多くの人の同情をかうであろう勝算の見えない企画(笑)

行きまーす!!!!!

数日前の「もう今後はアーティストに雇われるしか生き残る道はないのかも?」みたいな文章が結構な勢いで読まれている。全国の音楽業界人の同情をかったのか? いや、分かってるのだ。絶対に暗いこと書いた方がブログは受けるんだって。そして多くの人に読んでもらえる、って。

私がここに元気な宣伝文句を書いたところで、実はたいした量の人に読まれるわけではない。お客さんが、このブログを読みに来たとしても、自分の興味のないアーティストだったら素通りである。それよりもブログとしては、人間的な弱みとかバカなところを見せた方が、絶対にアクセスは稼げる。そして「すごいですよ、こんな企画しました〜」とか言ってるよりは「仕事大変なんですぅ〜」「もう泣きそうですぅ〜」みたいな弱みや悩みを見せたり愚痴を書いた方が人間としても可愛くみえる(笑) そんなことは分かっているのだ。

なんで人は人の不幸の方が好きなんだろう。人の不幸に寄り添うのは簡単だが、人の幸せに寄り添うのは難しい。いろんな人がいるけど、人の成功にたいして「オレもがんばろ」って前向きに思える人は実はとっても少ない。だいたいは人の不幸を見て「大丈夫、オレの方がまだまし」って思う、ってとこかな…(笑)

……ってな中、私には、みんなが手放しで同情してくれそうなとても可哀想なプロジェクトが1つあるのだ!(笑)そんな話をしたら人は興味を持ってくれるのだろうか。実は来年の秋にやろうとしている若いバンドのプロジェクト。誰に相談しても「それは難しい」と反対され、誰からも絶対に売れないと断言されているプロジェクト。そして私はそれを無謀にも強行しようとしているのだ。

ふふふ、どんなプロジェクトかと思うでしょう? まずは音的に非常に売りにくい。音はかなり普通だから。うん、かなり普通(笑)。いや、反対にすごく売りやすいのかもしれないが、そもそも音楽的にもウチのお客さんにあっていない。これは明確。背景となる文化は複雑で分かりにくく、バンドに何か突出した個性があるとも言いがたい。でも私は彼らの自分の音楽にたいする真摯な姿勢にドキューーーーンと打たれちゃったのだ。しょうがないのよ、これはもう…恋に落ちちゃったようなもんだから!(笑)

業界内の誰に相談しても、それは難しい、と言われる。が、もうバンド側のスケジュールは押さえたし退路はない(このブログ参照)。狭い業界内、あの国の、あのエリアのおそらくすべての音楽関係者が、彼らが日本に行くことを知っている。こうなったらクレパスだらけの氷河の上を植村直己みたいに犬ぞりで渡って行かなければいけない(とか言うとバレバレだが)。

これは間違いなくイバラの道だ。これに比べたら普段のイバラの道なんてたかが知れている。が、なぜその道を進むのか、自分でもまったくわからない。が、最近は朝起きた瞬間からそのバンドの音楽が頭の中を流れ、いったいこのツアーをどうやって成功させたらいいんだろう、と1日中そのことばかりを考えているのだ。彼らに出会ってからというものの、彼らのことを考えなかった日は1日だってない。いや1時間があったとしたら、彼らのことを思い出さない60分は一時もないだろう。そのくらい彼らのことを思っている。が、勝算がないのだ。勝算が。まったくと言っていいくらい。

でもなんとかあと半年くらいのうちにこの企画の意味を言語化し、人を説得できるくらいになっていないとホントにやばい。一応、発表は来年4月、詳細発表&チケット売り出し6月、実行11月…ということになっている。つまりあまりもう時間がない。

まったくこれをどうしてくれよう。でも彼らのことを考えるだけで顔が自然とニマニマしてきてしまうんだ。恋愛だってプロジェクトだってそうだけど、実は人は辛そうに見える時こそ本人はすごく幸せだったりする… ふふふふ…あ、いかん…楽しくなってきちゃった。あれ、こんなんじゃ全然同情を買ってもらえない!? このブログは不幸のブログのはずだったのに! そしてこのプロジェクトこそ、みんなの同情を集めて、チケットを買ってもらわないと、絶対に成功しないプロジェクトなのに!!! 皆さん,お願い、ホントにお願い。売れないバンドをかかえて大変なんです。どうかこのチケットを買ってください。そしてこのバンドを好きになってください。お願いします!!!

でもきっと誰も本気心配してくれていないのが、ほんとにつらい。ま、それでも私がこのプロジェクトをやることに迷いはない。それを思うと音楽って分からないよなーといまだに思う。本当に私にとってアーティストとの出会いは恋愛みたいなもんだ。この仕事やって結構長いけど、ホントに何がどう転ぶかは分からない。バカなんでしょうか、私。でもバカであることの、なんと幸せなことよ。ま、あれこれ書いたけど、そんな私を可哀想に思って、どうか皆さんがこのバンドのチケットを買ってくれますように、と願う。

そして、もちろんこれを進めると同時に、今、進めているプロジェクトに全身全霊をそそがねばならない。頑張ろうー。来週からフレアーク、それが終わると間髪いれずにポール、そしてさらに間髪いれずにハラール。ケルティック・クリスマスの手伝いは、どの程度までかかわることになるんだろうか。1月もまだ発表してないけどツアーがあるし、昨日某所から来たメールでおそらく2月にも来日があるであろうことが発覚(まだ会場は押さえてないけど)うーん、大丈夫か、オレ? 来週から来年2月まで、ほぼ一気である。一気!(で、その間に経理もある)

いずれにしても、皆さん、どうかコンサートのチケットを買って私を応援してください。春にも大きな企画が待っているし… 忙しい。とにかく頑張らないと!

まずはポール・ブレイディ。京都公演がウチの主催公演です。東京公演もコットンクラブさんに迷惑かけられませんので、皆さんの応援をお待ちしております。どうぞ御大がまた来れるように応援してください! 詳細はここ。御大御歳69歳。次があるとは思わないでくださいよ。


そして手間ひまかけて作ったハラール・ハウゴーの公演。こちらもどうぞよろしく! 詳細はここ。久々の建長寺公演がおすすめです。