「100歳の華麗なる冒険」を見ました #100sai

intoxicateさんの試写が当選したよ。やった!! 

で、見てきました〜。スウェーデン発の小説で世界40ケ国で翻訳、800万部を越える大ベストセラーになったという「窓から逃げた100歳老人」の映画化。「100歳の華麗なる冒険」。 

ウチのヴェーセンの来日も来月だし、スウェーデンものは、一応ちゃんとチェックしないとね。

いや〜面白かったけど、シュールなところがちょっとフィンランド映画っぽくもあったかな。北欧版「フォレスト・ガンプ」という評価もあるようだけど、なるほどね…と思った。

このスットボケたおじいちゃん、アランが、100歳の誕生日にホームを抜け出し、ひょんなことからギャングたちの大金が入ったスーツケースを入手したことから物語は始まる。おじいちゃんは、このスーツケースのおかげで警察とギャングの両方から追われるハメになり、そこからおじいちゃんが0歳で産まれた100年前のシーンからの回想が始まるのだ。

爆弾マニアの少年時代、その爆弾であっけなく冗談みたいに人が死ぬまで、この作品はコメディで、ゲラゲラ笑っていいんだ、ってのに気付かなかった。なんか北欧の笑いって、独特の斜め上を行ってるような感覚があるんだよなぁ! ブラックとも、また違う、グレイというか、なんというか… まぁ、そこがこれまたたまらない魅力なんだけど。

その後は、もう歴史の荒波に、あっちへ流され、こっちへ流され……ここ100年間の世界史の荒波の連続だよ。まさに激動の21世紀。あっちも爆発、こっちも爆発。そうそう、近代史に強くない人は、この世界の政治家マップを映画を観る前に見ておくといいかも。とにかくハチャメチャでドキドキする歴史上の大事件の連続なんだけど、すべておじいちゃんは、独自のオトボケと無敵のマイペースぶり、そして圧倒的な強運度で、その波をすり抜けていく。

そんな風に、おじいちゃん自身の人生、というよりは、この地球上の最近の100年の歴史を、楽しく笑い飛ばす映画とも言える。そういや戦後のアメリカに移民し、アイリッシュの移民たちと一緒に、映画「空中ランチ」よろしく高層ビルの土木工事に関わるシーンなども。

このおじいちゃんを、青年期から100歳まで1人で演じる主演男優さんの演技も味わいぶかい。そしてスウェーデンの女の人は、この映画でも、やっぱりがっちりしていて、とっても強くたくましかった。腕も太くて、痩せぎすのハリウッド女優なんかとはえらい違いだ。

いや〜おもしろかった! でも果たしてこの映画が何を言いたいのか、とも考えた。人生を必要以上に心配しなくていいんだよ、そのまま自分のペースで歩んで行けばいいんだよ、とそういう事なのか? 究極の癒し? そういうのともまた違う。いやいや、そもそも人生なんてあっけないものなんだから、まぁ楽しんで行けよ、と言うことなのか? それこそ私だって明日交通事故に遭うかも分らないし、そのくらいにのんびり構えていた方がいいのは確かだな、とは思った。福祉や教育が行き届いた北欧の国ならまだしも、先行き真っ暗な日本で、自分がどんなに心配したところでたいした未来が待っているとも思えないしな。

そうそう、このおじいちゃんがスウェーデンのダンスについて語るセリフが出て来る。「俺が好きなのは、<ポルスカ>ではなく、<○○○>なんだよ〜」っていうセリフ。ショッティスでもなく…なんだったかなー。あのセリフ。覚えておこうと思ったのに、映画の帰りに香妃苑の鳥煮込み蕎麦食べたら忘れちゃった。これから見に行く人、ぜひ教えてください。カタカナ3文字だったと思うのだけど。



というわけでウチのスウェーデンバンドの来日も近い! こっちはポルスカの連続だよ。



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