フィンランド映画祭、いよいよ開幕!

本日は午前中だけさくっと仕事をし、5km走り、行ってきました。フィンランド映画祭@六本木ヒルズ。3本観た。1日2本とか試写会ハシゴとか、時々やるけど、3本も観たのは初めてかも。でもどれもとっても素晴らしい作品でした。

まず1本目はミカ・カウリスマキ監督による「旅人は夢を奏でる(Road North)」。有名なピアニストのティッモ、しかし私生活はボロボロ。そんな彼のもとに子供のころに別れた父親が突然訪ねてくる。そして二人して北へのドライブへと向かうのだ。音楽を通じて、旅を通じて二人は次第に心を通わせて行く。

いや〜とにかく二人の俳優さんが最高にいい! 特に父ちゃん役のヴェサ・マッティ・ロイリ。フィンランドでは自分でも監督の経験があるという、とにかく人気の役者さん。上映後のティーチインの監督のお話しによると、実は実生活の彼も肥満と糖尿病といろんな病気を併発しているおかげで、もう俺は死ぬ死ぬとか言っているんだそう(笑)。で、最後に映画を撮ってくれ、ということになり、監督は次の映画は彼が主演、という事で決めていたのだそう。

そこにやはり人気俳優であるサムリ・エデルマンが「ヴェサがやるんだったら、僕もぜひ」ということに。三人で何度かミーティングを重ね、二人が話しているのをみていて監督は、だんだん二人が本物の親子に見えて来た。そして、一方で、監督の頭には別に以前からローマからシシリアへ旅をするという映画の構成があって、それは南下だけど、そこから「北へ続く道」というアイディアが浮かんだそう。そうやって物語が出来てきた。

会場からの質問で、監督にとって旅のチカラとは?みたいな質問をされ、息子の方は最初はいやいや付いて行く。でも彼の目的としては、自分の記憶にもない父のことが知りたかった。そして少しずつあかされる真実など、彼にとっても旅の目的がどんどん追加されていく。旅を通して彼は自分のことを知って行く。自分が持っているコンプレックスも知っていく。旅に出ることは目的地に行くことではなく、旅そのものが旅の理由なのだ、と。

また旅の途中で再び出会う存在を知らなかった妹、おばあちゃん、それから行きずりの女性たちなど、出会うのが女性だというのも面白い、という感想が会場から出ると、監督は「我々男性にとって女性は大切な存在。すべてフィクションだけど、自分をはじめとするスタッフや俳優、多くの男性は例えば離婚、別れ、出会いいろんなことを経験している。その人たちの真実にもとづくエピソードも実はけっこう盛り込んでいる、とのこと。また父親が映画の中で息子に「たった一人の息子だ」というシーンがある。自分の今までしてきた不義理に赦しを乞う。そして息子に新しい人間関係に基づいた新しい家族を提供していく、そんな感じ。そういうテーマを感じ取ってもらえると嬉しい、と。でもそれを軽めに、明るく楽しめる映画に、という目的もあるのだそうです。

いや、実際、この映画めっちゃ面白かったし、ひとつひとつのエピソードにも笑いがあって、悲惨な部分もあるけど、やっぱり人生は素晴らしいなーなどと思ったのでした。とにかく来年公開されるそうなので、絶対に観た方がいいです! 配給会社のアルシネテランさんのHPに注目していてください。

しかし肥満のフィンランド男性って声が似るのか、お父ちゃん役の俳優さんがスタクラの老後に見えてしょうがなかったんだけど、どうなんだろうか(笑)



2本目は「ミス・ジーンズ・フィンランド(Miss Blue Jeans)」。77年、オウルの町に住むルー・リードに傾倒するアーティスティックな少年。ミス・ジーンズに選ばれた可愛い女の子を彼女にしたい。でもとても告白など出来ず…。彼女はミスジーンズとしてロンドンにいったり雑誌の表紙になったりと、どんどん華やかになっていく。一方いじめられっ子の彼は自分で歌を作り、バンドを作り、彼なりに少しずつ前進していきます。これ、原作(自伝)あるのだそうですが、ホントにいい話だった。ストーリーのテンポもよくって最高に面白かった。特に主演の男の子。めちゃくちゃいい!! 音楽も最高に素晴らしいのひと言。

この映画も最後に監督のティーチインがあったので、そこで監督のお話が聞けたのですが、なんと主演のミッコはこの映画の前には俳優経験のないまったくの素人だったのだそう。映画のためのオーディションをスタートした時、女の子には応募がたくさんあったけど、男の子には応募がまるでなく、監督は、どうしたもんかと迷っていたのだけど、その時、別のオーディションの時にやってきた彼のことを思い出したのだそう。で、彼はそっちのオーディションには通らなかったのだけど、彼に再び連絡を取ってみたら、主演のこの役が貧しい70年代にティーンだった子の役だと知ったミッコは朝から夜まで何も食べないで、しかもフィンランドの交通機関に無料乗りし(これやってバレるとすごい罰金をくらう)、そういう体験をしながら、70年代のフレアのジーンズをはいてオーディションにやってきてくれたんですって。すごいね! で、この映画が当たって、彼は次の主演映画も決まったのだそうです。おめでとう!

ライブ撮影は苦労しましたか、と聞かれて、監督は「音楽を収録するのは、ただただ楽しかった」と。一方、苦労したという事では、ホントにこの主役の子はシャイな子で、原作本の方だと、最初の方はまったく主人公のセリフがなかった。でも映画でセリフがまったくないとまずいだろ、ということになって、登場させたのが、あの宗教的に厳格な家庭だという隣りの家の男の子二人。彼らにはレコードを貸してやったり、ベランダ越しに音楽を聞かせてやったり、親に内緒でTVを見せてやったりと心を開く主人公。



とにかく物語性があって、本当に主演の彼が素晴らしかった。これはおすすめです。ちなみに原作者はこの方。オリジナルのヒット曲はこれ。監督の話だとオリジナルのCDがあって、そこから原作本が出来て、そのあとこのたび映画になった、といういきさつだそう。こちらは、まだ明日の午後1時、そして9日水曜日の21時に観ることが出来ます。是非! 詳しい上映スケジュールなどはこちら

そして最後は女性監督によるハートウォーム・コメディ…と言っていいかな。「結婚をダメにする21の習慣」いやー、面白かった。今年はとにかくレベルが高いわ。映画祭。これも超おすすめ。ストーリーもテンポがいいし飽きない。キャラクターも全員素晴らしい! 主演の彼女が、もう最高。

「結婚はなぜ失敗するのか」というのを研究し教鞭も取るサンナは、彼女のセオリーが正しいことを証明してみせるのがライフワークだった。結婚式を取材し,その後のカップルも取材。私生活においては酔っぱらっては一夜かぎりの関係を続けるサンナにもある日真剣な出会いが訪れたようで…

さて、この映画、このトレイラーでも流れているけど、いきなりオープニングからアラマーイルマン・ヴァサラットみたいな音楽が流れてびっくり! ま、ヘルシンキにはバルカン系のインストバンド、多いからね。当然なんだろうけど。

こちらはまだあと月曜日の21時の回、そして水曜日の19時の回に観ることが出来ます。詳しい上映スケジュールなどはこちら。お薦めです。絶対に観てね〜っっっ!



残りの2本も観たいけど… ちょっとこのあとは私も無理かな… フィンランド映画祭、9日まで続きますので、お時間のある方はぜひ。