福岡伸一先生の「動的平衡」読みました

いや〜福岡先生マイブーム、まだまだ続行中! この本もほんとに面白い。まぁ「生物と無生物〜」の方が興味深くスリリングだったけど、これは雑誌の連載をまとめたものらしく、分かりやすく、読みやすい。

これを読むとホントに短絡的に薬とか飲みたくなくなるよ。もともと私はラッキーにも健康に生まれ、薬は滅多に飲まないタイプでたまに飲むと抜群にきく…という体質なのだが、でもこの本を読む前からクエンザイムなんちゃらとか、コンドロインチンなんちゃらとか、コラーゲンとか、絶対に怪しいと思ってたのよ。

そもそも私はユンケルとかのたぐいのエネルギードリンクも飲まないし、アーティフィシャルなものを身体に入れるのが基本的に嫌いだ。で、その直感は正しい、とこの本は言ってくれている。いや、こういうのは諸説あって当然なんだけど、でも太古の昔から人間は存在していて、かつ文明が進みすぎたのに人間の身体は進化していないこの状況下で(まだ人類は太古の食物が取れないことが長くあった時代の飢餓状態にあることが前提に適応している身体なのだ)、新しい人口的に作られたものを身体に入れることがどんなにリスクがあるか、ということなのだ。もちろん病気だったらしょうがないよ? でも健康で滅多に風邪すらひかない私に何が必要なんだ、ということになる。生命とはNO WAY BACKの動的平衡だ。まったく絶妙なバランスの上になりたっている不思議なものなのなんだ、と。

そういう命に対して,自分でどうにかしようなんて、片腹痛いわ、って事だよ。ブラウン管のテレビを修理するみたいに壊れたからといって取り替えたり、足りないからといって追加できたりするものじゃないんだ、生命は。そんなの生命にたいする冒涜だよね。生命はこんなに素晴らしい、ってのがあるから先生の本は読んでいてワクワクする。

しかし理解に苦しむ複雑なものであるから、例えばオカルト主義に走ったり、口から入れるものでなんとかしようとする気持ちは分からなくない。人間は分からないものを分からないままほおっておくのがとても苦手だから。

他にもウィルスとは何なのか、抗生物質とのおっかけっこや、ホントにおもしろい本だった。

ちなみに自分用メモ:体重を増やさない食べ方は「ゆっくり食べる」こと… 福岡先生によると栄養価の吸収には動きがあり、ゆっくり食べることで食べているほどカロリーをたくわえなくすることができるコツがあるそうだ。それにちょっと前にはやった野菜から食べる…みたいなやつはやはり効果があるらしい。肥ることのメカニズムを学べば、肥らないコツみたいなものはそれでも習得できそうな気がする。私は痩せたいと思って走っているわけではないけど、食べても肥らないように、健康でいられるように…その2つが目的なのである。でもやっぱりこの話は面白かった。

走っているのも果たして身体に良いことなのかよく分からない。将来燃やすべき燃焼を今,燃やして、元気の先取りをしているのかも、と思うときもある。でも走っている時は気持ちがいいし、細胞が喜んでいるのが分かるんだよな。

あぁ、明日は風がまた強そうだ… こんなんじゃ走れないだろうなぁ。