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2016年3月31日木曜日

探検家はすごい

普段は浅草で人力車ひっぱってる阿部さんという極地探検家さん、どうやら氷に落ちて死にかけたものの助かったらしい。それにしてもすごいなぁ、探検家は。すごい精神力だ。

【事務局投稿】 みなさんに報告です。 皆様の声援をいただきながら歩き続けていた阿部雅龍ですが、割れてしまった氷 にソリが巻き込まれて海に落ちてしまいました。 満身創痍の状態で何とか救出され、今は課ナックの町にいます。 とりあえず安心してください! いやはや、この状況でなんて精神力の強さなんでしょうね・・・ 以下阿部さんからのコメントです。 ------------------------------ 海に落ちました。テントとコンロをその際になくしたので、一晩はソリの袋の中 で濡れたまま震えて寝ました。余りにも寒くて身体が完全に機能を停止 してい たからです。 次の日の昼にヘリコプターをチャーターして救援要請をして、病院に搬送されま した。 病院の看護師さんは 「その状況なら海で溺れるか夜を越す間に普通は死ぬわ。あなた、タフね。」と の事です。 マジで死ぬかと思いました。 海から這い上がろうとしては何度も落ちて絶望を感じたし、夜も完全に低体温症 になっていて意識を持ち続けるのに必死でした。精神力が尽きればそこ で全て は終わります。 その度に色々な人の顔が浮かんできました。その度に「絶対に死んで溜まるか、 俺はまだこんな所で死ねない。」と強く思えました。 手足指は全て凍傷になっていますが(海に落ちましたからね)、切除する程の事で はありません。これも幸運です。 装備も無くした物があるし、身体もボロボロですが、まだ歩くのを諦めた訳では りません。 生きてさえいれば何度でもチャンスがある。生きてそえいればこっちのもんで す。諦めさえしなければ這い上がれる。 生きて帰れたのは応援して下さる皆様が勇気をくれたお陰です。感謝しています ------------------------------------ さらに以下、本日届いたコメントです。 ----------------------------------- 「人間の3つのタイプ」 カナックの町に滞在している。 ヘリをチャーターしてピックアップの救援を受けてチューレというエアベースで 病院へ。そこで2日滞在した後、再びヘリでカナックへ戻った。ヘリか ら見え る美しい海氷が眩しい本来なら歩き続けているはずだった。 現地の人にはレスキューの際に大変助けて頂いたのでお礼を言いに訪ねたりし た。凍傷は指先の感覚が暫くなくなる程度で重症な物ではない。雪盲症に もか かっていたが、まだ少し視界がボヤけるものの見えるようになった。考えるのは あの冷たい氷の上での生活ばかり。またあそこに戻りたい。今回は 南極の前哨 戦としてグリーンランドを1200km歩きに来た。それをやらずにして帰れない。僕 の身体は直ぐに回復する。僕はまだ死にかけただけ だ。生きているうちは出来 ることをしなければ。 歩き出す前に挨拶に伺ったカナックの警察へもお礼を言いに行く。 デンマーク人で身長190はある白人の警察官だ。 「実はレスキューの要請が来るまで僕は君の事を忘れていたんだ。」と言うの で、笑ってしまった。忘れてたんだ(笑) 「君から連絡を貰ってからの一晩は心配で寝れなくてね。」とも。 彼がヘリのチャーターに関して動いてくれた。彼もまた命の恩人だ。彼は言う。 「君が海に落ちてからテントもコンロも無しに24時間生きられたのは全くアメイ ジングだ。普通はそこまで持たない。君はタフだな。」 「知ってるか?人間には3つのタイプがある。どうしようもない困難に直面にし た時に、固まってしまうタイプ、諦めるタイプ、そして最後まで戦うタ イプだ。」 「君は戦ったんだな。」 僕は強い人間なんかではない。地元の方々のお陰で助かったのだ。ただ、生き残 る為に出来ることを必死にやったと思う。(実は海に落ちた後、低体温 症になっ ていて記憶がほとんどない) 「ただ、僕はいち警察官だ。その立場からすると君の冒険はあまり誉められない。」 「たが、一人の男としては、君の勇気と判断を尊敬する。君は生き残った。その 経験を色々な人にシェアして欲しい。」 僕の身体は疲れている。装備も1つのソリとテント、コンロ等をなくした。だ か、凍てつく北極の海も僕の熱い情熱までは持っていかなかった。 夜の長い季節は終わり、もうすぐ白夜が来る。本当に厳しい-40℃は応援して下さ るアウトドアメーカー様達の装備で乗り切れた。今なら他の装備で 代用が効 く。ここで手にはいるかは分からない。それでも、出来ることをせずには終われ ない。 生きている内は何度でもチャンスがある。最後まで戦う。 #夢を追う男 #阿部雅龍 #人力チャレンジ応援部
夢を追う男 阿部雅龍さん(@masatatsu_abe)が投稿した写真 -


やはり阿部さんも最終的に目指すのは最終的に南極みたい。南極は北極よりも一段階恐ろしさがすごい。徒歩で単独で歩ききった女性探検家がいるが… 彼女もすごい。

今、北極探検家は私が知っているだけで3名が北極を歩いている。みんなすごいな。真冬を越えて氷が固くはって、やっと少し日が伸びて来た4月は、探検するには最高の季節。

ネットで皆さん発信されてもいるので、そんな文章を読みながら、遠い極地に思いを馳せる。

2016年3月30日水曜日

読みました「アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章」

「知るための●章」シリーズのなんと「アイスランド・グリーンランド・北極」が出た! すごいな! 北極、絶対に今、来てる!!!!!! 表紙のイッカク鯨の写真が印象的。

このシリーズ、ケルトやアイルランドや北欧編みたいなのも出てるので、きっと海外の文化に興味を持っている人にはおなじみですよね、きっと。

で、すみません、アイスランドの部分が結構多いんだけど、それはすべてすっ飛ばしてグリーンランド/北極の部分だけ読破しました。

こうしてみると少ないようで日本で極地研究している人は多いなぁ。というか、ほとんど学者さんなんだけど。日本は極地にものすごいお金使ってる。北極も南極も。特に南極。南極なんて昭和基地しか知らなかったけど、実はいくつもある。うち2つも通年基地だ。

今、北極はすごく注目されている。氷がとけて鉱物関係ももちろん、いよいよ北極航路がスタートか?という話題もある。文化的にもユニークなイヌイットの文化、多くの社会問題を抱えているが、注目の的だ。

この本には前回、グリーンランドの展示会でお世話になった岸上先生も登場。現代文化についての記述もあり、ナヌークも2ケ所に「もっともグリーンランドで人気があるバンド」として紹介されている。岸上先生、ありがとう!!

いずれにしてもナヌークが次に来日することがあったら、ここでグリーンランドの件を執筆している先生方,全員に案内を出さなくちゃ、と思うのであった。皆さんが2枚ずつチケットを買ってくだされば、また生徒さんに声をかけてくれるのであれば、それなりにチケットも売れるんじゃないか、とか考えたり…。生のグリーンランド人、日本ではなかなか見れないですからねぇ。



2016年3月29日火曜日

読みました! 名著「アラスカ物語」

読みましたよ。世紀の名作「アラスカ物語」新田次郎作。北極に行って探検家になりたいんだ、と友達に言ったら、だったらこれは絶対に読んだ方がいい、と薦められたのだ。

実は新田次郎自体はじめて読んだ。私はそのくらい本を読まない。でも新田次郎は有名だよね。皇太子さまも愛読しているという山岳文学の大巨匠。

文庫本を持ち歩いていて「今、これ読んでんだ〜」と人に見せると、「いいよね、新田次郎。それもいいけど、●●も面白いよ」とか、大抵のまともな大人の人たちは、すでに新田次郎を2、3作、読破済みだ。うーん、ホント読むべき本も読まないで、バカな大人になっちゃったな…私。

で、読んでみたよ。なるほどすごい文豪だということは一発で分かる。彼の作品の悪口を言う人はいないだろう。時代を超えて読みやすい文章、テンポがいい構成… いや、ホント非の打ちどころのない大傑作だと思う。

日本の社会から流れ流れて、アラスカにたどり着いた男、フランク安田。最初のシーンはなんと彼が北極を単独歩行するところから始る。(この風景の描写は素晴らしかった。まさに現在のわたしの極地マイブームを直撃!)そして、あれこれあった末、アラスカの地に住み着き、環境の変化によって餓死寸前のエスキモー村を救うことになった。実話だという。インディアンの酋長と交渉するシーンとかドキドキするし、民族感のトラブルとか状況とか、北極研究にいそしむ私にとっても興味深い話も盛りだくさん。いやはやスイスイ読めちゃいました。

が、ただあまりにも主人公がヒーローすぎると思った。なんかかっこよすぎるだろ、この人。で、また奥さんになるエスキモー女性も人間が出来すぎている。特に砂金を見つけるシーンとか、ちょっとありえない感じの展開だ。うーん。が、確かにイヌイットの間では、そんな風に芝居がかった逸話になって伝えられているのかもしれない。それは非常にイヌイット的だ。

結局のところ私が読んでいて一番盛り上がったのは、最後におまけのように添付されている新田次郎の取材日記の方だった。「アラスカ物語」は、こういう小説形式ではなく、実際に作者が体験したエピソードを中心に追いかけて行くようなノン・フィクション本だったらもっと面白かったのに、と言ったら贅沢だろうか。まったく私ったら巨匠に対してなんて感想を書いておるんじゃ!?(笑)

というか、これはジャンルが違うんだよね。なんというか、「時代小説」っていうんだろうか。wikiによれば、新田次郎本人は山岳文学家としてより、歴史作家として認められたかったらしく、作品がNHKの大河ドラマで映像化されることを、とても強く望んでいたのだという。となると、やはりこのスタイルで書きあがえるのが良かったのだろう。

私がこういう時代小説みたいなものを普段まったく読まないせいだね。だからこういう話の語り方に違和感があるのかもしれない。

一方で、新田次郎が実際にアラスカに調査に行く話や、子孫に会おうとして拒絶さえ苦労する話は、短いながらも、私にはすごく興味深かった。それがつまらない空港でのエピソードですら… 大先生、海外が得意だってわけでもなさそうで(笑)ホントに苦労しながら取材されてる。

イヌイットの生活やライフスタイルについての記述は、今,原題においてもとても勉強になる。インターネットがない時代に、これだけのものを調査し描くのは大変なことであっただろうと想像する。また新田次郎は常に書き下ろしという形態を重視していたのだそうだ。

本来職業作家において一番生産性をあげるためには、雑誌に連載を書いて、それを書籍としてまとめるという方法が一番割りが良いのだが、そうするとどうしても話と話の継ぎ目が不自然になってしまう。かつ毎月のページ数が内容のテンポや展開に影響を与えないわけがない。そういうのを嫌って、すべて「書き下ろし」にしたのだと言う。

職業ライターとしての「発注いただきますライフ」と、絶対に譲れない「芸術家としての文豪ライフ」を両立させるのに、先生も苦労したのだと思う。新田次郎は安直な真ん中の路を選ばなかった。だからこれだけ完成度が高いものが作れたんだと思う。(まさに誰かが言ってたドストエフスキーは「罪と罰」を「割が悪い」と思って書いてねいだろ、ってのを思い出す)

なーんて1冊読んだだけなのに、私もウルさいよね。

そして時代小説を書くという世界は、想像するに、書いている途中、いやもしかしたら実際はこうであったのではないか…みたいな検証や迷いはいっさいに振り払って、一気に絵を作りあげる必要がある。そういうことなんだろうな。

もっともこの本にも、途中、1つ1つの章の終わりに「この件については、〜だという説もある」という注釈もコーナーが入ったりしている。

しかしすべては置いておいて、こういう人物が歴史上実在した、ってのがすごい。興味を持った人は是非読んでみるといいと思う。しかし植村直己といい、フランク安田といい、イヌイットと日本人はとっても相性がいい。

新田次郎が3ケ月かけて執筆にじっくり取り組んだこの作品は素晴らしいものになった。ちなみに本作の準備のための取材は1ケ月に及んだそうだが、書くにあたって、そこで拾った80%のネタは捨ててしまったのだと言う。そのヘンにも作者のこだわりが感じる。まさに捨てたからこそ、物語がはっきり見える。捨てられた80%の方に興味津々なのは、おそらく読者の中で私だけだ(爆)

何はともあれ大傑作。なんといっても文章が綺麗だよね。ホント読みやすい。こういうのがクラシック本として、世間から広く愛されるんだね。Amazonのレビューにも力強い感想が並ぶ。この本こそが、自分の人生の指針だと。何度も何度も読み返している、と。

週末は新田先生の「八甲田山」に興味がわき、You Tubeで映画を全部みたあと(えらい長い映画だった)Wikiなど興味深く読んでいたら、4時間くらいたってしまった。ま、日曜日だからいいか、と思いつつも、どうしても知識欲みたいなものが止まらない。でもって、私にとっては、一番面白かったのは、事実(であろう事)の羅列であるwikiだった。いろんな解釈は多々あれど実際に起こった事が何だったのかを私は知りたい。そういう意味では私は読書家ではないのかもしれない。情報が得られるなら、媒体は本じゃなくてもいいのかも。だから時代小説みたいなものとか、大河ドラマみたいなものとか、あんまり向かないのかもしれない…などなどあれこれ考えさせられた「アラスカ物語」でした。

2016年3月28日月曜日

イースター蜂起から100年

今年のイースターはアイリッシュにとって特別な日。イースター蜂起から100年。当時ドンチャンやった中央郵便局前でのセレモニー。



「僕らはアイルランドで生まれたからアイルランド人なのではない。アイルランドが僕らの中から生まれたのだ」

Irish and proud of my roots
Martin Molloyさんの投稿 2016年3月26日


武力&暴力による独立ということで賛否両論もたくさんありました。ここから始ってしまうテロの連鎖など、本当に多くの血が流され、多くの反省と後悔もありました。ですが、アイルランドは努力の国です。今、もっとも貧しかったこの国の経済は大きく発展し、テロも乗り越え、英国と和解し、新しいアイルランドが今、再び生まれつつあります。

今年はそんなわけでアイルランドでいろんな企画が予定されています。National Concert Hallではポール・ブレイディ他が参加する記念コンサートが行われています。リハーサルの様子。

こちらがパンフレット。(リンク先ですべて見ることが出来ます)



PS
あと、これ貼っとくの忘れた! メアリー・ブラックの息子/娘と姪…とか言っちゃうとなんだけど、ダニー・オライリー(コローナズ)、ローシン・オー、イーファ・スコット(フランシス・ブラックの娘)の3人による「Grace」。U2のプロモ映像で有名になったキルメイナム刑務所にて(政治犯が多く収容されたと言われています)



PPS
「共和国宣言」の邦訳がアイルランド大使館のwebサイトに掲載されています。
https://www.dfa.ie/irish-embassy/japan/news-and-events/2016/the-1916-proclamation-in-japanese/

2016年3月27日日曜日

チラシあれこれ

久しぶりにダンス・パフォーマンスを見に行き、入り口でチラシの束をもらった。ダンスのちらしは違うな。紙質もすごい。だから重い! 重さが違う。ロックの、ライヴハウスの小さなペラッペラなチラシとは大違いだ。そしてダンスのチラシの素晴らしいことよ。とにかくどのチラシにも主催者のヴィジョンが見て取れる。何度も色校とかしてんだろうな…。すごいなぁ。

こんな紙、さわったことないよ…とか。これは特色印刷なのかな…すごいなぁ、とか、あれこれ眺めてしまった。

反対にもらってもあまり参考にならないのが、結構もらう場も多い、クラシック系のチラシである。間違いなくクラシックのコンサートに行くと入り口で厚さ1cmにもなろうかというくらい、すごいチラシの束を渡される。クラシックのチラシは、だがしかし、だいたいは曲目が演奏者よりも大きく扱われ、フォント自体にも工夫がなく、アーティスト写真もかっこいいことがほとんどなく(同じライティング,同じポーズ、同じ微笑)、あまり勉強にはならない…(と私は思う)

あとロックのわけわかんないチラシもね。裏が白いチラシやアーティストのバイオが書いてないチラシは、なんか違うと思う。手をぬいてるわけではないのだろうけど(笑)バイオやうんちくや説明などがなくともチケットが売れる、有名なアーティストの公演への私のひがみかもしれないが……少なくとも私は裏が白いチラシは作らない。

ダンスのチラシも褒めておいてなんだが、でも無理してるんだろうな,という部分もなんとなく感じてしまう。いや、この小さい小屋でこのキャパで、このチケット代で万が一完売したとしても、この豪華チラシはないでしょ、みたいな部分も見えてきたり…。いや、外からは見えない何かがあるのか。でも公演において外から見えないものは、あまり存在しえない。チケット代以外に寄附でもしてくれるタニマチ様がいれば別だが、サポートがあればあったで必ずクレジットさせられるし、ホールの主催でもその事は責任の所在として明記される。ま、内側が貧乏であれなんであれ、主催者たるや公演に対する強いヴィジョンは必要なわけで、それが強いのがダンス公演なのかもしれない。だからチラシにも絶対に手を抜かない。多少無理をしても…

ところで、この左のチラシすごいでしょ。A4なんだけど、ホントにすごい。このレイアウト力は天才だよね。ウチのチラシも文字が多くて、デザイナーさんにいつも大変な思いをさせているんだけど、このレイアウト考えた人、天才だ。写真の使い方も斬新。

っていうか、文字ちっちゃいなっ! これ印刷物が許される最低の文字級数じゃないか? 6くらい? もう老眼にはまったく見えません。が、老眼でなければ読めるし、分かりにくいということはない。すごい!

そして表ときたら、こんなに美人さんだから許されるんだろうが、主演女優さんのドアップ!!! そして思い切ったタイトルの文字サイズ。潔い! 英語タイトルの入れ方も天才的。唇の上に載せちゃうかね?! 縦書きと横書きを共存させるときは、ホントにセンスが必要だ。細かい行間のスペースですら、きっと大きく物をいう。それにしてもホントにすごいレイアウトだと思う。

人の振り見てナンタラじゃないけど、こうやってあれこれ眺めるだけでもホントに勉強になる。





ところでフルックの北とぴあ公演はチケットがだいぶ動いておりまして、現状こんな感じ(左の写真)。良い席はお早めに。

フルックのチケットは好評発売中。詳細はこちら。

5月12日(木)京都 磔磔
5月14日(土)duo MUSIC EXCHANGE
5月15日(日)北とぴあ ケルト祭
5月16日(月)小諸高原美術館




フルックのチラシにおいては、分かりやすさと、ご来場いただけるであろうという客層は自分なりにすごく意識しました。同じチラシでもduo MUSIC EXCHANGE他ライブハウス公演のチラシと、文化祭の北とぴあ公演チラシとではまるで目指している空気が違う。

ウチのチラシデザインを一手に引き受けてくれている高橋そのみさん、いつもありがとうございます。私が写真素材とテキストと雰囲気だけメールで入れれば、だいたい一回で私の期待するレイアウントが出て来る。すごいよ! デザイナーってすごいね。このピンクの斬新な使い方とか……さすが!



2016年3月26日土曜日

アイルランド人,いいね。ケリー人、いいね。

またもやアイルランドで話題の映像… ケリーはアイルランドの中でももっとも濃ゆいと言われているエリアなんですが、45歳という若さでなくなった友人のためにパブのカウンターの上で、熱唱するケリーのオヤジの映像がすごい勢いでシェアされています。いいわ。これめっちゃアイルランド的。狂乱のパブの様子。

お友達は,農夫でジャー・フォーリーさんと言って、Cystic Fibrosisという病気と生涯戦ってきたのだそうです。日本語では、難しい感じで「のうほうせいせんいしょう」って言う。白人男性に多くみられる難しい病気で、だいたいは30代くらいで亡くなってしまうことが多いらしい。

45歳という年齢で若くして亡くなった友人を思い、ケリーのオヤジが群衆を率いて熱唱します。Kellersのこのヒット曲はローカルでとても人気がある曲で、町ではパブに集って毎年大晦日に大合唱するのが習慣なんだって。今日はオヤジの先導で亡くなったジャーのためにみんなで大合唱。なんだか泣ける。

別の友人からのコメント。「亡くなったジャーはホントにこの町を愛していたし、この町を彼を愛していた」「みんなのパッションが見えるだろ。すべてはジャーのために、みんな夢中で熱唱した」

私も死んだらこうやって送ってほしいなぁ!!! アイルランドではお通夜のことを「Wake」って言うんだけど、いい言葉だよね。その人ともう一緒にこの歌を歌えないことは寂しいけれど、その人はずっとあなたの側であなたを見守ってくれている。

ホントにアイルランド人っていいね。ケリー、また行きたくなっちゃったなぁ!



PS
こんなニュースも。パーキングチケットを見逃してくれた優しい管理人さん。「今度からは忘れないのよ」と… アイルランドって余裕があるっていうか、みんながみんな余裕があるわけじゃないのに町に優しさがあるよね。
Wexford girl Erin Tucker sent this into JOE, she was lucky that the soundest parking warden in Ireland checked her car. Dead on 
JOE.ieさんの投稿 2016年3月25日

レッツ情報拡散

情報が重要だというのは当然なんだけど、最近は情報を出すタイミングをあれやこれや悩む事が多い。情報はいったん流せば,良くも悪くも自分の意図しない形で、自分の意図しない方向へまでも拡散される。インターネットがあればどんな人でも情報の発信源になれるので、注意が必要だ。先日のパンチ・ブラザーズの、リアノン・ギデンズの会場における来日速報も、私は1人の来場者に過ぎなかったし、会場の告知を写メしてネットに流していた人は多数いたのにも係らず、私の下手くそでうす暗いピンボケの写真は、レコード会社の公式FBページにおいてまでシェアされ、ちょっと引いてしまった。

いずれにしても、情報公開から実際のチケット発売/本番まで、すべてのタイミングをばっちり読み、一番ベストな形でチケットを最大限に売る、というのはするべき努力だ。が、その方法はホントは、まだまだ手探りだと言っていいだろう。

昔はチケットの初動ってすごく大事なことだった。初動のチケットが全体の動員の半分になる、という神話が一般的だった時代もあった。私がコンサート制作業をはじめて間もないころは、まさにそうだったと思う。初動で売れたチケットの数で、すでに興行の結果は分かっていた。今でも多くのプロモーターさんが時間をかけて初動に取り組む。会員先行、主催者先行…あれやこれや。それが、まったくもって読めなくなってしまった。もしかしたらウチだけの話かもしれないが、チケットは最近、ギリギリ本番に近くならないと売れない。下手するとアーティストが来日してからが売れるので、ウチみたいなシングルマン・オフィスはてんてこまいだ。ツアーを回しながら,チケットも処理しないといけない。なるべくツアーが始る前に事務作業は終わらせたいのだが… いやいや買ってくれるお客さんには感謝しますよ。でも、そんな風だから、アーティストが空港に到着しました、みたいな速報写真も重要なのである。

コンサートを作る人によってプロモーションのスタイルがまちまちだ。それの、どれがベストなのかはまったく分からない。また一度行動にうつしてしまえば、what ifの議論はあまり意味をなさない。結局は決定的な結果という事実1つしか存在しないからだ。いったん決めたら、その方針で怯む事なく、努力するのが大事だとは思う。何もしない外野はいろいろ意見を言うだろうけど…

まぁ、でも私個人の意見を言わせていただけるのであれば、今でも「発表 → 発売」までのノリの良さみたいな部分は重要なようにも思われる。やっぱり「えっ、来るの?」「やったー、決まった!」みたいな興奮って、チケットの購買アクションにとって効果大だ。

あれこれ考えるべきなのは(あ、また「べき」って言っちゃった)、たとえそれが素人が作った規模が小さいライヴでも、情報公開のタイミングがきちんと計られていないことが多い、ということだ。のんびりしたアーティストだと公演の前日になるまで何も自分では言わない。でも、例えば自分のホームページより先に、会場のホームページに情報が載ったり情報に対する真剣さが多くの場面で足りてない。どんなに小さなライブだって、自分のHPを見てくれるお客に一番最初に情報を渡さないとダメでしょ。でもそういう基本中の基本ですら出来てないコンサートは多いし、最近多いのは何ヶ月も更新されてないHPを平気でパブリックの場に置いておくこと。これはホントにやばい。それにたいするデメリットを多くの人が認識してない。

ウチがプロモーションするアーティストは、ほぼ無名なことが多いので、うんと前に発表して、半年なり4ケ月なりじっくり時間をかけて浸透させていく → そして直前に「まぁ、そんなに言うなら行ってもいいっか」みたいなノりでチケットを買ってくれるお客さんが多いのも事実。

加えて特にウチみたいな公演に来てくれるような行動力がある人は、「思考 → 行動」のスパンも短い。そこを押さえたい、というのも事実なのだ。

あれこれ押さえたい事実があって… うーん、何がベストなのか、常に悩む! でも努力はした方がいいいですよ。努力は。どんなに小さな情報でもあなたがコントロールできる情報は、それだけで武器になる。それについて多くの人があまりに無頓着だ。更新されてないブログやHPを放置するなんて、もってのほか。そんなの表にさらしてるくらいなら、とっとと削除した方がいいです。

そういう私が考えた、とっておきのフルックの公演、直前の盛り上げネタ。4月16日にフルックの公演の前座アーティストを発表します! これは喜んでもらえると思う。そして一気に公演まで盛り上げて行きます! このネタで、もしかしたらチケットは売り切れ必須??! 果たして…

フルックのチケットは好評発売中。詳細はこちら。

5月12日(木)京都 磔磔
5月14日(土)duo MUSIC EXCHANGE
5月15日(日)北とぴあ ケルト祭
5月16日(月)小諸高原美術館


演出/振付 平山素子「HYBRID」オレカも大活躍だったよ!!

観て来ましたーーー!! チャラパルタ1号2号ことオレカTXが参加のダンスパフォーマンス。平山素子さん演出/振付の「HYBRID(ハイブリッド)」いや〜、かっこよかった!!

っていうか、ライトとか、演出の細かい部分とか、すべてがシャープで、めっちゃかっこよかった。まぁ、普段のウチらがやってるような、ユルいライヴも可愛くていいですけどね(笑)

いいなぁ、いいなぁ、いいなぁ!! こういう公演、私もやってみたいなぁ!!

チャラパルタの2人、とにかくめっちゃイカしてました。普通のワールドミュージックの公演やっても、お客さんとか、なんとなく想像ついちゃう。(とか言うと常連さんに悪いけど)そうじゃなくって、こういう新しい新鮮な試みはホントに素晴らしいと思ったのでした。

すみません、ダンスパフォーマンス関係は私も素人で、素人感想で申し訳ないのですが、とにかく人間の身体能力とか、ホントすごいなぁ、と思った。とにかくすべてにスキがなく、完璧でした。初演の緊張感が味わいたくて行ったんだけど、すでにこんなに完成されてたら、この先どうなるんだろう。

明日、明後日と午後2時から、初台の駅の上にある新国立劇場にて公演があります。しかも安い席は3,200円とかだったりするので、是非この週末、時間がある人は駆けつけてください。中劇場なんで、後ろで観ても、すごくよく見えます。私も2階の最後列で観てましたが、全然問題なかった。詳細はここ。当日券もあるようです。

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東京に来てから急遽作った謎の楽器「ビドン」もステージで大活躍! ちなみに毛皮部分は白くまだそうです(ウソ)


【オレカTX】日本に来てから急遽作った謎の楽器(ビドンと呼ばれています)は、会議机としても活躍中。
プランクトン Planktonさんの投稿 2016年3月15日


なおオレカの2人は、この平山さんとの公演が終わったあと映画上映+単独公演が3月29日にあります。こちらへどうぞ〜


PS
しかし原始的なものって、めちゃくちゃ前衛的でもある。
イヌイットのスロートシンガー、タニヤ・タガク。こういうのとダンスとか組み合わせたら素敵だろうなー(と妄想は広がる)

2016年3月25日金曜日

音楽業界、捨てたもんじゃない?

昨日Facebookをのぞいたら、数日前に私もここでも紹介したこの記事を、取り上げ、心から怒っていた音楽業界の若者がいて、彼には申し訳ないけど、なんか元気が出た。


記事はここで読めます。この記事に対する私の感想はここ。私なんて「サラリーマンなんだからいいじゃん,別に。音楽業界なんてそんなもんよ」でバッサリ切り捨てて終わるのだが、彼はホントに心から真剣に怒っていた。そんな若者がいる音楽業界はまだまだ捨てたもんじゃない、と思う。

昨日は昨日で某大レーベルさんに、今度ウチが秋に呼ぶアーティストを売り込みに行ってきた。普段だったらそんな無謀なことなんかしないんだけど、大好きな彼らのCDは、本国でその会社と同じ会社で取り扱つかわれており、無視できなかったのだ。

無下に断られるかと思っていたら、大レーベルさんは、一等地の素晴らしいオフィスに私を招き、きちんと時間を取って私の話を聞いてくれた。もちろん結果は不合格だけど、そんなふうに誠意をしめしてくれた対応に感謝します。

不合格通知なんて、へっちゃらなのだ。頑張ろう、オレ。プレゼンしてプレゼンしてプレゼンして落とされ落とされ…100本プレゼンして1本通すのがオレの仕事ですから! ここには決まったことしか書かないから、皆さんには私が楽してスイスイ自分の企画進めているようにしか見えないだろうけど、実際生き残った企画の後ろには100本くらいの無駄に死んだプレゼンがあるのだよ。何事だって簡単には行かない。でも自分の企画なんだから、私が頑張らないわけにはいかないでしょ? ってなわけで、今日も張り切って営業行ってきま〜す。

それにしても今週はアポが多くて毎日出かけている。アポの合間に映画や試写に行けるのはいいけど、週に3日は事務所オールディを作らないと、事務仕事がホント追いつかなくなってくる。

2016年3月24日木曜日

映画「リリーのすべて」を観ました。いや〜これは素晴らしい!!!



いや〜、すごい映画だった。素晴らしいです。是非見に行ってほしい。「リリーのすべて」

とにかく俳優陣が圧倒的。映画だってこと忘れて、このストーリーに入りこんじゃいました。主役の2人は有名な人みたいね… トランスジェンダーのリリー/アイナー役にエディ・レッドメイン(英国人)。妻のゲルダ役にアリシア・ヴィキャンデル(スウェーデン人)。この二人がとにかく圧巻。

これはトランスジェンダーとして生まれ、後に人類初の性別適合手術(今は性転換とは言わないそうだ)を受けたとされるリリー・エルベと、その彼女をささえた妻ゲルダの物語だ。

デンマークの画家/イラストレーターの夫婦。旦那は売れっ子の風景画家なのに、妻の方はいまいちぱっとせず。それでも2人はとても仲が良い。子供が欲しいと言いながら、なかなか子宝に恵まれないが、一緒に暮らして6年。ある日、妻が自分の絵のモデルの代理を夫アイナーに頼んだことがきっかけとなり、アイナーは女性リリーとして少しずつ目覚めて行くようになる。一方で妻の絵は、女装した夫を描くことでどんどん売れるようになる。本物の女性になりたいというリリーに、妻はとまどいながらも必死で彼女をささえ、彼女が本来の自分の姿で生きることを応援していくのだった。

興味深かったのは、リリーはトランスジェンダーということと同時に、いわゆる二重人格のような状態だということ。男性人格であるアイナーと女性人格であるリリーのせめぎ合いみたいな中で揺れうごく。そして少しずつ少しずつ女性であるリリーの方人格が強くなっていくところだ。最初の女装(妻のモデルの代理をしたこと)の時、ゲルダの友人がこの女性キャラクターに名前を付けたことはすごく象徴的だと思う。(名前を付ける=存在が認められる=生まれる)

リリーが同性愛者の男性(これがベン・ウィショーなのよ!)に口説かれたり、子供のころの親友を訪ねていったり、はたまたいろんな医者を訪ね精神病だと判断されたり…あれこれエピソードを挟みつつ、ついにリリーは性別適合手術を受ける、というところまで話は進む。

自分らしく生きるって、どういうことなんだろう。それがどんなにたいへんな事か…恵まれすぎた私には到底理解できないが、最終的にリリーは2回の手術を終え幸せな瞬間を迎えることになる。詳しくはネタバレになるので書かないが、悲しいけど、とにかく私は美しくて素敵なエンディングだと思う。ゲルダのスカーフに2人の結びつきを象徴させたところなど、ホントよく出来てるな、と思った。

が、この素晴らしい映画を観て、私がもっとも興味を持ったのは実際のリリー・エルベのことだ。本当にこんな人が存在したのだろうか。

確かに実在の2人を描いた物語をベースにして作られている映画なのだが、実際の話とはかなり内容が違っているらしい。実際は妻のゲルダはゲイだったといわれ、パリ時代に「エロティカ」というレズビアンをテーマにした作品を発表し大ヒットさせている。

また実際のリリーの性別適合手術のときゲルダはすでにリリーのもとを離れていた。とはいえ一緒に暮らしてはいなかったのものの、本当に最後までゲルダはリリーのことをささえていた。

リリーは男性器摘出の手術の後、晴れて女性となり、ゲルダとは離婚し(国の命令で離婚せざるを得なかったようだ)、フランス人の画商と再婚。彼の子供の産みたいと切実に願い、再度手術を受けることを強く願うようになる。そして5度目の手術で子宮が移植され、晴れて子供を産める身体になったものの、残念ながら3ケ月後に感染症で生涯を閉じることとなる。当時ペニシリンなどの開発もされていなかったし、最初の臓器移植が成功したのは、その50年後の1980年代ですからね。すごいよね…

またリリーの遺体を解剖したところ、卵巣の残滓が発見されたと言われ、実はアイナー/リリーは両性具有(XXY遺伝子を持つ者)だったのではないかという説もあるそうだが、真実は分からない。

一方のゲルダはリリーと別れたのちイタリア人の男性と結婚しモロッコへわたったらしい。が、結局離婚してデンマークに戻ってくると貧困とアルコールに苦しめられ1人寂しく亡くなったそうだ。結局のところ、ゲルダにとっては、リリーとの結びつきがあまりにも深く、リリーを失った寂しさに耐えられなかったのではないかと解釈する研究者もいるようだ。

とにかく実際のところは分からない。

でもこの映画はホントによく出来ているので、映画は映画ということで充分良いと思う。それに史実に忠実にストーリーを書いたところで、真実を伝えているとは限らないし…

さて,原題の元の「THE DANISH GIRL」。リリーのことだと多くの人が解釈しているようだけど、私はゲルダのことを言っているように思えた。最初に妻がハンスに訪ねていくシーンで、「誰だ?」「Danish Girl」って英語で誰かが言っているのが聞こえた(ような気がした。間違いだったらすみません)。とにかくリリーもすごいが、ゲルダというキャラクターが光る、光る。とにかく圧巻なのだ。

この時代に強く生きたリリー。そして彼女が自分らしく生きることを必死で応援したゲルダ。彼女たちの気持ちを想像するにホント、この二人のことをもっと知りたいという思いがつきない。荒俣さんが書いた本が、めっちゃ読みたいのだが、最近また本の「積ん読」状態がひどいので、一応amazonのバスケットに入れつつも我慢している(いまここ)



映画でもワンちゃんがいい味だしてたけど、ホントにいたのね!(実際のゲルダの写真)

実際のゲルダのイラスト。リリーがモデル。























実際のリリーの写真。

ところで私にもトランスジェンダーで性別適合手術を受けた友人がいます。彼女は私が知っている中でもっとも心が美しい人の1人。ちなみに手術のあと彼女は名前を女性名にし、盛大な誕生会をした。私は行けなかったけど。

正しい身体になることで「きちんと生まれなおす」って感覚は分かるような気がする。


2016年3月23日水曜日

映画「望むのは死刑ですか」を観ました

人生において、普通の社会人が自分の生活に支障がないところで係れる社会のイシューというのは、実は1つか2つしかないと思う。

ボノの「貧困問題」じゃないけど、人が何か発言できるほど知識を得るためには、それなりの勉強が必要だし、あっちの問題、こっちの問題、手を出していたら、逆に勉強が追いつかず、発言自体が無責任な事になりかねない。誰もが本来は自分の生活のことで忙しいのだ。なので、私も、ここ20年くらい自分が係れるイシューは「原発」と「死刑」に絞ってきた。他のことは経済のことも、宗教のことも政治のことも、正直よく分からない。

で、この「分からない」と言ってしまうことを可能にするためにも「原発」と「死刑」についてはある程度、自分が納得いくまで勉強してきたつもりだ。

ところが「原発」においては、今や実際に事故が起こってしまい状況が超複雑化してしまった。自分の勉強が、すっかり追いつかなくなり…。もちろん今でも大反対ですよ。それを堂々と言うための勉強が、しかし追いついていかない。

で、もう1つの自分のイシューである「死刑」について、ですよ。このブログでも何度か紹介してきた。これなんかものすごく良い内容で(ヨーロッパから日本がどう見られているか痛いほど分かる)自分でも何度も読み返しているんだけど、我ながら、それなりの数の講義を聞きにいったり、本をよんだりしていると思うし、そんな感じの……社会に対して自分が勝手に考えている責任?とでも言うべきか… それを感じて、この映画も無視できず、行ってきました。UPLINK。なかなか良く出来たドキュメンタリーだと思った。「望むのは死刑ですか」

これは英国在住の犯罪学研究の佐藤舞さんが、130名ほどの男女を集め、そこから審議を行い、いろんな意見交換を2日に渡って行った結果、参加者の死刑に対しての考え方がどう変化するか…ということを調査したもの。そもそも男女比、年齢差、そして現在の世論では死刑賛成が80%という、そのパーセンテージに比例する老若男女130名が、集められた。
そのディスカッションの様子、考え方の変化などを収録した1時間ほどのドキュメンタリーである。

驚いたことに結果、いろいろ死刑について知った後は、半数以上の人が考え方を変えるという結果になった。死刑反対が増えたという単純な結果ではない。しかしながら「分からなくなった」という人が多くなったことに、希望が見えて映画は終わる。

日本は死刑のことがちゃんと情報公開されていない。絞首刑で行われており、受刑者は足下の下の板が外れる形で刑が執行される、ということも知らない人が多い。時には受刑者の体重と紐の長さによっては首が切れて流血の大惨事になる場合もあるのだそうだ。こんな残忍な死刑をしている国は今や日本とあとほんの数カ国のみ。今や世界の70%が死刑は存在しないものになっている。

終了後の長塚洋監督のティーチイン。ゲストは監獄人権センターの田鎖麻衣子さん。

「実はよくよく話を聞いてみると、被害者が全員死刑を望んでいるわけではない。もしかしたら死刑を望むというのは“期待される被害者像”というものがあるのではないか」という話。

「裁判は加害者のためのもの。被害者のためのものではない」刑事裁判は刑を計る場所であり、被害者救済の場ではまったくない。ただし今,現在、裁判以外にはそういう場所が存在しない、ということ。

田鎖さんが言ってたことで印象に残ったのは「いったい真人間になる、というのはいったいどういう状態なのだろうか…」ということ。結局犯罪は犯さなくても人間的にありえないほど酷い人というのは世の中にウヨウヨいる。それと実際犯罪の一線を越えてしまった人との違いは?ということ。そして何をもって更生した、と評価するのだろう、ということ。

ちなみにこの調査を行った佐藤先生がまとめた「世論という神話」はネット上でPDFで読めるので、ぜひ読んでみてください。

いや〜 しかし日本で死刑はなくならないだろうな… たぶん私が生きているうちに実現することは不可能のように思える。それでも、いろんなことを知り話し合い、意見を交換するのは良いことなのだなと実感できるドキュメンタリーでした。次回の上映は4月9日15:00よりアップリンクにて。

2016年3月20日日曜日

I LOVE IRELAND FESTIVAL大盛況 ありがとうございました〜


前日からチラシを拡大したものをハレパネに貼って準備をし…

衣装を整え…

本日I LOVE IRELAND FESTIVALが開催されました〜

大バーゲンですよっっ!

プランクトンさんはケルティック・クリスマスのチラシをこのタイミングにあわせて制作されたそうです。

裏はこんな感じ〜っっ。各単独公演については下のほうにまとめられています。ちぇきら!

お店はこんな感じ。

チケットも販売しました〜

お隣はアルテスパブリッシングさん。

そしてプランクトンさんのCDの数々。

こんな感じでモニターでケルティック・クリスマスの各アーティストを紹介〜

トリニティ・アイリッシュ・ダンスの招聘もと、テンポプロモさんもチケットを販売中〜

ラム肉が美味かったなぁ!

差し入れいただきました〜

柴犬も来店!?

牡蠣のマリネ。まいう…

差し入れいただきました〜っっ♡

チケット、CDをお買いあげくださった皆さん、ありがとうございました。帰りは帰宅してから食事を作る元気もないので、コロッケ蕎麦を食べて…

完食!!

明日も世間は連休だそうですが、私は企画書作りに励みます。ふぅー 疲れた!! 長い1日でした。


2016年3月19日土曜日

今、アイルランドで話題の音楽ニュース

日本やアメリカやイギリスの音楽メディアをあまり追いかけていない私にとって、アイルランドのエンタテイメント・ニュースは外の音楽ギョーカイ世界との唯一のライフラインなのだけど(笑)、今、アイルランドでもっとも盛り上がっている音楽の話題といえば、ついこのあいだアイルランド・ツアーを終えたこの方。



Carpool Karaoke、アデルの回、ホントに面白かったよね。Carpool Karaokeについては、知らない人はこちらを参照。私もこの番組の何を知ってるわけじゃないんだけど、アイルランドのWeb音楽メディアで、しょっちゅう紹介されているから私もついつい観ちゃう。

アデルについては説明する必要ないですよね。私より皆さんの方が知っていると思う。私がここに彼女のことをイチから紹介するとなればWikiとかを丸写しするしかないんだけど(笑)

ホントに彼女ってなんかサウス・ロンドンに住んでる普通の労働者階級のおばちゃんみたい。すごく若いはずなのに、大口あけてギャハハハハハと下品に笑うところが、本当にいい感じ。

こんな気さくなキャラクターだということもあって、彼女はアイルランドでものすごく人気がある。新作に伴うワールドツアーをアイルランドから始めたことも好感度アップ。2週間の前のアイルランドは、そんな超人気のアデルが来るってんで、ものすごく盛り上がっていた。確かベルファーストが初日だったかな… そして、アデルの大ファンだというダブリンの男性デュオ(グレンとローニン)が、こんなカバーヴァージョンをYou Tubeにアップしたのだ。



翌日からアデルが来るということもあって、これがグングンとアクセスを延ばし、すごい数のヒットに。それだけでも2人はぶっとぶほど嬉しかった、という。

「こんなに話題になったんだから、アデルに何か言ってもらえるんじゃない?」「彼女だったらきっとやるわよ」など友達にからかわれながらも、「いやいや、いやいや、そんなことはない」と打ち消すように否定してきたグレンとローニン。

いよいよダブリンでのコンサート当日。高いバルコニーにある、うんと遠くの客席でコンサートを鑑賞していた2人。アデルが曲と曲の合間にベラベラしゃべるたびに、内心彼女がこのことをしゃべるのではないかとドキドキはしてきた。アデルのひと言ひと言に一喜一憂。

アデル「この前も散々オンラインで時間潰しちゃってね…」2人「あぁ、もしかして僕らのことかも…」アデル「ホントつまらないもの買っちゃったのよ…」2人「あ、違ったか」みたいな(笑)

が、ついに、アデルは「昨日こんなビデオ観てね…グレンとローニンと言って」と、この映像のことを話しはじめたのだ。2人は飛び上がるほど喜び、席から立ち上がりバルコニーから一生懸命,ステージに向って手を振った。それに気付いたアデルは「今日は2人が来ているので、ステージに上がってもらいます」と紹介したのだった。「なんってこったい」とステージへかけていく2人(笑)



ここでもアデル、普通の下町のおばちゃんみたいに「ピアノはあそこ」「モニターこれ」「このマイクで大丈夫?」とか言っちゃって、みょうに面倒見がいい。

最終的に2人はこれがきっかけでアイルランドのニュース番組にも呼ばれ、テレビでも1曲歌うことになったのだった。



そしてこのことは新聞記事にもなったのだった → これ

普段、私は自分に関係ないアーティストってホント興味ないんだけど、こんなニュースを見て、ちょっと彼女のアルバム買ってみようかなーと思ったりした。ふふふふふ… しかしグレンとローニン、良かったね。なんか2人ともアヌーナのオーディションとかにも来ちゃいそうなタイプのシンガーよね(笑) 次の日本ツアーに合流しませんか?

日本語って難しい

日本語って難しい。自分が書いた日本語なんか特に、なんだこりゃと後から思うことがたくさんある。例えばこのブログ。そして例えばこれ。

今朝、数日前にツイートしたツイートが何度かRTされ、自分のところに再び戻ってきたので(笑)、そうか、3日前の自分はこの英語をこんな風に訳していたかと半ばあきれた…


私より早かったのか遅かったのかは分からないけど、NMEの日本版が同じ記事を紹介して同じ会話部分を日本語に訳していた。

マイケル・スタイプ「みんな理解してくれると思う。僕は長くこれから離れる必要があるんだ」
ピーター「今後ずっとってことかい?」
マイク「僕には真っ当なことに聞こえるね」

最近のネットメディアの英語から日本語への訳文には文句を付けたくなることが多いが、このとおり! 少なくとも私よりは日本語がうんと上手である(爆)

ちなみに元の英文は

マイケル「I think you guys will understand. I need to be away from this for a long time」
ピーター「How about forever?」
マイク「Sounds right to me」

ひとこと言うとしたら、ピーターの「How about forever?」ってのは、マイケルに聞いているんじゃなくって、提案しているのだから「今度ずっとってのはどうだい?」みたいな方がいいかな…(と、このように人がやった作業にひと言文句を言うのは簡単である/笑)

元記事はこちら

いずれにしても通訳さんでもないかぎり、英語を日本語に変えるのはホントに難しい。日本語を英語にする事は、それほどフラストレーションは感じないのだが(それは自分の英語に限界があるからなのだが)、その逆はホントに難しい。英語で100%理解しているのに、日本語にそれを置き換えるのは、まったく別の筋肉だと言っていいだろう。いずれにしても、理解という点で言ってしまえば、英語は英語のまま理解するのが本当は一番いいのだ。

それに私が自分で訳すという事態になった場合、文学的かどうかというよりも、情報をなるべく早く、正しい情報に近いところで流すことが大事なので、あまり細かいことは気にしてられない、というのが現状なのだ。

いつだったか、とある事情で某アーティストの通訳をやらなくてはいけないハメになった。もう存在しないレコード会社だからバラしちゃうけど、東芝EMIからCDを出していたドーナル・ラニーに、取材をしたいという新聞社が現れたのだ。

正直,こちらはツアー中に立ち会うのにも時間が取られるし、後パブだからプロモーターにはメリットないし、本来ならばこういう時に通訳を用意するのはレコード会社の役目なのだが、レコード会社にはそれは出来ないと、ばっさり断られた。CDを出してからしばらくたっていたからというのが理由だ。加えて新聞社でも通訳代は出してくれない、という。で、どうしたもんかということになり私がそのお役目を引き受けることになったのだ。生まれて初めて通訳らしきことをやってみて分かったのは、日本語の質問を英語に変えるのはそれほどストレスなく出来るということ。だが、ドーナルがしゃべる英語を日本語にするとき、まったく言葉が出てこない。あの時はインタビュアーの方にもドーナルにも申し訳ないことをした。あまりに申し訳ないので、自分でも録音しておいたものを、起こしてテキストにして新聞社さんに速攻でお送りした。まぁ、返って喜ばれたけどね。

それにしても通訳は染谷和美さんや丸山京子さんみたいなプロの方に任せるに限る。でも、たま〜に、自分ではない、他の人が段取ったインタビュー現場に立会う機会にあたると、えっ、こんな通訳でいいんだ?みたいなことがホントに多い。またインタビュアーが英語出来ます、って言ってやってきて、ふたをあけたらズタズタで、アーティストが一生懸命答えているのに、ホントにこの人理解できてんだろうか?なんて思う時もある。そして、そういうことはアーティストたちに速攻でバレる。日本語が分からなくても。あんまり人の現場に行って文句は言いたくはないけど、それは大きな信用問題につながっていくのだ。

そういう時、普段,私は自分がいかに恵まれているか、噛み締めるのだった…。ウチの現場はインタビュアーさんも、アーティストも、通訳さんも超一流だ。だから記事も超一流の記事なることが多い。私もそんな現場にいて、皆さんのレベルに到達できてないとヤバイな、と心から思う。

2016年3月18日金曜日

I LOVE IRELAND FESTIVAL 日曜日開催! ウチのブースはB−3です〜


昨日はアイルランド大使館主催のパーチーへ。セント・パトリック様、ご馳走様でございます。

大学のえらい先生ほか、北とぴあイベントの関係者にもあえて、嬉しかったです。皆さん、当日はどうぞよろしく!

さて、いよいよ明後日日曜日!! セント・パトリックス・デイのパレード、東京はこの日曜日に行われます。写真は渋谷でみかけたアクセサリー屋。すごいなぁー、今、こんなに一般に浸透してんだ。

で、同日代々木公園で行われるI LOVE IRELAND FESTIVALですが、ウチのブースの場所が決定しました。「音楽/エンタテイメント」ブースです。B-3! 私は緑のアフロかぶってますから〜 見つけてくださいね。そして差し入れ大歓迎。










フルックの「北とぴあケルト祭」のプロモーションが主な目的なんですが、チケットはこのあたりの席(緑色のところ)を持っていきますので、ご希望の方はお早めにブースに来てね。ちなみに前方真ん中はもう売れちゃったんですよね…

でもH列のこのヘンの席なんか出入りしやすいし、見やすいし、音も抜群だし、いいと思いますよ。早いもの勝ち!

もちろん5月14日のduo MUSIC EXCHANGEのチケットも15枚くらい持っていくけど… 売れるかなぁ。けっこう高額ですよね,コンサートチケットって。こちらは114番以降から。今、チケットぴあや、e-plusなどで購入いただいても201番以降ですから。ここで買ってくださる方が入場整理番号が良いですよ。

ちなみにコンサートチケットは定価ですが、CDの方は特別割り引きのスペシャル価格で名盤を各種揃えていますから、期待しててください。またご購入のお客様に先着でプレゼントとか考えてますんで、まぁ、当日をお楽しみに。

あとは当日の天気がいいといいなー。今のところ雨は大丈夫っぽいですが、例年けっこう寒いんですよね。あったかくしてどうぞ!

映画「アーサー・フォーゲル〜ショービズ界の帝王」を観ました

観て来ました。LIVE NATIONの会長を追ったドキュメンタリー「アーサー・フォーゲル」。一応音楽業界の隅っこにいるからには、こういうのも見ておかなくちゃ!

あと実はウチのアーティストも1人、最近LIVE NATIONと契約したのよ。もっともその子は日本はウチで継続って言ってくれているわけなんだけど、そんなこともあって一応会長さんの顔を見ておこうと思ったのさ。

今でこそ、ウチみたいな規模だったら、私以外は誰も手を伸ばさない小ビジネスだけど、将来は分からないよ。LIVE NATIONだって今でこそスタジアム級のものしかやってないけど、そのうち全国の大小のコンサートホール、ライヴハウスクラスの小屋をも占拠するかもしれないではないか。100人しか集められないアーティストに、ウチでやれば10ケ国でツアーが組めるよ…と言えば,アーティストはそっちを取ってしまうかもしれないではないか。まったく、私もウカウカしてられない(爆)

この映画、自分のFBのウォールを見る限り、音楽業界内での評判は良いようだ。が、正直、私にはよく理解できなかった。次々と音楽ビジネス界の重鎮が出て来て証言するんだけど、有名アーティストたちはともかく、裏方さんはいくら有名人だったとしても、私にとっちゃあ顔と名前がよく分からない。次々と画面に流れる、そのおっさんたちの肩書きやら、係ったアーティストの名前の羅列やら、それに加えて字幕も追うとなると、正直文字が追いずらくてしょうがなかった。例えば肩書きが横に出ているところに、字幕が縦に流れたり、とか…さ。せめて、出演者の名前と肩書きとかをプリントアウトしてコピーでいいから配ってほしかったかも?

それにしても、アーティストがなぜフォーゲル会長を選ぶのかという理由が、私には実は見えてこなかった。アーティストのギャンブルに徹底的に付き合うって事? あと現場からの叩き上げだし、もともとミュージシャン(ドラマー)だから、そのヘンのビジネスマン的な連中よりは、音楽家の気持ちによりそえる、ってこと?

それにしても音楽業界がこんなになってしまう時代で、アーティストとの360度契約とか言われるようになってしばらくたつが、もしビックアーティストたちの権利を100%握る者が現れるのであるとすれば、それはきっとレコード会社からでもなく、音楽出版社からでもなく、メディアからでもなく、ライブ業界からだろうなとは、私ですら予想していたよ。有名アーティストまでが巨大レコード会社の悪口を言うことを躊躇しなかったし、レコード会社って先日のR.E.Mのピーター・バックのインタビューにもあったけど、結局のところアーティストの敵にしかなりえないのだろうかとも思う(実際はそんなこともないんだけどね)。結局のところ旅に一緒に出て、同じ釜のメシを喰っている者は、強いのだ。レコード会社とか言って、アルバムが出たときだけやってきて2年後に次の作品が出たときには担当が変わってたりとか……。もっともこの映画にも出て来たけど、レコード会社の援助がなければ、ツアーが出来ないアーティストもいっぱいいたわけで…。

そして一方でライブ業界もプロモーター、エージェント、マネジメント、なんちゃら、なんちゃらと間に入る人がやたら多いから、そこをすっきりさせて直で何でもやれば利幅が大きくなるだろうよ、というのも簡単に想像できる。ブッキングエージェントなんて現場に顔見せもしないのに25%持ってったりするしね。インターネットで誰もが繫がれる時代に、地域地域のなわばり、もっといえば国と国の境ってのが、もう昔みたいに効かなくなって来ている。結局、自分なりの何かをアーティストに示せてない中間業者はどんどん淘汰される状況にあるんだろう。それは音楽だけでなく、CDの配給や、音楽業界以外のいろいろな業界において紛れもない事実なのだ。

それにしても、次々映し出される派手なコンサートの様子には、目がくらくらした。このクラスのアーティストはとにかく頭がおかしい。倒産までしてステージ衣装にお金を費やすGAGA。360度のステージがいいというボノ。それがいったい音楽にどう影響するというのか。そこに価値を見いだせない私には、まったく理解ができない。でも彼らはあのステージを自分のものにするためだったら、おそらく悪魔にだって魂を喜んで差し出すのだろう。

そうしたクレイジーな世界において、U2のボノがツアー中に故障したときのエピソードが流れたりするのを観ていると、これだけの巨大アーティストと膨大な数のファンの信頼関係を、絶対的に信じてあげられる人が、業界にはフォーゲル会長以外いなかったって事なんだろうなと思う。そういったリスクを受け止めてあげる人が、会長以外にいないというの事なんだろうな、と。こうなってくると、誰が大ばくちをギリギリまで打てるか…アーティストと心中する覚悟があるか…そういう問題になってきて、それがフォーゲル会長だった、フォーゲル会長しかいない、ということなのかと思う。

でもこの仕事をしていたら、アーティストとの一体感が何より重要なのである。そこを忘れている人が多いけど…それはビジネスの規模が大きかろうが、小さかろうが一緒である。付き合っているアーティストがクレイジーであれば、それに付き合うしかない。

LIVE NATIONが、どういうビジネスを日本でやっているのかも、私はよくわからない。でも外資がハンドルできるほど日本のマーケットは単純じゃないだろうとも考える。

が、そんな考えも、日本語は他の言語に比べ特別難しい…と思い込みたい日本人特有の偏見かもしれない。

会長の発言で、唯一いいな、と思ったのは、安全策の中で考えたものはダメだ、と断言してたところた。リスクを取らないと駄目だ、って言ってたこと。そういう意味では、アーサー・フォーゲルだろうが、ウチであろうが、気持ちは一緒ということか?(笑) もしかしたら私のビジネスの規模/私の貯金と、あちらのビジネスの規模/あちらの資産は同じくらいのパーセンテージなのかもしれない(爆) 

それにしてもこんなにメジャーな題材を扱っているというのに、夜と朝の時間帯しか上映がなくって、けっこうガラガラだったし、このトレイラーもたった500回しか試聴されてないって、いったいどういうこと? 結局のところ人の成功は他人の共感を呼ばないってことなのかしら? 自分の身近な人の成功ですら喜べないのに、知らないおっさんなら余計観たくもない?(笑)

そう思っている人には、会長の、シュープリームスの失敗談とか笑えるのかもしれない。あのシーンの会長は、確かにちょっと可愛かった。



それにしても、たくさんのビック・プロダクションのライブステージが映されて、正直まぶしすぎるのと同時に、疲れてウトウトしてしまったのも事実。その中でポリスがえらいタイトで演奏上手いなと思ったのと、Rushを一度生で見たかった…というのが私の感想です(トリオ好き)。

あとエンディングが良かったね。大きなスタジアムのU2のセットで、元ドラマーだというフォーゲル会長が1人ドラムを叩くシーン。カメラがずうーーーっと引いて巨大な会場全体が映る。そしてエンディングロール。

ま、でも、どうなんだろう。まだまだ現役の人なんだから、面白いドキュメンタリーを作ること自体に無理があったのかもと思う。そして彼のオフィスは思ったよりたいしたことなく、机は私の方が広かったと思う! でも、そうか、偉い人だから実務や雑用はやらないだろうし、デカい机は必要ないのかも…。移動も自家用ジェットだしぃ〜。ゴールドディスクみたいなのが、バシバシ、ウォールに貼られていたしぃ〜(笑)

この映画、東京では明日までみたいです。新宿シネマカリテにて。

PS
しかしスタジアム級の場所でやる、ってのが、いまいち理解が出来ない。武道館くらいまでなら分かる。っていうか、山下達郎さんが中野サンプラザ( NHKホールだっけ?)でしかやらないのはすっごい理解できる。いったい音楽って何なのか? いや、音楽じゃなくてエンタテイメント・ビジネス、ってことなんだろうけど。そして一体感というのは、やはり人数が多いと大きいくなるものなんだろうか?

2016年3月17日木曜日

本多有香さん「犬と、走る」を読みました


角幡唯介先生マイブーム続行中で、こんな帯を見せられたら買わないわけにはいかないじゃないですか…。買っちゃいましたよ、読んじゃいましたよ、ユーコン・クエストと呼ばれる約1,600キロ(1,000マイル)の犬ぞりレースで初めて日本人女性で完走した本多有香さんの「犬と、走る」

彼女は最近、植村直己冒険賞も受賞している。角幡さんにこんな帯を書いてもらい、植村賞まで受賞しているなんて、あまりに羨ましぎる! 羨ましすぎるではないか!

で、読んだ感想。確かに良い本だった。面白いし、ハラハラするし、読みやすい簡単な文章だからスイスイ読める。

ただ彼女の生き方には100%共感は出来なかった。まず思った事は、やりたいことを追求する人というのは多いと思うのだが、生活貧窮…という一線を越えて好きなことを追求する人というのは、滅多にいないのではないだろうか、ということ。

生活が厳しくなるとどうなるのか。何か不測の事態にでもなれば誰かに頼ることになるのに、そういった事を自分の致命的な人生上の失敗と捕らえず、いつでも一線を越えるギリギリのところで活動をしている。ま、実際、彼女も本の中では「〜さんに、申し訳ない」なんて何度も言っているわけなのだが…。本当に心から申し訳なく思うのなら、もっと自分でなんとかできないもんなんだろうか。自分の好きにする予算が出きるまで我慢できないもんなんだろうか。…と、いちいち引っかかってしまう。自分の生活があやうくなる、そこの一線を越えてまで、好きな事を強行するという方向へ行ってしまうところが、やはり普通ではない。私なんぞは知らない人にビールおごられたり、人の家に泊まったりすることですら、もう大の苦手なので、ホントに羨ましいかぎりである。

この本をよめば分かるのだが、基本犬ぞりレースというのは、お金ばっかりかかる事業だ。だから犬ぞりに参加する人は、バイトでお金を稼ぎレースに参加するという、そういうストーリーになっている。

まぁ、分かりやすく言うと探検家と一緒ですね。探検家もノンフィクションライターだったり、あとは普通のバイトやってたり、冒険学校などを運営したり、はたまた「この人、いったい財源はどこ?」というわけのわからない人まで、いろいろだが(音楽業界も一緒か)、探検自体はお金を生まないという圧倒的な事実は、誰においても平等に一緒である。だから彼女はバイトをしたり、実家に居候したりするわけなんだけど、これが徹底していて、日本でバイトするのにイラつくと海外(オーストラリア)にビザなしで行っちゃったりとか、ビザ取得のために偽装結婚寸前まで行ったりとか、とにかくものすごい。日本がそんなにイヤなのだろうか。いくらオーストラリアのトマト採りのバイトが割がいいって言ったって、少なくとも実家にいれば、もっと割良く儲けられるだろうに… 最終的にはカナダの永住ビザを取るわけだが、それまでの回り道がとにかく長過ぎる。

そして犬ぞりをやるとなると、レースに出ること以上に、毎日の犬の世話がとても大変なのだ。早朝から夜中まで、それこそ死ぬほど働き、ものすごく頑張ったとしても、それはお金にならない。というか、かえって餌代とか、消耗品の購入とかでお金がとてもかかる。

人間は働いたからといって、そこに社会的意義がないと、それをお金には還元できない。お金を生まないって、どういういことだか考えてみれば、それは「他の人にやくにたってない」ということなのだ。(まぁ、これも乱暴な言い方だけどね。でも社会的意義がある仕事であれば、それ自体がお金を生まなくても、政府の補助金が出たり寄付金が出たりすることもあるわけで…)

私には彼女ほど貧しい生活をしてまで自分のやりたいことを貫き通す力はない。ありがたくもチケットやCDを買ってくれるお客さんがいて、初めて自分の生活が出来る=社会的な意義がある、というところに落とし込まれるのだ。このことは、お金がもらえ自分の生活が意地できている、ということ以上に、とても大きい。社会の役にたっている、ということは、とても大きい。それが自分を励まし、お金以上に原動力になっているのだから。そこが彼女の場合、見えてこない。

しかし、彼女の、上手く言えないけど、犬ぞりの場所へ行きたい、犬ぞりがやりたい、誰に迷惑をかけたとしても… という気持ちがわからないではない。私も海外に住みたいと思った時期があった。それについては、ここに何度か書いたこともある。が、今は日本に自分の居場所が見つけられて、ホントに良かったと思っている。

あとこの本を本として評価するのならば、なぜこんなに犬ぞりにこだわるのか、そこをもっと書いてほしかった。犬が成長していく姿、犬ぞりのチームワークの美しさや研ぎすまされた感覚とか、彼女が愛するものを理解できなくもないのだが、単に犬が好きだというだけだったら動物愛護協会の活動でもした方が真っ当だし社会的意義も大きい。犬ぞり以外の、もっと別のやり方を考えればよいし、それがなぜユーコンじゃなくちゃいけなかったのか。犬ぞりじゃなくちゃいけなかったのか? そこの説得力にかける。となると読者は、単に自分の好きなことをつらぬいているだけではないか、と思う。っていうか、実際そうなのかもしれないけれど。

まぁ、この彼女もこれから、だな。こういっちゃなんだけど、彼女にはホームページもブログもないし、SNSも見つけられなかった。自分のやっていることを世間に訴えて、自分以外の、バカだけど好きなことをやっている人たちを励ましたいという気持ちも見えてこない。

というか、この本を読むかぎり、おそらくそういった余裕もまったくないんだろうな、と簡単に想像できる。でもやっとこの本が出て、この本によって彼女は世界とつながった、とは言える。犬の世話をしながら書く本は、大変だっただろう、と想像する。が、これを出して良かったよ。世界のためにも、彼女のためにも。

いや、ホントこの本が出て、やっと彼女は「好きなことに頑張りましょう!」的なメッセージを世間に発表でき、生き方で悩んでいる人にある一定の勇気をあたえる結果になったのだと思う。確かにレースに完走したのは素晴らしいとは思うけど。彼女ももう40代半ば。これからだよ。これからどうするか。

それにしても、オレは羨ましさや妬ましさもあって、女性探検家には厳しいな(笑)。

ま、でもとにかくこれからですよ。これから。本多さん、ここにちょっと意地悪視線で、あなたのことを妬ましく思いつつも応援している50女がいることをお忘れなく(笑)



PS
あとやたら長過ぎるサンクスクレジットも、妙に彼女のピュアな部分を映し出していて、好感が持てました。

めっちゃ、めっちゃ、めっちゃ良かったよ!!!!「SONG OF LAHORE」

いや〜っ、ホントにホントにホントに良かったよ、この映画。夏公開なんで、まだだいぶ先だけど、公開になったら皆さんも絶対に見に行って! 試写で拝見しました。ありがとうございます。「SONG OF LAHORE(邦題未定)」

パキスタンの伝統音楽オーケストラが、サッチャル・スタジオという音楽スタジオを拠点に活動を細々と続けていた。ある日、デイヴ・ブルーベックの「Take Five」のカバーし、そのクリップをYou Tubeに載せたところ、100万アクセスを越える大ヒットに。それがBBCのニュースに取り上げられ、最終的にはニューヨークのリンカーン・センターでウィントン・マリサリスと共演するという……音楽バンドのサクセス物語。

ま、こう書くと「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」とか、コンゴのホームレスのミュージシャンたちの「ベンダ・ビリリ」とか、無印良品が呼んだ廃材から楽器を作って演奏する「カテウラ・オーケストラ」とか、思い浮かべる人いるだろうけど、いや、いや、いや、いや!!! そのテの中で、この作品はもっとも面白く素晴らしい作品だと思う。とにかく素晴らしかった。絶対に見に行った方がいいですよ。

無駄な映像や無駄な台詞一切なし。とにかくテンポが良く、笑いもあり、ちょうどいい長さの82分。なんと女性のドキュメンタリー監督なんだって。たくさんのすぐれたドキュメンタリーを制作している人で、2012年にはタイム誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれているシャルミーン・ウベード=チナーイ監督。(それなのに日本語でググっても何も出てこなかった)

パキスタンって、昔はすごく文化の豊かな土地だった。インド映画の音楽みたいに映画産業に密接して音楽も、とてもさかんだった。それがタリバンによって音楽が禁止となり、文化がどんどんどんどん縮小し続ける中、ミュージシャンはみんな食べていけなくなってしまったのだ。

そして、この「Take Five」だ。あのブルーベック自ら「私が今まで聞いた中でもっとも面白くもっとも異なるTake Five」と認める彼らの演奏なのだ。

ミュージシャンたちのセリフがすごくいい。ドキュメンタリーだから、台本があるわけじゃないのに、すごいね。これは相当な量を撮影してるんだと思う。だからこんなに良いカットが撮れたのだ。おそらくこのグループがYou Tubeでヒットする以前から、監督はこのグループのことをずっと撮ってたんだね。そして最後の15分くらいでは音楽もたっぷり聞ける。

心に残ったセイフ:すみません、メモらなかったので記憶を頼りに書いてますが、「人は自分が信じるものの中に神の存在を見いだす」みたいなセリフ。グループのリーダーの彼の言葉だった。イスラム教を説明する時にそんな説明をしていて、それが私の中にスッと入ってきた。それが音楽なんだ、とも。

そしてもう1つが同じ彼のセリフだったと思う。アメリカ進出にあたって「パキスタン人はテロリストではなく芸術家だっていうのを見せてやるんだ」っての。いいでしょ! いいでしょ! もう涙でちゃうよ。

そして最後は御大ウイントン・マルサリスの「ジャズはあらゆる音楽を受け入れてきた。それは虐げられた者の音楽だからだ」みたいなセリフ。あぁ、御大、かっこいいよ!! もう響きまくり!!!!!

「音楽っていいね!」って、当たり前だけどそんなことを思い出させてくれる素晴らしい映画だった。

そうそう、ツアー前に張り切っていろいろ詰め込みすぎてスーツケースが異様にデカくなってしまったメンバーや、ニューヨークに連れて行ってもらえないヴァイオリンの連中とか、そんな「外国ツアー面白あるある」シーンも続出。あぁ、もうっ! ミュージシャンって、すべてが可愛すぎる!

そして演奏面においては、フルートの彼がめっちゃ上手いのよ。加えてパーカッションの2人がいいんだ。1号/2号みたいな感じで!! 彼らの、どんな状況にも応じないドーンとした感じが、すっごくいい。顔の大きなおじさんなんか眼光するどく4頭身くらいなんだけど、とにかく安定感抜群で、ゾクゾクしちゃう。

そして、ウィントン・マルサリス御大も、もう言うことなし。彼らが準備してきた楽譜のことを「うむ…different」とか言っちゃって…あぁ、いちいち笑える。いやいや、リハーサル・シーンなんか、ほんとに緊迫ものなんだけど、御大すごい。御大すごいよ!

こちらがトレイラー。英語字幕しかついてないけど…是非見て見て。



そしてこれが話題のそのTake Five!



そしてこちらがBBCのニュースで紹介されたもの。

とにかくこれは良い映画だわ。ヒット間違いないわ。まだ日本の配給先さんのホームページも出来てないみたい。でも東京はユーロスペース(渋谷)だって。

なおCDの方は、すでにしっかりサラーム海上さんの解説で売ってますよ。こちらへどうぞ〜

2016年3月16日水曜日

プログレ? それともトラッド? その3

再び「プログレ/トラッド」シリーズ。

忘れてたよ、この音楽の存在を。っていうか、もう何度もここで紹介しているから「プログレ/トラッド」シリーズであえて書くまでもない、とも思ったのだが、あえて書いておく。

リバーダンス。ちょっとマウロ・パガーニ入ってませんか? 特に4:30以降、ジーンが再登場するあたりから…



それにしても、今だにこの曲聞くと興奮する! 映像を見るとアヌーナが若い。まだ男性陣がスタートレックのベストを着ていない頃だ。カーテンみたいな衣装着てる! 笑える! でもってまるで宙を舞うようなジーンのソフトシューズのダンス。まるで羽根があるみたいだ…なんて素敵なんだ!! そしてマイケル・フラッタレー。跳躍が高い! このあと何十人というソリストたちが彼らの後に続くのだが、彼らほど踊れるダンサーは誰もいない。やっぱりこの2人あってのリバーダンスなのだ。この2人あっての…

この7分間で、アイリッシュ・ミュージックは大きく変わった。すごい7分間だ。今みてもゾクゾクする。そしてアイルランド自体も、このあとケルティック・タイガーという、国が始って以来の経済黄金時代を迎えて行く。その数年後、オレは東京でCDのディストリビューションを始め、THE MUSIC PLANTをスタートさせた。良い時代だったな(遠い目)。

下の映像はマリア姐さん(っていっても歳同じくらいなのよ、私たち)とマイケル・フラッタレー。スパニッシュとアイリッシュ。もう立ち姿が他のダンサーと違うよ,姐さんは! シルエットで出て来るところなんか、最高。ファイヤーーーっっっっ!! 

リバーダンスは、マリア姐さん、マイケル、ジーン。この3人あってのダンスショウだったよ。そして、この音楽!! ビル・ウィーランに音楽の神様が降りて来てたよね。このあとに出した映画のサントラとか、TVのテーマ曲とか、どれもまぁまぁだけど、結局リバーダンスを越えられてない。いやー すごい。



かっこいいーーーーーっっ。

でもリバーダンスの大元はこれだって知ってた? East Wind。リバーサンスの作曲者ビル・ウィーランも認めてる。このアイディアはアンディ・アーヴァインからもらいました、って。



すごいでしょ。これこそ真のプログレッシブ・ロックだよね。かっこいい。「East Wind」のCDはこちらでお買い求めいただけます。マルタ・セヴァスチャンとかも参加していて、全曲すべて素晴らしい。

このシリーズ個人的に気に入ってるんだ…。また思いついたら書く。プログレ/トラッド。リバーダンスのCDはアマゾンで。DVDとかも何種類も出てますけど、オリジナルキャストでゲットしましょう。

2016年3月15日火曜日

仕事には、「面白い仕事」と「面白くない仕事」の2種類しかない

こんな記事が世の中の話題になっているそうですが…

【どっちがいい?】キツイ仕事で年収600万円と、楽な仕事で年収400万円 ネットでは「後者一択」の声相次ぐ

この記事読んで、なんだ、全然仕事っちゅうもんが、わかっとらんな…と私は思った。仕事はですね(笑) 仕事はですね、「キツい/楽」で分けてもあまり意味がない。2択にするなら「面白い」「面白くない」の2種類だと思います。そう、仕事には2種類しかない。「面白い」仕事と、「面白くない」仕事。キツくても面白い仕事だったら、誰だってやる。

例えば…簡単なところで言うと、海外にしょっちゅう行っている仕事は面白い仕事だと思われがち。でもそれは違う。少なくとも私は海外に行くこと自体はあまりクリエイティブではないと思う。要はそこから「何をするか」です。行くことは金と暇と、ついでに健康があれば、どこの誰でもできる。昨日パンチ・ブラザーズの来日が話題になって、私のFacebookのウォールは「パンチ見た」とかそういう話題になったんだけど、「見た」だけは金と暇さえあれば誰でも出来る。要はそこから何をするか、だ。

では、面白い仕事とはなにか。仕事を面白くするか、面白くしないかはひとえにその仕事をする人にかかっている、と私は思います。いつだったか、池袋ですごいタクシーの運転手さんに出会った。ほんのワンメーターの短い距離だったんだけど、とにかくその運転手さんは運転が美しい。ブレーキを踏むのもスムーズで、すううううっっと止まる。まるで空中を飛んでいるみたい。あまりに素敵な運転だったんで「運転,お上手ですね。ちょっとびっくりです」と言ったら「一応気をつけてはいるんですよ」とか言って,それ以上、その運転手さんは多くを語ろうとしなかった。私はその運転手さんは超かっこいいと思った。そんな素敵な運転手さんが存在する一方で、道順すらろくすっぽ知らない運転手さんも、ものすごく多い事も確か。それに加えてペラペラペラペラ一方的にしゃべり、客との距離感が読めない運転手さんも多い。そういう運転手さんは、運転をクリエイティブな仕事だと思っていない。何がベストなタクシーか、ということを考えたこともないんでしょうな…。

羽田空港のものすごいお掃除のおばさんとか、テレビでドキュメンタリーをやってたけど、掃除なんかも実は工夫次第で、ものすごいクリエイティブになりうる仕事だ。

だから評価されるべきは職種じゃなくて、その職業に対する態度ですよ。何も知らない人は、職種のタイトルだけ聞いて「面白い仕事」とか「面白くない仕事」とか評価を下したりする。でもそれは違う。

ん? ちょっとは良い事言ったかな? そうなのよ、あなたの仕事を面白くするのはあなた自身だって、事なのよ。自分にしか出来ない事をやろう。それが、いつでもあなたの居場所を、この広い世界の中で確実なものにしてくれる。(…と、自分に言っています)

食べ物も一緒。安くて美味い食べものもあれば、高くても、ちっとも美味しくない食べ物もある。

コロッケ蕎麦、大好きなんだ〜 まずさくさくの状態のコロッケとおそばを満喫し、最後の方はドロドロになったコロッケとおつゆを混ぜて、最後の一滴まで飲み干すのが…あぁ、至福の時♡

2016年3月14日月曜日

ついに!!! ブルーノートさん,ご英断!!! パンチ・ブラザーズ来日決定!!!!!

そしてついに!!! こんなアナウンスが!!



おそらく現存するアコースティック・アンサンブルの中では最高の1つ…いや、違う、絶対に最高の!! パンチ・ブラザーズの来日が決定しました!!…っていうか、カタカナで書くとまだ違和感ある。Punch Brothers来日決定!!!!!! きゃーーーっっ!



ついでにこんなのも貼っとこ。この曲、パンチ・ブラザーズの公演でも一番盛り上がるところで演奏されますよ。



詳細はブルーノートさんの発表を待ちましょう。楽しみですね。

PS
あ、あとメディアの皆さん、私は数少ない彼らのライヴをちゃんと見ている日本人の1人だと思うので(って、自分以外には1人しか知らない)、応援原稿書きまっせー。ブログの文章は急いで書いているためひどいですが、時間をかけて書く文章はもっとまともです。しかもポール・ブレイディと一緒に見に行ったんだぜ(自慢)

PPS
ブログ(クリス・シーリのソロを見た時の日記…あら、5年前になるのか…)
http://themusicplant.blogspot.jp/2011/09/day-1.html

ブログ(Punch Brothersを見たときの日記…なんと2泊でダブリンから帰ってきてる!! 我ながらすごいな!)でも音楽のこと、ほとんど書いてない(爆)
http://themusicplant.blogspot.jp/2015/01/day_22.html

 ← パンチ・ブラザーズは最新作のこれがおすすめ。私も一時狂ったように聞いてました。

リアノン・ギデンズ、最高でした!!!! 明日も公演あり。絶対に行くべし

いやーいやーいやー かっこよくって、最高の公演でした。これはホントに素晴らしい。こういうのを音楽っていうんですよー こういうのを!!!! なんかこういうの久しぶりに聞いたわ。ホント良かった!!! 

今、おそらく女性ヴォーカルの中ではもっとも見なくちゃいけないアーティストの1人…っていうか、「の1人」は余計だな。もっとも見なくちゃいけないアーティスト…と断言しちゃお。とにかく最高です、リアノン・キデンズ。

いや〜、頑張ってちょっと日本語も話す様子も可愛らしく、いや、しかし力強くてインテリジェント! いや、ホントに素晴らしい。こういう女性シンガー,大好きです。こうじゃなくっちゃいけない。音楽は。

私が彼女を最初に知ったのはカロリーナ・チョコレイト・ドロップスのコンサート。グラスゴーで見たんですよね、Celtic Connecdtionsで。最初エディ・リーダーがあのバンドはすごいいい、いい、ってめちゃくちゃ押してて、それで見たんだったように記憶している。まだ彼らがグラミーとか取る前だったと思う。

ドロップスは別に解散しちゃったわけではないみたいですね。でも、ドロップスの公演とは全然違ってた。彼女のソロを見るのは今日が初めてでしたが、いや〜っっっ、ホントに最高。初来日ということで、ライターさんや評論家さんがたくさん来ていたましたが、皆さん「超大絶賛!!!!!!」最高に良かった。

巨匠2人も彼女を大プッシュ! 
クリックで拡大して読めます。
惜しいところはバンドが、意外と普通だと思ったこと。1時間公演だとソロ回ししたりする余裕もなかったのかな…でもそういう問題でもないようにも思う。もっとオーガニックな感じが良かったかも。ま、でもそんなことはめっちゃ小さいこと。95点以上の話してます、95点以上の話。もう一流も一流。最高に良かったです。こういうのこそ、お金を出して見に行って全然問題ない音楽だと思う。ブルーノートさん、本当に彼女を呼んでくれてありがとう!! やっと見れました。

明日ももう1日公演があります。皆さん,何をおいても駆けつけるように!!! 絶対に後悔しません。私が保障します!!!

ゲール語の曲もやって最高にかっこよかったんだけど、惜しいのはこの曲をやってくれなかったこと。2部ではやったかしら。明日はやるのかしら。



公演の詳細はこちらです。ホントに、皆さん、絶対に観に行ってください!!!
そして…このあと大ニュースに続く…

2016年3月12日土曜日

I LOVE IRELAND FESTIVAL 3月20日に代々木公園にて開催!


さーて、全国各地でパレードが始っているようですが、東京は3月20日 セントパトリックスデイのパレードが表参道にて行われます。

そのパレードにともない数年前からこんなフェスティバルが代々木公園にて行われています。I LOVE IRELAND FESTIVAL。ビールもたくさん飲めるし中央のステージではパフォーマンスもたくさんあり、楽しい1日になりそうです。

で、今年はウチも久々に出展することにしました。主に5月のフルックの来日ツアーのプロモーションなんですが、数年前に出展したらCDがたくさん売れて嬉しかった記憶あり。なので、フルックの公演のチケットやチラシはもちろん、ウチの在庫をさぐって、面白いCDをたくさんお持ちしますよ〜。大幅割引の大特価で販売しますから、是非のぞいてください。

I LOVE IRELAND FESTIVAL
3月20日 朝10時から夕方6時まで 代々木公園
ブースの位置が決まったら、またこちらでお知らせしていきたいと思います。
良かったら、遊びに来てくださいね。差し入れ歓迎(と、さりげなくおねだり)

クリップは2015年のフェスティバルの様子



PS
ウチのブース、B-3になりました。フルックのチケットの他、CDの秘蔵ストックお持ちしますので、お楽しみに〜

2016年3月11日金曜日

2011年4月 マーティンとデニスの来日前夜

ブログを書くのはいいね。読み返すと当時の気持ちが蘇ってくる。2011年4月の日記より。



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全文はここ

5年か…と思うけど、たった5年かって思う。10年くらい前の話みたいだけど…

マーティンとデニスがやってくる直前まで、ずっとエモーショナル感情を押さえられなかった。震災が起きてから、友達と飲んでご飯食べてしゃべってばかりいた。それしかすることがなかった。そしてどういう気持ちでツアーをしたらよいものかとずっと悩んでいた。でも2人が到着しツアーが始ったとたん、すべてが普通の、いつもの通りのツアーの空気に戻った。それが私を震災後のエクストリームな環境から、日常の平静な状況に引っぱり戻した。

ツアー中、震災のことを思い出したのは、ラジオで彼らがコメントを求められ「日本は大丈夫」的なことを2人が言った時。そしてお客さんに「こんな時に音楽を聞くなんてどうかと思ったけど、コンサートに来て本当に良かった」って言われた時くらいだった。マーティンとデニス、ありがとう。声をかけてくれたお客さん、ありがとう。コンサートをやることに迷いはなかったけど、ホントにやって良かった。私は、この仕事の現場が、私のいるべき場所なんだなと強く思った。

そのあとは5月のフィンランド・フェスト(ヴァルティナとアラマーイルマン・ヴァサラット)もキャンセルされることなく無事に終了し、その年の11月にはヴェーセンとマーティン&デニスの共演という公演を組んで、トッパンホールをソールドアウトにするという成功へつながって行く。最終的に仕事への影響もなく、私は日常を取り戻した。

あの震災で人生がくるってしまった人がたくさんいる中、現在の自分にはラッキーにも完全に平和な日常が戻ってきている。板橋の高速の側に住んでいた時と違って、今は荒川土手の空気がきれいな場所に住み、運動するようになって、あのころよりさらに健康になった気がする。仕事もなんとか続いている。

それにしても、あの頃は毎週のように友達に会い、将来がどうなっちゃうのか不安につつまれながら、友達としゃべってばかりいた。そうやって、何とか自分の生活の中に日常を取り戻す必要があった。今は… 逆に平和な毎日が戻ったからこそ,あの時の気持ちを絶対に忘れないように、と強く思う。あの日から、間違いなく自分は変わったと思いたい。日本はどうなんだろう。原発はまだ動いているし… 

今だ避難している人、人生を狂わせされてしまった人もたくさんいる中で、自分に出来ることはなんだろうと思う。すべての人が幸せに暮らすことは出来ないのか。何も悪いことなどしていないのに。

2016年3月10日木曜日

ペッテリ・ファンは注目! アンディ・マッキー来日決定!

コットンクラブのメルマガ取ってたのに、来日発表されたの、今の今まで気付かなかったよ! オーマイガッ!

まぁ、ペッテリ・サリオラファンの人は知らない人はいないと思うけど,同じくヘッジズのDNAを受け継いだギタリスト、アンディ・マッキー久々の来日です。ホント久々じゃないかな、アンディの来日。前は中川イサトさんがよんでた。そういやコットン・クラブさんはミュリエル・アンダーソンもやってたし、トミー・エマニュエルもやってたし、ギタリストが好きなのかも?(笑)

この曲「ライリーン」は日本でもTVのCM曲に使われたのでご存知の方も多いでしょう。





ペッテリとアンディの共演!



確かにペッテリの方がリズム感もあるし楽器も上手いんだけど、アンディは、もう絶対に誰にも負けない叙情性があるというか、曲にも気持ちがあって、ホント素晴らしいし、最高なんです。私はこのスタイルでは一番好きなギタリストです。いつか生で見たいと思ってた!

日程は5月17日(火)18日(水)
1st Show  6:30 Start     2nd Show 9:00 Start
場所は丸の内コットンクラブさんです。

フルックの帰国日にあたるんだけど初日に行こうかな… 早くチケット買わないと〜っっ

詳細はここ

このアルバム,一時くるったように聞いた。捨て曲なしの名作ですよ。チェキら! 上に貼付けた2曲もこのアルバムに入ってます。

ドローンが欲しい!

北極探検家の荻田さん、いよいよ今日北極へ向けて出発だそうです。頑張ってください!

そして荻田さんのこんなツイートに影響され… 



いいなぁ! 北極にドローンもっていったら、どんなに素敵な絵が取れるだろう! オレもドローンが欲しいよ! と、さっそく今日夕方、仕事帰りにビックカメラ池袋店さんへ行ってきました。どうやらドローンは安いものでは1万円を切るものまであるらしい。(そしてそういう小型な機種においては、許可や登録も必要ないらしい)

しかし実際に現物を見ると、安いやつはものすごく繊細なつくりで、どうも心もとない。羽とかプラスチックで簡単に折れてしまいそう…だいじょうぶか? ドローンを売っている脇では翼など各パーツもプラモデルのごとくたくさん売られている。そうか…消耗品なのか…

ビックカメラのお兄さんに「マイナス10度くらいでも行けるやつありますか?」とか聞いたら、「うーん」とお兄さんはカタログを引っぱり出して調べてくれるが、分からない。そこにさらに詳しいお兄さんがやってきて「あぁ、寒冷地では電池がダメなんですよね。0度以下だと普通持つ時間の半分以下になっちゃう」ということで「これなら」と紹介されたのが常温で25分持つという7万弱のドローン。た、高い! 他の1万台のドローンは電池は5分程度しかもたないのだ。つまり氷点下だと、おそらく1分しかもたない。これじゃ意味がない。25分持つやつで、極地では5分…くらいか。いずれにしてもあまり当てにはならない。

ドローン欲しいよ!! 荒川土手で遊ぶにはおそらく1万円台のものでだいじょうぶなんだろうけど……極地は厳しすぎるわ。それにしても探検家になるには装備にお金がかかりすぎる! うううううう… こんなことなら冷蔵庫を買い替え無きゃ良かった。

このアシモくんみたいなのが載ってるやつ
良さげだったんですが…
「北海道とかで使われるんですか?」とかお兄さんが聞いてくるので「いや、実は…北極なんです」といったら「北極ぅー?!」と珍しがられ、「じゃあちょっと試運転してみますかね」とか言って12,000円くらいの機種を試させてくれる。

そこにさらに詳しいお兄さんもあらわれ「北極に行かれるんですって」とか言われながら、お兄さん合計3名動員してしまった。

「僕がこの網の中に入ってフォローしますから、リモコンで動かしてください」と言われ(お兄さんは小さな2/3畳くらいの広さの網の内部に入り…まるでゴルフの打ちっぱなし場のような試運転場…そこにドローンを設置する)、リモコンを握るオレ! よしテスト飛行だ! レッツ・フライ!

が、この小さいドローン、安定感がまったくなく、そもそもまっすぐ上に飛ばない。そうなのだ、小さいドローンは安定感がない。まずはバランスを取って上下左右に自由に飛ばすこと自体が難しい。これを安定して飛ばすための操作に慣れるまで1ケ月はかかりますよ、と言われ愕然とする。うわー、そうなのかー。

一方で高いドローンは自立的というか、操縦者が下手くそでも安定して上下に飛ぶ。ここがやっぱり違うのである。うーーーん!

それからiPadがモニターおよびコントローラー代わりになる機種、そうでない機種という区別もある。そこでふと思ってiPadの耐久温度を確認したら「0度から35度」だった! すでに極地では全然使い物にならないじゃん!!

あぁ,ドローン欲しいなぁ! 荒川土手で訓練したら、すごく上手くなりそうだし…。みんなに自慢できることこの上ない。ちなみに直前に会っていた友人に「これからビックカメラにドローン買いに行く」と言ったら、彼女は私を多少あきれた目で見ながらも「私にもいじらせて」と言った。そうだ、誰だっていじりたいのだ、ドローンを!!!!

私が薦められたのは下記のメーカーだった。同じメーカーのおそらく上位機種/25分バッテリーが持つものだった。あぁ、未練たらたら… 欲しいよ、ドローン! 結局ぐっとこらえて買わずに帰ってきたけど… 

それにしても親切なビックカメラのお兄さんたち、ありがとう! ドローンについて、よく分かりました! こんな調子じゃ、探検家になるにはまだまだだな…


ところで「野崎は本当に探検家になるのか?」と思っている皆さん、安心してください。そろそろこのプロジェクトのすべてが明かされますから…(ニヤリ)。

2016年3月9日水曜日

プログレ? それともトラッド? その2

前回の投稿が好評だったので気をよくして第2弾。FBページへの皆さんのコメントもありがとうございました〜

ツミ・サウンド・システム プログレ度★★★
一時はホントに好きで具体的に来日させようとしたんだけど、先方のレーベルが「呼べ呼べ」とウルサいわりにまったく協力的じゃなかったので辞めた。今,観ても相当かっこいい。エスコとトミのフィドルはホント最高。ドラムを含むリズム隊が子供っぽいのがオシいのだけど、それをひいても有り余る楽曲の良さが光る。いつだったかこのバンドをヘルシンキで見た。それはたくさんのエージェントやプロモーターが集められた国際視察ツアーみたいなもので、このバンドを見終わって出た評価が「あのサックスはいらない」ということ。「なんであの音が必要なんだろう」「ジャズでも目指してるのかしら、たいして上手くもないのに」等々…。みんながあんまり勝手なことを言うので「でも言える? 自分のフェスにブッキングする時に、あの子だけいらない、って誰がバンドに言えるの?」と私が言ったら、みんな黙ってしまった。そう、誰もやる気がないのに、批評するだ事だけは、皆さん、ご立派なこって。そういう無責任な業界のヨタ話に混じるのが私は大嫌いである。でも確かにサックスを入れるなら、もっとびっくりするようなソロが取れるような子じゃないと辛いかもね。もっとLIVEを重ねれば上手くなるんだろうけど、そもそもあまりLIVEをやってないのが、このバンドが一歩先に行けない原因だと思う。だいたい主要メンバーが他のバンドで忙しすぎるのもいけない。北欧音楽シーン全般に言えることだが素材がいいのにもったいないと思う。音的には申し分ないものの、真のプログレはなんぞやと考えると減点になり、プログレ度★は4つから3つへ。


アンビョルグ・リーエン プログレ度★★
日本にプロモで呼んだりしちゃって、あんなにプロモーションにお金をかけたのに、次に来日のために声がかけたら子育てに忙しくなっちゃって、結局今だにきちんと来日できてないアンビョルグ。俺が投資した予算を返せ。どうもタイミングが悪い。が、タイミングもアーティストが持っている運のうちだから仕方がない。それにしてもノルウェーの伝統音楽は彼女が来日しないかぎり始らないよな、といつも思う。旦那がプログレ志向で、中期のアルバムはプログレ度が高い。女性インストルメンタリストのアルバムって、パートナーによってあっちに振れ、こっちに振れ…ってのが大きすぎる! 旦那がプログレだとプログレになり、旦那がジャズだとジャズになり。しかしこのCDは良く売れた! 2,000枚くらい売れたんだじゃないかな。今じゃ考えられない数字だが。当時でもかなりのヒットだった。


ブッケネ・ブルーセ プログレ度★★
アンビョルグと旦那がやってるブッケネ・ブルーセもプログレ度高し。ほんとはトリオだったのに、旦那(シンセ)が入ってプログレ的美意識が上がった。


ドーナル・ラニー・クールフィン プログレ度★★★★
これこそ真のプログレッシブ・ミュージック。このバンドは短命だったのがホントに惜しい。でも2度来日しているから、あの奇跡のLIVEを見た人も多いはず。結局のところこのバンドを越えるバンドは、なかなか現れない。


ドーナル・ラニー・バンド プログレ度★★★★
もちろんその前身となったこっちの音楽も。April The 3rd 名曲です。
ドーナルはほんとにこのうねるリズムがクセになる。絶対にリズムを縦に入れて楽曲を台無しにしないところがいい。


クラナド プログレ度★★★★
初期のクラナドはアコースティック・プログレだし、ジャズだとも思う。ホントにかっこいい。この曲なんて最高にかっこいい。途中コーラスが入るところとか、何度聞いてもゾクゾクする。全体をささえるミホールのギターが最高。この時期にアイリッシュ・ミュージックに出会っていたかった!


マリ・ボイネ プログレ度★★★
サーミの女王。彼女がちゃんと来日しないとサーミの神髄は日本に伝えられないだろうと思う。歌が祈り。祈りが歌。本当に素晴らしい。ノルウェーに石油がなかったから、とっくに来日していただろうに。いろんな意味で惜しいノルウェー。しかし彼女は最高だ。たたずまいがメアリー・ブラックみたいで、私は大ファン。彼女が来てくれるなら私財投げ打ってもいいとも思う。(投げ打つ私財もないけれど〜)


2016年3月8日火曜日

テレビ朝日「その時「テレビ」は逃げた〜黙殺されたSOS〜」を観ました

テレビ朝日テレメンタリー「その時テレビは逃げた〜黙殺されたSOS〜」を観ました。いろいろ考えさせられる内容だったので、自分のためにもここにまとめておきます。番組見逃した方は、ぜひ。


「ガソリンもなく逃げられません。助けてください。食料もなくなります」5年前テレビ朝日に届いた大量のメール。多くの人が取り残された町。命をつなぐためのSOSでした。

メール送信者「 マスコミからも見放された」

 想像をはるかに越えた原発事故。私たちはパニックに陥りました。そして決めた1つのルール「指示があるまで取材は行わない」
テレビ朝日報道局幹部「あれだけ多くのSOSが届いていたのに、私たちはあの時、逃げてしまったんです」

番組が始りました。












 不安が広がっていた事故直後、政府が出した室内退避命令。「20km以上30kmの範囲の皆さんは外出しないで屋内に待機するように」

南相馬市。原町地区。町で唯一スーパーの営業を続けた石沢一二さん。「この棚のすべての商品がなくなってしまった」「自分が食べるものもどうしようか」

放射能への恐れから物資の運搬をするべきトラックが圏内に入ることを拒否したことで、すべての物流がストップ。ガソリンも極端に不足しました。

南相馬に取り残されたのは1万人以上。みんな窮地に陥っていました。食料が届いたのは屋内退避になって5日後。3/20、やっと物資が届いた日の写真を見る石沢さん。「必死でした」「生きなくちゃいけない、ってことで…」


3/12のレポート。津波に襲われた沿岸を取材していた私たち。このレポートの15分後、原発メルトダウンの情報が入ってきました。そしてこれが南相馬での最後の取材になりました。


 取材の全体指揮を取っていた宮川晶。「ついに起きちゃったのか、と」「スタッフの安全確保。とにかく逃げる、離れるしかない」

あの日、全ての取材クルーに送られたメール。沿岸部からの全面撤退を指示するメールでした。

 その後、退避指示の範囲が拡大。国が屋内退避を命じていたのは原発から30kmでしたが、テレビ朝日では少しでもそのエリアがかかる自治体は取材を禁止。国よりも広い範囲に制限をかけたのです。

取材制限を決めた関川修一(テレビ朝日原子力災害取材本部/当時)「30km圏、線をひいてあるわけではないので、どこまで30km圏なのか判断できない」

「最終的には宮城から茨城の一部までによる広大なエリアが生まれてしまいました」

当時、福島にいた千野壮太郎記者「実際避難された方から、どうして福島が報道されないんだ?って聞かれました。原発が爆発したことばかりで、実際に福島にいる人たちの思いが伝わらない、と」

そのあとアメリカが圏内80kmは立ち入らないように…と発表。どこが安全でどこが安全でないのかが不明瞭。そんな中、私たちは取材することを諦めたのです。

そもそも原発事故を想定した私たちの装備はあまりに脆弱でした。

関川氏「福島放送には空間線量を測るサーベイメーターは装備されてなかった」「個人もポケット線量計も電池切れで使えなかった」

宮川氏「いったん引くというのはやむをえなかった」「知識も経験も装備も情報もない」「ここで取材するな、というエリアを広げちゃったんですよね」

視聴者からのメール、13,000通のごく一部。「あとは餓死するだけですか?」「お腹には赤ちゃんがいるのに食べ物がありません」「どうか私たちを見捨てないでください」「テレビの力でもっと屋内待機区域への物資輸送を」「子供を生かしてやりたい」

但野光一さん。群馬へ避難しました。「住めば都みたいなところはあるので」「向こうもなくなったわけじゃないし…」「帰りたいときは帰ればいいし…」

私たちにメールを送った時の思いを聞きました。「外に出れない。家の中でテレビ見るくらいしかない。テレビを見ると計画停電…。こっちは計画停電もクソもない。あの時もTV局は入れないっていう事があったと思うんですよ。しかしながら我々はそこで生活するしかなかった」

テレビ朝日系列の福島放送は、室内からの電話取材と、もともとあったお天気カメラからの映像など使うなどして放送を続けました。






アナウンサーの笠置わか菜のブログには「早く来てください、なんで来ないんですか」という書き込みが殺到。でも返事が出来なかった。「伝えなくてはいけなくてはいけないことがたくさんあったのに、苦しんでいる人たちの情報を届けられない。悩みながらの報道でした」


スタッフの安全確保を理由に取材をやめた私たち。その背景には17年前の苦い経験がありました。1999年、JCO東海村臨海事故。放射線をあびた作業員が死亡する原子力施設の重大事故でした。この時の取材で私たちは見えない放射線に近づきすぎたのです。

宮川「想像も想定も出来てなかった。あんな施設のかなり近くまで行き、女性スタッフも行き、ヘリコプターでかなり近づいて空撮などをしていました」「これは駄目だろう、と」

この時の反省から作られたのがテレビ朝日の「原子力災害取材マニュアル」取材可能な空間線量の上限を毎時10マイクロSvに定めることにしたのです。

しかし5年前の事故では、50km以上離れた福島放送でもこれを越えてしまった。

椎野修次(福島放送報道局制作局長/当時)「毎時10マイクロSvを越えた時点で…これは経営の会議とも話し合ったことではあるんですが…屋内、社内からの電話取材に留める、ということにしました」「そして充分な情報の提供が出来なかった」

関川「あの時(東海村tの時)のルールで取材をするのは非常に難しいですね。当時のマニュアルでは、(福島の事故は)予見してなかった」

過去の経験が重しとなり、SOSに答えなかった私たち。

「“全然取材に来ないですけれど、大変なことになっています、助けてください”というメールが来ているのは分かっていて、結局無視してしまったわけで… 人が残されている。それを我々が無視したら、じゃあ誰がそれを伝えるんだ、と。オレたちが一番やらなくちゃいけない仕事なのに」



今も南相馬に住む廣瀬生人さん。テレビに失望し、いらだち、私たちにメールを送りました。「南相馬市民は怒っています。キャスター、カメラマンも来たくないのですか?」

廣瀬さん「カメラ貸すから撮ってこい、とか言うんだよね」「何言ってんだ、自分で来い、と。普通だったら行くんじゃないの? ベトナム従軍記者じゃないけど… やっぱり放送局もおっかながって来なかったのかね? 上司の人が行けとは言えなかったのかな…」











3月末も取材規制が継続されました。記者たちは葛藤していました。記者の水谷は上司に南相馬の取材を直訴しました。線量が低いことを理由に上司を説得しようとしたのです。しかし取材は認められませんでした。









無断で取材禁止エリアに入った記者。原発作業員の家族を取材しました。

「原発作業員の兄からは 全然連絡が来ていないです」「会いたいです。顔が見れたら。声が聞けたら」

彼女が避難していたのは取材禁止エリアの中。その場所で撮影することが出来なかったため、わざわざ別の場所に彼女を連れ出し、そこでこのインタビューを撮りました。

河本健太(テレビ朝日社会部/当時)「被災者の方はそこが安全だから避難しているわけじゃないですか。なのに、そこで取材できない、ってどういう事なの? 自分たちも不思議に思うし、この方も思っていたと思うんです。あんたたちがダメな場所に、私たちをそのまま取材が終わったら戻しに行くのか、と」

宮川「何かあった時に、きちんと見て来たい,それを伝えたい。そういう気持ちがなくなったら我々はおしまいだと思う。しかしながら取材スタッフの安全は確保しないといけない。今も答えはあまり… 難しいですけれど…」

そして4月。ようやく南相馬の取材を再開。町では少しずつ復旧が始ります。一方、沿岸部はほとんど手つかずの状態。記者の目に飛び込んできたのは、私たちが目をそらしていた現実。

そして今、いったん止まった原発が再び動きだす中、愛媛県伊方原発で防災訓練を実施。

かつて深刻な状況を経験しながら、国が再び想定する屋外退避。この場で何かあれば船でにげるしかない住民もいます。














私たちも原発の事故にそなえて訓練を始めました。想定外は言い訳になりません。社内の原子力取材マニュアルを改訂。装備も大幅に増強し高線量でも一時的に取材できる態勢にしました。

宮川「危険な取材をする,という意味ではなく、安全を確保しつつ、頑張って取材して報じて行く事を忘れてはいけないってことですね」

私たちは前に進むことが出来たのでしょうか。

あの時、私たちが黙殺した多くのSOS。

但野さん「今になれば、(メールを)送っておいて良かったなと思うんですよ。今からでも、こういうことがあったんだな、って分かれば」

「そして、じゃあ次どうするのか、と言うことですよね。絶対に次じゃないですか。あの時にはもう戻れないし」













以上、私が番組の録画を書き起しましたが、個人的な解釈が混ざっている可能性もあり。その場合は申し訳ありません。

しかしこんなにまで準備して原発動かさなきゃ行けない理由っていったい何なんだろう。まったく理解に苦しみます、

報道のあり方についても、いろいろ考える。こういうのを突き詰めると、そもそも記者というのはサラリーマンには無理ではないのか、とも思う。でも個人には大きな予算はしょえないし。いったい報道ってなんなんだろう。例えば戦地の取材なども、巨大メディアは、今やフリーランスの記者にほとんど任せっぱなしだと聞く。

しかしこの番組を作った事は素晴らしいと思うので、それを少しでも応援するため、ブログにまとめてみました。