映画「ブルー・ジャスミン」を観ました!  これはめっちゃ面白かった!!


「ブルージャスミン」
もうすぐ都内では終わっちゃうらしいが、どうしても見たかった!   これは最高に面白い。ケイト・ブランシェット、すごい。すごすぎる!   ものすごい演技。ものすごい迫力の演技だ。これは歴史に残る名演だろう。

そしてウッディ・アレン、本当に天才だよね。辛辣で最高にブラックユーモアが効いている。でも人生ってこういうもんだよねーってのが非常によく書けてる。あー、もう最高に良い映画である。これは!! こういう映画大々、大好き。

自分の人生を上手くリードできてない人ってのはやっぱり根本的に何かが間違っている。それは絶対に外的な条件ではない。すべては自分自身が原因なのだ。これは…そういうことを言っている映画だ。

ジャスミンがあまりにバカすぎて、ホントに笑えてくる。可哀想だけど、笑えてしまう。

これはブラックユーモアだ。映画でも実世界でもこういう真実は変わらない。そういう価値観をウッディ・アレンと、この映画が気に入った人たちと一緒にシェアできて、私はすごく嬉しく思う。

なんで見たかったかというと実はバラしてしまうとこの映画、ペッテリが東京で見ているのだ。

彼が自由時間に気分転換必要だっていうんで、映画見ると気分が真っ白になっていいよ、と私が映画に行くように薦めた。私は他の仕事があったから一緒に見れなかったんだけど。で、あれこれある映画の中から時間も場所もちょうどよかったこの作品をピックアップした、というわけ。

見終わったあと、ペッテリに感想をもとめたが、奴はあまり多くを語ろうとしない。

いや、だから違うんだって…映画うんぬんよりも私はペッテリの思考回路が理解したいんだって。だから内容とか話してくれても全然いいんだって…という私の願いもむなしく、「ハッピーエンディングなの?」と聞いてもいても「うーん」みたいな調子。

それでも「出てくる人全員がちゃんと自分の生活をリードできてない」そして「でも僕はこの映画が好きだ…」とペッテリは言っていた。

ペッテリが好き、と言うなら、私はもう声を大にして言おうこの映画「大好き」である。この映画は最高に面白い。

話は主人公の惨めな転落人生からスタートする。ニューヨークでセレブ暮らしを満喫していた主人公。ところが夫が突然犯罪者として逮捕され、あっという間に借金まみれ。物語は彼女の現在の悲惨な現実、また過去の栄光の回想を交互に展開しながら進んで行く。

この過去/今を行ったり来たりのストーリーも面白く、脚本のテンポが最高にいい。そして要所要所でちゃんと「実はそうだったんだ!!」みたいに驚かされる部分も何度もあり、映画を見ている間、まったく飽きさせない。

確かに最後はハッピーエンドではないが、映画を見たカタルシスみたいなものもちゃんと感じさせてくれる。ウッディ・アレン、分からないとか言う人、見た方がいいよ。これは最高に面白いから。

人間はなかなか変われない、ということ。そしてバカだ、ということ。自分が持っている大事なものに気づかない。自分が悪いとは絶対に考えない。そして自分で自分を惨めにしていく。すべてが自業自得。それがあまりに悲劇であり、悲惨である。

しかし、まぁ、こういう価値観の人はいつまでたっても幸せになれないよね。可哀想だが、彼女はホントにどうしようもない。ウッディ・アレンは、ホントに意地わるだが、ウッディ・アレンはホントに正しい!

今日もランチを渋谷で食べていたら、隣りのOLらしき美女が二人おり、そのうち一人がハワイに行くと言っていて、相手は「うらやましー」とか何とか言っていた… 

でも話している内容ときたら、どれもペラペラだった。私が普段から注意していることの一つに「金と暇があれば誰でも出来ることをやっている人を羨ましがらない」という事がある。確かにお金が湯水のようにあれば豪華なライブや演出が出来るのに、と思わなくもないが…。

それにしても私ですら海外出張に行くと「いいなぁ、海外」とか「うらやましい」とか今だに言われる。でもそれはイコール、ホントの私の価値をまるで分かってくれてない。

今や海外旅行なんて金と暇があれば誰でも行ける。私と同じ年の、学生時代から転職してない終身雇用の自宅通いOLなら、ビジネスクラスで飛んでてもおかしくないだろう。

でも残念ながら私の価値はそんなところにはない。私が偉いのは(←とか言って自画自賛/爆)海外の、ホントにマイナーな、日本の誰にも知らない音楽を、自分のリスクを顧みず日本に頑張って紹介していることだ。

そしてそれらのミュージシャンの信頼を得ていることだ。それは誰でも出来る事ではない。

そこを褒めてほしい、と思うのだが、それはなかなか難しい。みんな表面上の海外出張とか、大きな企業のクライアントさんとの仕事を褒める。

確かにそれは分かりやすい。でも一番大事な事が何かが見えてない人は、人生を見誤る。このジャスミンなんか、そのいい例だ。それこそ冠婚葬祭で親戚が集まった時、娘の海外出張を自慢するウチのオカンとあまりレベルは変わらない(笑)

あと物を買うことで自分のアイデンティティを確立する人も、ホントに多い。

いつだったか、FBのとある人のウォールで「どこどこのスーツケースがー」とか騒いでいる人たちの間に乱入し「私の海外出張バックはキャビン持ち込みオッケーの丸井で買った1万円のブランドなしのバックですー。チェックインなし! これで2週間の出張もオッケー」とか自慢したら、いっきにウォールがしらけた…というか、とっととスルーされて、みんなまたバックの自慢話に戻っていったのであった… 

価値観あわねーーーーっ(笑) 友達選ぶよなぁ、私も!

でもホント世界は1つだが価値観の違いでまるで違う場所に分かれるよね。そのどっちの世界に生きるかは自分次第。可哀想だけど、ジャスミンは自分の生活において何が一番大切だったのかがまるで分かっていない。

実は最近も某ライブの打ち上げででも「打ち上げに参加できないんだけど、これ、みんなで美味しいもの食べてね」とこっそりカンパを置いて行ってくれた方と、何の疑問もなく会費も払わず帰って行く人たちにも遭遇し……音楽業界もいろいろだなぁ、と思った次第。

音楽業界,厳しいのはどこも一緒。でもその中でどんな風に生きたいのか。そこが重要なのである。文句は言うまい。どういう世界で自分が生きたいか、それは自分が決める事だからだ。



町山解説がまたまた面白い。ウッディ・アレン、視線が意地悪だから世間も彼を意地悪く見るよね。可哀想。でも本人、きっとそういうのが好きなのだと思う。