ヴェーセン@アメリカのラジオ Part 2

Part1からの続きます。

DJ「あなたたちの音楽はどれほど伝統音楽で、どれほど現代的なものなの?」

ミカエル「それは難しい質問だ」

ウーロフ「まず言葉の意味を定義しないと… 伝統とは?」

DJ「つまりどの程度が例えば伝統的な楽譜集から来ているもので、どの程度が近代化されたもの? それともその差は伝統音楽家からみたら判断しにくいものなのでしょうか」

ローゲル「例えば僕らの演奏方法、装飾する方法とか弓の使い方、音のつまびき方などは伝統音楽のスタイルのものだ、と言うことが出来る。多くの伝統音楽を楽しむ人たちは、これが伝統音楽に関係するものだと分かる。でも僕らは自分たちで作曲するという意味においてはオリジナル曲を演奏することが多い。そして僕らのやり方にアレンジするんだ」

ウーロフ「さっきの曲なんかは、新しく作られたものだが、でもものすごく伝統音楽に近いものなので、“あそこは過去の有名な奏者の演奏から拾った”と言ったとしても、誰もそれを疑わないと思う」

ローゲル「だからそのスタイルを知っているか、どんな年長プレイヤーの音楽や録音を聞いてきいてきたか、ということなんだよね」

ミカエル「僕らの曲にはもっと現代的な曲もあるし次の世代には伝わらないものもあると思うよ」

DJ「演奏の中にはどのくらいインプロバイズ(アドリブ)の部分がふくまれているのでしょうか?」

ミカエル「僕らは楽譜を滅多に書かないんだよね…」

DJ「えっ?」

ミカエル「ほとんど書かないね。メンバーの誰かがメロディを作ってくると、それに向かって演奏をしてみる。ほとんどアレンジはこの時点ではインプロバイズだ」

ローゲル「そう、それでどんどん変化していくんだ。今(ライヴで演奏している曲たち)はいわゆるレコーディグ後のプロセスになっているのだけど、それは常に発展し続けている。でもその頃になるとフォーム自体は変わらないだ。(レコーディング後で)これがフォームだといったん決めているからね。でも僕はコードとかベースラインにおいて、いいろいろ遊んでいるからメロディも少しずつ変化したりする」

ウーロフ「作曲の段階においても、いってみればインプロみたいなもんだ。なんとなく弾きだして、そのままいろいろ試してみる。それはとてもゆっくりなインプロみたいなプロセスだ。そうして曲を創造していくわけ」

DJ「何度もアメリカに来て、アメリカ人の弦楽器演奏家たちとも演奏する機会があるわけだけど、いろいろなサウンドとブレンドするのは大変?」

ミカエル「自分のことをよくわかっていれば簡単にブレンドも出来ると思うよ。自分の伝統が何か、自分の演奏方法はどうか。確固たるものがあれば、他ともうまくやれる」

ローゲル「あと、いつもいろんなことを試してみるのに慣れているというのはあるね。僕らは同じことを何度も何度も演奏したりはしない。いくつか例外はあるけど…ほとんどの場合、いつも何かしら演奏に刺激を与えている。5、6歳の子供が自分が持ってる道具で遊ぶみたいに」

DJ「それが何年もたっても続いてるわけだね」

ローゲル「それこそが僕を演奏へとかりたててくれるんだ。そこが楽しいところなんだ。その楽しみなしに演奏することは考えられない」

DJ「スタジオで君たちが演奏しているのを見ていると分るよ。笑いあったり、視線をおくりあったり楽しそうだもんね」

ローゲル「それをラジオでやるところとかね(笑)」

(みんな爆笑)

ウーロフ「それがヴェーセンの重要なところであると僕は考えているんだ。何か音楽的なものをそこになげかけてていく、それが僕らを楽しませてくれる。ちょっとしたジョークみたいなものなんだけど、ベストな瞬間には自分でもびっくりするような演奏が飛び出してくることなんだよ。で、そうなると他の二人もびっくりする。そんな時、笑顔が出てくる。それと同時に音楽は飛びたっていく」

ローゲル「昨晩お客さんから言われたんだよ。演奏している時のミカエルと僕にはお客さんには分らない、二人だけのジョークがあるみたいだ、って」

ファンの方からいただいたケーキ。まいう〜

京都割烹やましたで、ヴェーセンと一緒にいただいたステーキ。まだこの味を覚えてる。

移動日なんで一杯失礼…

背が高くてヴァイキングは建物の中に入れない