負けないで

朝ランニングしながら文化放送「くにまるジャパン」を聞いていたら、先日のお便りのテーマは就職面接。そういう季節なのかもしれない。

私が最後に「面接」したのは何歳くらいの頃だろうか。30歳くらいの時か。同じ会社に3年以上いたことがない私は、面接は過去た〜くさん受けた。どの面接もけっこう記憶にある。

私が学校を出て最初に入った会社は、女社長と女副社長のたった二人というすごいところだった。大学3年の時のバイト面接で、実は実技(タイプ/ワープロではありません)で、1分間で打てるワード数が足りなくていったん落とされたのだが、そのあと「どうしてもこの会社に入りたい」と私は彼らに熱烈な手紙を書き、なんとか、その会社に入れてもらえたのだった。ありがたいことにその成功体験が、頑張れば大丈夫という妙な自信をその後の私に与えてくれた。今でもこの社長と副社長にはとても感謝している。もっとも安い給料で、相当こき使われたので、今思うと考えることはたくさんあるが、それでも若い私にとっては、得るものは非常に大きかったのである。

放送では、就活中どんな音楽を聞きますかという記事が朝日デジタルに出た、というのを紹介していて(ここ)、そのベスト10が紹介され、曲が流れた。10曲のうち、私が知っていた曲は中島みゆきの「ファイト」以外1つもなかった。もちろん「レリゴー」だって「負けないで」だってタイトルとサビくらいは知ってるけど、イントロや歌いだしを聞かされてもたぶんまったく分からないだろう。うーん、世間とずれている自分を感じる(笑)

一方、中島みゆきの「ファイト」なんかは、うわー、もうタイトル聞いただけでも泣けそうなのだけど。

面接、きっとタフなんだと思う。組織対個人っていう環境において、個人はそんなに弱いもんなんだろうか? 向こうは偉そうにスーツ着たおじさんみたいな人たちが3人がかりくらいで面接にのぞむのかもしれないが、そのおじさんたちだって、私が時々ここでグチるような、いわゆる仕事できないおじさん連中かもしれないんだよ。人間1人、誰においても全然たいしたことない。逆に1人1人が非常に価値のある存在だ、とも言える。なにも面接を受ける側の自分が小さくなる必要なんて1つもない…と今の私なら言えるのだが。

でもって、そんな話題よりも… 私を落込ませるのは、ふーん世の中、こんな音楽が人を励まし勇気づけているのかという圧倒的な事実だ。中島みゆきの「ファイト」は名曲だが、ここにあげられている音楽どの音楽もウチのどの音楽より勝っているとはとても思えない。(…という幸せな私)こういう音楽を聴いている人たちから見たら、ウチで紹介している音楽は何だかわけのわかならい音楽、ってことになるんだろう。そもそも歌詞がないものが多いしな。

ヒットするしないについては、ほとんどなんの感情もないが、こういうのは本当にものすごく羨ましい! 特に日本語の歌詞がある音楽はそういう点,強いもんなぁ。

「人を励ます」そういう仕事なんだと思う。音楽を売る仕事って。だからこの仕事は本当にやりがいがある。ほんのささやかでも自分が紹介する音楽が、誰かの励ましや勇気になってくれているといいな、と思う。

日本語で好きな歌の1つ。やなせななさんの「街の灯」


そんなあなたが笑う
あたたかいテーブルの上に
今日も明日もやさしい歌が
このままずっと流れますように