出張DAY4 ポール・ブレイディ♥️♥️♥️♥️♥️


Young Edmund of Lawland law
Smile
Jackson and Jane 
I am a youth that's inclined to ramble
Jolly soldier - jig
Don't come again
Over the border
Living in a mystery
Mary and the solider
Wearing the britches - out the door and over the wall
Mother and son
Shamrock shore
Deep in your heart
Follow on
The you that's really you
Island
Crazy dreams
The world is what you make it

Encore
Wheel of heartache
The Homes of donegal
Arther Mcbride and the sergeant

しかしヴァンの公演の後、いろいろ考えを巡らせた。いったいあの公演は何だったのか。彼は何で歌ってるのか、お客は何を期待してるのか、ヴァンがたくさん残してくれた素晴らしいレコーディングの数々…そんな、いろんなこと。

だからポールの歌を聴いて、なんかいろんなことがスッキリした。この公演は、Temple bar 伝統音楽フェスの一環ということで、上記のような、ほんとびっくりするようなセットリストが組まれていた。一曲目からして、もうぶっ飛びである。いわゆるめっちゃ古いものとうんと最近のものばかりで真ん中がドーン抜けてる感じ。Nothing but...とかやらなかった公演は初めてじゃないかしら。

実は今日は本当は今、話題のbellowheadが見たかった。二つの会場は歩いて7分くらいしか離れてないし、あっちのバンドは私がこういう仕事をしているのであれば絶対に今、見ておかないといけないものすごい話題のグループだからだ。別に仕事になるとかならないとか関係なく、私のような仕事をしてたら人に聞かれた時に「あー、あの大所帯バンドね、ダブリンで三曲見たわ」くらい言えないとだめなわけで、当初は先にあっちを三曲見て、ポールにかけつけよう、とも思ったのだが……やっぱり最初から見たくてポールの方に行ったのだった。

で、結果、最初から行ってよかった。最初の一曲目はまったくのアカペラでこの曲だったから。いやーびっくりしたわ。本当にすごかった。教会のコンサートとして最高の演出だった。ポールのコンサートは、本当にすごいといつも思う。いつもいつもポールは自分が持ってる200%をステージにかける。そこが本当にすごいと思う。オフステージでは超嫌なジジイだけど、ポールがなんで歌っているのか、私はすごく分かるんだ。だからもう頭の中が真っ白になるくらいコンサートを楽しんじゃった。

ステージにはアルタンのトゥーリッシュと、キーボードのダラ・マニス(彼はコローナズのサポートも良くやっている)、そして新人歌手のスザンヌ・サベージがコーラスでところどころ加わる。

いやー本当によかった!   なんていうか、声だよね!   やっぱり声が本当にすごいと思った。もちろんギターもすごいけどさ。終わった後、時計を見たらアンコールを入れて二時間ちょい。そうそう、ライトはリアム・マッカーシーで(久々に会ったらFBでお前の食べ物の写真、いつも楽しみにしてるよー、とか言われちゃったw)、ブルーを基調にすっごく素敵だった。なんか昨日のジョンのコンサートでも思ったんだけど、いい!  こういう普通のコンサート!(笑)

久々に会うポールは元気。でもまた「今回は何のついでに来たんだ」とか言われちゃった。ふふふふ。いいよねぇ、ポールは。本当にいい!

で、久しぶりに打ち上げにまで着いて行っちゃった。ダブリンの打ち上げはお取り巻きも多いので、あまり話せないから普段参加しないんだけど、ね。場所はGeorge streetの一本裏の、いわゆるロックシュターが行きがちな会員制バーみたいな素敵なところだった。そこでいろんな人と話をしていたのだけど、ヴァンの話題になり、一人の女性が話してたこと。「私も若い時ロンドンのハマースミスで見たわ。当時の私にしては大金をはたいて行ったのにコンサートは最悪だった。1時間も演奏してないと思う」「あんなにムーディじゃ、人にお金を払わせておいてあまりにひどいと思う」で、彼女はそれ以来、ヴァンのコンサートに行ってないという。

一方でヴァンの公演の時、私の隣に座ったブレンダンさん(前々日の日記参照)なんかは、何回かに一回の奇跡を求めて、とりあえず何度でも行くわけだよね。反対隣にいたオーストラリア人夫婦は、今、またヴァンを見たい、と思っているのだろうか。日本で見たいと言ってるファンは彼が過去に行った幾つかのレコーディングに思い入れて、あれが生で体験したい、と思っているのだろう。けれど、それはヴァン本人にとっていったいどういう意味を持つのだろうか。おそらく自閉症で多動症で、もしかしたらアスペルガーも少し入ってそうなヴァンに取って、おそらく歌うことが外界との唯一の接触みたいなもんなんだろう。もっとも娘とは仲良しそうだし、先のコンサートの初日は家族がたくさん来て(お母さんまで来てたそう! 健在なんだ!?)  、あぁやって自分住んでる地元に世界中からファンを呼びつけて(笑)、幸せそうではあったけどね。でも基本「歌う」ことが彼と外界をつなぐ唯一の場所なのだ。それはなんとなく分かる。でも歌っていれば幸せ…って感じでもない。いずれにしてももう少し彼が書く歌詞やインタビューとか読んだりしないと分からないだろうし、その研究は、自分が仕事引退して暇になってから検討したい。今は私に任せてくれるアーティストたちのことで私は超忙しいのだから。

ポールがやりたいことを手伝うために私はここにいる。そう思うとこの素晴らしい音楽の元で自分は生かされて(活かされて?)いるようで、幸せな気持ちになるのだ。ヴァンとか、お金と暇があれば誰でも行けるコンサートに行くのは、私にとってはすごい高い靴を買ったり、薄いTVや高級家電を買ったりすることと同じレベルの行動だ。それよりも自分が精一杯仕事がんばって、堂々とこっちに公演見に来る。アーティストに喜んでもらえる。まぁ、奴らも心の中では「面倒な奴が来たぜ」と思っているのかもしれないけど(笑)、彼らは私が顔を見せることで明らかに「日本でみんな待ってますよ」というサインを受け取る。それが彼らの今後の活動の励みになる。そういう自分にしかできないことをしなくちゃだめだ。時間が湯水のようにあるならいいけど、そうではないのだから。

そして新規開拓もしないとだめだ。(これは小さい声で書いておこう…)

まぁ、そういう気持ちがあるからポールを贔屓目に見ちゃうのはあるんだけど、でもどう考えても数日前のヴァンと、ポールと、ポールの方が劣っているとはとても思えないんだよね。だから本当に私はこの仕事に自信持っていい。まぁ、この旅はその確認だな。毎度のことながら。

ポールとマネージャーのジョンとはまた週末会うことになって、割と早めに退散。ホテル戻ってきて、早く寝たかったけど、いろんな仕事のメールがめちゃくちゃ佳境で、あれこれやってたら二時くらいになっちゃった。で、4時にはまた目が覚めたので、このブログを書いている。

食べたもの。ナショナルコンサートホールのカフェのプレートランチとデザート。夜になってお腹空いてないんだけど公演前に食べちまったマオカフェのカレーなど。ランの方はダブリンに来てから最悪で、セントスティーブンスグリーンをひたすらぐるぐる回るしかない。一周1km。5キロちょい走った。こんなんじゃ今日食べた分はまるで消化できてないなー。