仕事をつくる

さて、ちょっと前になるのだけど、外国の文化を日本で紹介するといことについて、こんな記事を発見した。古い記事だけど、たまたまタイムラインに流れてきたのだ。

売り上げをいきなり5倍にせよと指令され……アクションSF超大作映画『スター・トレック』をヒットさせる裏側という記事。

なるほどねー。まぁ、こういう仕事は大変だ。特にレコード会社の大レーベル傘下の人たち、映画の大配給会社の日本支社みたいな人たち…プロモーションする作品を自分で選べない人たち。彼らにとっては「モノ」は自動的に決まるので、運命をともにする作品を選ぶことができない。ウチは世界一小さな音楽事務所で、スタッフはオレしかおらず、ミニマムな運営費でやっているが、仕事は「選んでいる」。そしてそれはすごく大事なことだと思う。

自分の仕事は自分で作る。これに限る。自分で作らないと、いつまでたっても幸運や、楽しみや、引いては人生におけるワクワク感や達成感みたいなものですら、人の都合に頼ることになる。そんなのイヤだし,何より自由がない。

もちろんなかなかそういう恵まれた立場を確保する事は難しい。でもオレはそのせいで本来もう少しリッチな生活がおくれたはずだった…という事実を甘んじて受け入れている。生活コストは低い。そしてそれはいい事だと思っている。ブランドものも買わないし、化粧はしないし、旅もいつでも貧乏旅行だ。同い年の女友達なら持っているであろう素敵な食器もない。ただ食べるものだけにはどうしてもお金を使ってしまうが、まぁ、それは良しとしよう(笑)

一方、生活コストが高い人、高くて薄いテレビを持っている人や貧乏旅行が出来ない人は生活コストがかさむだろうな。それは良くない。もっともバック一つ買っただけで幸せになれるなんて、どんだけ簡単なんだ、とも思う。人と自分の生活を比べてはいけない。でもお金と暇があれば、誰でもできることをしている人を羨ましがってはいけない、というのは人生の基本だ。生活レベルはなるべく下げて、自由度をあげる。これにつきる。

もっとも仕事をもらうタイプの職業についている人は、そういう事は難しいかもしれない。そういう場合、いつでも仕事を断れる状況をつくっておくのがいい。いくつか選択肢を用意しておく。そして自分でこれを選んだ、という事実が実はものすごく重要で、それが最後まで自分を支えてくれる。どんな小さな仕事でも。

それにしても、最近、どうも企画力が弱い。いろいろ来年の企画を考えているが、みんながあっと驚くようなすごい企画がなかなか思いつかない。思いつきさえすれば、あとは実行すればいいだけの話で、ある意味、簡単なのだが。

走っているのが良くないのかな、とちょっと思う。そんなことで達成感を感じてたらダメだ。走ることなど健康な人なら誰でもできる。ましてやオレより早く走る人も世の中にたくさんいる。オレにはオレにしか出来ない仕事をしなくっちゃ。思うのだが、うーん、なかなかひらめかない。

和田静香が言ってたトロさんの話。企画は空から落ちてくるものだから、外に出ないとダメだってこと。人と話すことで自分の中にある何かを発見する。それが企画になる。だから外に出て人と会ったり、映画みたり、本読んだりしているけど…

まぁ、でもグチグチ偉そうなこといってないで、はやくホームページをなんとかすることとか、部屋を掃除することとか、基本をしっかりしないと。人の事は簡単に批判し偉そうに言えるのに、自分のことはまるで出来てないAB型水瓶座のいい例だ(笑) 

PS
来年、春の企画でやっとこさ作ったが、会場費が激高で、チケット代がすごくなっちゃいそう。でも企画はいいと思っているんだ。それにしても会場費は高い。どんどん高くなってる。まぁ、でもウチは年に何度もブッキングするような大きなプロモーターじゃないから、無理は言えない。これだ、と言われれば、従うしかない。でもいいライブにするよ!

 
PPS
走る時に聞いているポール・ブレイディのライヴ録音がすごくいい。こちらはレコーディングヴァージョン。ゲイリー・カッツのプロデュースで、LAで作った。


 I don't want to paint your picture
 I ain't here to sing your sorrows
 Ain't got time to be your hero
 I don't want to be your poet

 お前の絵などを描きたくない
 お前の寂しさを歌うためにここにいるのではない
 お前のヒーローなんかになっている時間などない
 お前の詩人にはなるつもりはない

80年代の前半ごろサッチャー政権が猛威を振るう中、英国/アイルランドのシンガーソングライターたちは、政治的、批判的な歌を歌うことを要求されていた。そんな中出来た歌だそう。