「スガラムルディの魔女」を観ました

スペインが世界に誇る型破りな才能…というふれこみの(笑)、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督が送るはちゃめちゃブラックコメディ「スガラムルディの魔女」拝見しました。試写にて。

この映画が言いたいことは、たった1つ。「女は恐い」ということ。たったそれだけだ。それを言うためだけに、この映画は延々と続く。でもテンポがいいから飽きない。とにかく最初から最後まで楽しませてくれる最高のエンタテイメント・ムーヴィーだ。

ダメ男のホセは離婚したばかり。銀行強盗を計るが、それに幼い子供も巻き込み元奥さんの怒りを買う。追う警察から、追う元奥さんから、必死で逃げるホセと仲間たち。フランスの国境を目指すが、そこにスカラムルディという村があって、そこはとっても恐ろしい魔女の村だった。

三大続く魔女たち。綺麗なお嬢さん、恐いお母さん、そしてほとんど人間の形してない別クリーチャーと化したおばあちゃん… いやはや恐い,恐い。追いかける元妻の怒りも激しく、とにかく恐い,恐い。が、女は恐いと言いながらも、新しい女に囚われて行くバカなホセ。あまりにお馬鹿な内容に笑いが止まらない。なんつーか… ラテンの血なんだろうなぁ。

スペイン人は…私の偏見でいえばフランス人やイタリア人ほどではないにせよ、やはり恋愛に熱心だ。すべての道は男女の、もしくは人間同士の恋愛に結びつく。なんでもかんでも…だ。それはもう相当ヒマなんだろうな、と思うほどに!(笑) 

私もワールドミュージックの世界の隅っこにいて日本の中のラテン系の皆さんと付き合いがないわけじゃないが、時々彼らの男女間話に少々ウンザリすることがある。そんなに何でもかんでも男女間の話にもっていくなよ…と思う。この人たちにとっては男女間のかっこいい友情とか、そういうのはまったく興味ないんだろうなぁ! 彼らは常に人の目,特に異性の目を非常に気にしており、私にしてみれば、そんなとこに視線をおくと物事の本質を見失うんでねーのと思うのだが、でも向こうは向こうで「のざきは一番大事なことを捨ててる」と思っているに違いない。

そして、この映画についていえば「女は恐い」 もうそれだけだ、それだけ!(笑)

さてさて、それはともかくクライマックスの魔女のシーンに彼の地の楽器、チャラパルタが出て来て、ハッとしたが、監督さんもビルバオ出身ということで、これバスクの魔女話だ!と私も気付いたわけ。いただいた資料にはバスクのことがあまり強調されていなかったけど、バスクの文化を知ってから見に行くとこの映画は倍面白いと思う。

ちなみに同時に公開される「刺さった男」もご案内いただいたけど、こっちは見に行く時間があるかな…



こっちがバスクの…チャラパルタのグループ。いいでしょ。このドキュメンタリーもすごく良かったよね! 「遊牧のチャラパルタ」私の感想はここ