このバンドとなら失敗してもいい、という気持ち

今日ユキさんとしゃべっててユキさんの口から出た言葉。それがすっごい重要というか、自分のボーーーッとした頭をさまさせてくれるような言葉だったので、明日の自分のためにもメモっておく。

そもそも(おそらくユキさんも同じだと思うけど)私はあんまり「失敗した」と思うことがない。興行的、金銭的な失敗は他で取り返すから、あまりこたえない。っていうか,そんなことで落ちこんでたら、この仕事は何もできない。だから金銭的失敗は、あまり何度も続くと生活がやばくなるけど、究極的には失敗ではない。

あと考えられる失敗としては、ライターさんや媒体の評価が低い…ということもあるかもしれない。でもその点に関しては、こんなに売れてない、世間のほとんどの人が知らない音楽をやってるというのに、ウチのアーティストに対する評価はみな驚くほど高いものをいただいている。これは本当に有り難いと思う。

とはいえ、これも言ってしまえば、究極的なところでは、あんまり関係ないのだ。例えば誰々がこのアーティスト気に入らない、ダメだよ、売れないよ、と言ったから辞めるとか、絶対にありえない。私の方も、分からない人は別にいいよ、くらい思っている。

だから失敗って自分で思わないんだよね。これは良いところでもあり、悪いところでもある。

一方で、あれこれ完璧に出来なかった、みたいな不満/反省はいつでも山のようにある。そういう意味では成功したことは一度もない。でもほぼ完璧に近い案件は、今までにいくつもあった。そういう風に私はとっても恵まれている。

でも、そんな風に失敗とか成功って、主観的なものなのだ。誰かにジャッジされるものではないのだ。

たとえば簡単な例をあげれば、大きく派手に盛り上がったように見えるイベントこそ大赤字こいてる事が多い(笑)。一方、地味に誰にも知られずに終わった案件で、結構利益が出たりする。ホントにこの仕事は分からない。

でも究極的には、いつもこんな気持ちだ。「このバンドをやって失敗だったら、それはそれで構わない」って、そういう気持ち。そういう気持ちを持たせてくれるバンドが、私を前に押し進めてくれる。それを忘れちゃいけないと思う。

こんな大きなステージで日本でもやらせてあげたいなぁ〜 kan、6月来日です。