ペッテリ・サリオラ、ライヴレポート from Finland


というわけで、ペッテリ・サリオラのショウケースライブが発表になって、ウチも長い夏が終わり、やっと秋の仕事がスタートした感じだ。ここから一気に、ペッテリ → ダミアン&ドナ → ケルティック・クリスマス、と一気に行きます。忙しくなってきました!

ところで、この夏、ペッテリのライブを見た時の話をしようと思います。実はライブを見たのは8/3だったんだけど、その日の日記に書いても、まったく意味がないからさ、今まで黙ってあっためてました(笑)。忘れがちな事だけど、実は好き勝手、書いているように見えて、実はここはプロモーションのページだからね。忘れないように>自分、というわけで。

ペッテリのライブをみて、はっきり分った事、それはこの人のキーワードが「自由」だ、ということ。これは先日ヴィクター・ウッテンを見たときにも思った。楽器がものすごく上手い人ってのは、本当に自由だ。自由自在だ。あの、あの自由な感覚が、今、日本に必要とされてんじゃないか? そして、それがあまたある音楽の中で、この音楽を聴かなくてはいけない理由なんじゃないか? 

いいでしょ。こういうのが見えないと、私はアーティストのことをプロモーションできない、と思う。そういうの見えないでやっている人、多いけど、ウチが他と違うのはそこだと思っている。じゃないと、ホントにスティーブに言われちゃうよ。「あいつはセンスがないんだよな」って…(昨日のブログ参照

で、ペッテリのライブみたあと、速攻でホテルに戻って書いたメモがこれ。私の興奮がわかるでしょー。

そして翌日、ヘルシンキに戻る電車の中で、ほとんど一気に書いたのが下記の文章。私はあんまり文章は上手い方ではないけど、これは自分でも気に入っている。一気に書いたし、迷いがないからいいよね…と自画自賛。

というわけで、このライブレポート、プロモ用の資料にも使っています。

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普段一緒に仕事をしているミュージシャンたちを訪ねてヨーロッパを回ってきた。ダブリンからイングランドの南西部Wickham、翌日はヒースロー経由でヘルシンキへ朝7:30のフライトで飛び、その後、電車で4時間ほどゆられてLapuaというフィンランドの中西部の田舎町へ。何もない! まったく何もないイケてない町にたどり着いた… でもこんな地味な町でも週末には音楽フェスティバルがある。

夏のヨーロッパはフェスティバルだらけだ。日が長いことが理由にあげられるのだが、確かにロンドンでも8時、北欧ともなれば10時くらいまで明るい。長い夜を、みんなビールをのみ、音楽を聞きながら、充分に楽しむ。土日はフェスのメイン公演で盛り上がるのはもちろん、月曜日はともかく、火曜日、水曜日にでもなれば、次のフェスティバルのオープニングイベントと称し、再び週末に向けての熱狂の連続コンサートが開始される。毎週毎週そんな感じだ。

今回のこのフェスティバルも夜の2時、3時まで会場内にある二つのテント、一つの屋内会場で順繰りに音楽が演奏されることになっている。ビートルズのカバーバンド、お笑いトークショウからサーミという北極圏の民族の音楽まで…出しものは様々。客層もまさに老若男女。地元の人が全員集合した様子だが、流石に東洋人は私だけか。ボランティアらしいティーンエイジャーの女の子からコーヒーとパンを買ったが、たどたどしい英語がとても可愛らしかった。

ここで、ペッテリ・サリオラというものすごいギタリストの演奏をみた。フェスティバル会場内の200人くらいのキャパシティの小さな会場で、たった一人でステージに立ったペッテリ。たった一人の演奏なのに自らカウントをとり、ものすごいパワーでギターを弾き始める。まるで彼の後ろにはドラムやベースなどが存在し、すべての楽器が鳴っているような音だ。ノリノリの演奏は自由自在で、彼の中から湧き上がるように出てくる音楽に観客は皆、圧倒される。

ここで私の中から浮かんだのは<自由>というキーワードだ。この音楽には、私たちを日々の問題や悩み事から解き放つ、そういうパワーがある、と。とっさにニューヨーク・タイムズの伝説的ファッション・ジャーナリスト、ビル・カニンガムのドキュメンタリー映画での彼の言葉を思い出した。「ファッションは鎧なんだ、日々を生き抜くための」

そう、誰にとっても生きるのが難しいこの地球は、いつも問題で溢れている。問題の解決にこの音楽は直接結びつかないかもしれない。でも、この圧倒的なパワーは私たちに絶対に必要なものだ。終演後のペッテリと少し話をしたが、この現代を生きるインディペンデント・アーティストなら誰でも持つような、彼なりの悩みや活動の大変さも伝わってきた。でもステージでの彼はそれを微塵も感じさせない。音楽を演奏することで彼は自由を手にいれた。この音楽は誰にとっても必要なものである。もちろん日本で待っている人たちにも。

ギターはもちろんヴォーカルも素晴らしく、自作曲の他にワム!やU2、マドンナなどのユニークなカヴァーもこなす。アンコールでは80年代のポップスをメドレーで演奏し会場の笑いを取ったあと、最後の最後に演奏したスローで美しいバラードが、終演後も長い時間心に残った。10/17に東京で予定されているショウケースライブが本当に楽しみだ。



なんて読むかは分かりませんが、とにかくフェスティバル(笑)


カウリスマキのスティールみたい!
紅茶はないということでコーヒー

あんま食べるとこんな風になる…

ペッテリ



カウリスマキ風…特におくに見えるおっさんたちが…

観光パンフ

ペッテリ・サリオラのショウケースライヴ。なんと無料です! 200名まで受け付けます。参加ご希望の方はこちらの注意書きを読んでいただき、お申し込みください。