦漫才」状態らしいので、そういうチャーミングな点が出せたらいいなと思うのだが……ちょっとブログの書き方、研究しよっと思っているわけです、ハイ。

スヴェングの来日もすごく良かったよね。北とぴあで映画やレクチャー、マルシェなどもからめた楽しい公演が東京で実現した。動員も良く、スヴェングの通常の東京公演じゃ200名がいいところだろうに300以上のお客さんが来てくれた。もっとも収益についていえば、映画やらレクチャーやら料理教室やら、その他もろもろがすべて私が持ち出したこともあって、200名シャープにライブハウスでやった方が全然良かったんじゃないか、という疑問も残る。でも地元の足の悪いおばあちゃんなんかが来てくれて、喜んでくれて、CD買ってメンバーと握手しているのなんかを見ると、やって良かったなぁ!と思った。北とぴあの担当の方もすごく喜んでくれて、その担当のIさんの喜ぶ顔だけでもやってよかったな、とさんざん思うのであった。うん。

後半になってマーティン・ヘイズとデニス・カヒルのトッパンホールのコンサートは本当に良かった。動員こそベストではなかったが、そもそも音楽の仕事の価値はそんなところにはないところがホントにこの仕事の素晴らしさだと思う。これを機会に鶴岡真弓先生の著作を読み返したりして、ケルトということを私も再度勉強してみた。それにしてもトッパンホールでの田辺さんとの共演は良かった。個人的な意見だが、よくある日本での外タレと日本人との共演ってホントいやなんだよね。そもそも前座とかも私は大嫌い。だいたい誰かのコンサートにいって、その人が始まる前に何かを聞きたいとは思わないもの。その点、ウチの制作するライブはすごいなーと自分でも思うわけさ。フレアークの清水さん、ポールの時の山口洋(これなんかはほんとうに偶然が重なって実現できた。詳しくは近いうちに書く)、そして田辺さんとマーティン&デニスの真の意味でのコラボ。すべての共演に深い意味があり、そして真にかっこいいものをご覧いただけたのではないかと思う!(と自画自賛/笑)ホントに意味のあるすごくいいツアーだった。私にとって良いツアーを作ることはアーティストとお客さんへのプレゼント。自分が係っているからには、そこで意味のある事をしたい。単にチケットを売るだけじゃなくて、ね。今回のマーティン&デニスのツアーはほんとに良かったと思う。

そしてなんといっても最後の最後にチーフタンズ。チーフタンズからはホントに元気をもらった。なんだかあともう2回くらいは普通に来日しそうに思った。プランクトンの皆さんにも本当にありがとう。普段一匹オオカミなのだが、気の合うチームでの仕事は本当に楽しい。ぜひまたチームに入れてください!! 本当におつかれ様でした。

音楽業界をとりまく環境はますます厳しく、みんながいろんな事を言っているが、そもそも私って音楽業界の一員だっけか?とか思っちゃう。貧しいのは今も昔も一緒。昨日今日に始まったことではない。ピーターさんがおっしゃっているのと一緒で、とにかくどんな時でも自分のやれることをひたすらやるだけだ。ぐちゃぐちゃ言う前に身体を動かせ、ということだ。とにかく目の前にあることを着々と進めていくしかない。有り難いことに目の前にやるべき仕事は山積である。スポティファイがどうした、FBがどうした言う前に、結局はすべてが実態に近づいて行くことしかないのだから、そのまま続けるしかないだろ、と思う。

なんか政治とか世の中一般の動きとか、自分の身の周りを見ててもそうだけど、口だけ出して無責任なのが最近ホントにイライラするんだわ。でも、いちいちイライラしてたら身体がもたないので、せめて自分だけは意味もなく自分のコミットできないことに文句を言うのは辞めよう、と強く思うのだ。ポジティブにポジティブに、人を励まし、自分を奮い立たせ、せめて自分だけは理想の世界を見つめながら前進したいな、と。とか言うと、えらくかっこいいですけどね。でもあんまり「正しさ」を振りかざすとモテなくなるので、このくらいにしておきます(爆)

2013年はなんといっても久々のドーナル御大の来日、しかも巨匠パディ・グラッキンとのデュオ。そして2月には嬉しいkanの来日。3月に再びポール御大。そして4月が浅草ヴァサラットと、とにかくノンストップなのだ、ウチの事業は。なんでこうなったのかというと、秋はしっかり予算にも余裕のある案件をやらないといけない。これは儲からないから年の前半に時間があるうちにやっちゃえ、とすべての仕事をそんな風に並べていたら、結果前半が忙しくなった。問題は秋/冬の企画が何も固まっていない事だよー(涙)。秋、THE MUSIC PLANTはまだ存在しているんだろーか(笑)とかいって2014年1月にまた一件決まってたりもするから、まぁ、それはそれでやるんだろうな… ふぅ〜 と、まぁウチは続いていくのだ、音楽業界がどうなっても。私がいる限り。

そういう仕事のことはさておき、来年こそ引っ越しして1年たったのにいまだに開いてない段ボールがあるというこの事実をなんとかし、生活改善には勤めたいと思う。引っ越してから部屋はだいぶ広くなり環境も抜群によくなった…にも係らず、部屋にダンボールが多いというだけで、かなり悲惨な状態になっているのは事実だ。これさえなければ、かなりステキなシングルライフ満喫!!のはずだ!

でも今回の在庫一掃セールで、だいぶCDは減ったような気がする。CDを売らなくなって何年くらいたつだろう。2006年に「もう積極的にCDを出すのは辞めよう」と思って以来、来日があったり、どうしても行きがかり状出さなくてはいけないいものをのぞいて、基本的にCDの販売はやめている。つまりもう6年くらい辞めていることになる。でもって実際1996年くらいの創業以来、出したCDは300タイトルを超えるが、最近かなりカタログを整理し今でも市場に流通させているのは、ほんの20タイトルくらいだ。ウチのCDは輸入盤に帯かけというのが多かったわけだが、ミュージシャンにいい格好したくて、かっこつけて何百枚とか取って、実際売れなくて残ったものとかたくさんある。早く処分しないと経理の上でも財政を圧迫してくるしね… ってなわけで在庫処分セール、まだまだやってますよ。

そして自分のデブぶりを解消する、それですよ。明日も走ろう…今日の荒川土手は気持ちよかった。写真はミッケ。来年発売のヴェーセンの新作より。来年もよろしくお願いいたします。