伊太地山伝兵衛さんが亡くなったようです。

うーん、天国いってもライブしてそうだ、この人。いつもライブをやっていた。私が好きでよくライブみにいってたアーティストの一人。一時はしょっちゅう通っていた。

だいたいお客はいつも少なくて、でも時々佐山雅弘さんとか、ポンタさんとかが出て来て、佐山さんやポンタさんはすごいなぁ、大ホールでライブやったりしているのと同時に、こんな狭い場所でも演奏するなんて、ミュージシャンとしては、こういう気持ちを忘れちゃいけないよね、こういうのが健全だよね…などと感動したりしてた。もちろん、それをさせてしまう伝兵衛さんはすごいな、と思った。間違いなく歌も演奏も一流の人だったけど、なぜかずっと売れなかったね。お客が10人くらいとかよくあった。10人くらいで佐山さんのピアノとか聞いた日には、もうとろけそうだったね。そういう時こそ、佐山さんもポンタさんも妙に楽しそうで、それが羨ましくも思った。

TVでドキュメンタリー作ったりしたのも見たし、NHKに出たりしたこともあったけど、どれも「売れる」ための決定的な一打にはならず、そのままずっと永遠に小さいライブハウスで、このままやっていくんだろうな、という感じもしていた。でも果たしてこれを大きくしたいとも本人も思っているんだろうか果たして…みたいにも思った。いつもライブみながらいろんな事を考えていた。

もちろんこんな小さい箱じゃ、ポンタさんや佐山さんのギャラどころじゃないだろ、みたいな世界。こんなの永遠に続けてどうなんだろ、って思ったりしてた。が、分かる、今なら。もしかしたら、これが彼の幸せだったのではないか、と。売れなくてもいい。永遠にこれが続けられればそれで良かったのかな、と。
東芝から出た「WESが聴こえる」は、私がもっともよく聞いた日本人のCDの1枚だ。ベスト10にははいるかなー。

身体をこわしていたのは、どっかで聞いて知っていた。ライブは普通に来月まで予定されていたが、倒れて2週間入院とかになって、そのまま亡くなられたようだ。

水瓶座AB型(私と同じ)。銀行員から転職してミュージシャンになった。伊太地山伝兵衛さん、ご冥福をお祈りいたします。