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2017年7月1日土曜日

映画「きっといい日が待っている」を観ました


映画「きっといい日が待っている」を試写で拝見しました。ありがとうございます。1960年代のデンマークのが舞台。いわゆる自国の黒歴史を素晴らしい映画チームが撮った。いや〜〜パワフルな作品でした。本当にすごいよ!



うーん、この予告編はやたらポップに作ってあるけど…そうね、このくらい明るくしないと多くの人に見てもらえないかもね。(また映画宣伝についてあれこれ言う批評家が多く登場しそうな気がする)いずれにしても、この映画は真剣な映画だ。正直、目を覆いたくなるような虐待のシーンがたくさん出て来る。ありえない、ホントにありえないくらい酷い世界。

海外のポスターは有名俳優である2人をフィーチャー
お母さんが病気で施設に預けられた13歳と10歳の兄弟エリックとエルマー。弟エルマーは宇宙飛行士を夢みる。実際のアポロ着陸の様子とシンクロしながら物語は進む。それにしても最初の方は本当に見ていられないくらいのひどい暴力と虐待の連続だ。将来何になりたいか答えさせ「宇宙飛行士」といったとたん「バッチーン」みたいな物凄い平手が飛ぶ。特にお母さんが亡くなった連絡を受けた後の兄弟の食事のシーン。もう辛くって見てられないよ。そこにいる大人たちは、そして年長の子供たちは、どうして人間性をこんなにも簡単に失うことが出来るのか。いや、彼等を攻めるのも違う…。とにかく暴力やこういった権力の暴走はいつでもありうる、という事なのだ。そんな恐ろしさをひしひしと感じる。そんな中でもピュアな感性と夢を失わない兄弟(特に弟)。それにしても、こんなひどい事が実際に行なわれていたとは信じられない。でも最後はとりあえずハッピーエンドと言って良いだろうか…そういったエンディングが待っているから、その点では安心して見てください。2時間あまりの作品でしたが、あっという間に感じられました。すごいです。アイルランドのカトリック系の学校で実際にあったいじめや虐待など、それを思い出させるものがあるね…。それについての映画もいくつかあるけれど、どれも傑作だ(「あなたを抱きしめるまで」「マグダレンの祈り」など)。

ちなみに、すでにこの話が実際に起こった60年代の後半の時点で、デンマークにおいては法律で児童による虐待は禁止されているのだ、一応。だから児童施設にも調査員がやってくる。でもそこは癒着でドロドロで、でも新しい調査員が抜き打ちでやってきたり、少しずつ風穴があいていく。そんな風に法律で禁止されていたはずのデンマークでこれなのだから、きっと他の国ではもっとひどかったろうと想像する。

…という、題材というかネタのショッキングさの方にひっぱられて映画そのものを評価するのを忘れてしまいそうになるのだが、映画のクオリティとしては、もう超最高です。いやーーーーー、それにしても俳優陣、もう最高にサイコウに!!!最高に素晴らしいです。ホントウにすべてを持ってかれました。しばらく試写室を出てからもボウゼン!!といった感じでした、わたし。

まずは校長先生。超悪役をもう最高に悪役に演じきり、もう問答無用の超悪い奴にしか見えない(笑)。ホントにホントにホントに許せない。そして影ながら兄弟の力になる女性教師役の女優さん。すごく有名な人なんだって。あぁ、もう気持ち分かる!!!!っていう押さえた演技が超・光ります。彼女ももう圧巻! そして!!しかし!!!何よりやばいくらい最高に最高に最高に素晴らしいのは弟エルマー役の男の子。もうすごい!!!!!としか言いようがないです、ホントに!! とにかく最高に素晴らしい。これ以上の適役はないのではないでしょうか。お兄ちゃんも頑張っているけど、やっぱり弟かな… とにかく可愛く、とにかくピュアで、最高に素敵な小さな俳優さんのこれが映画デビュー作。あぁ、それから何かと兄弟を気にかけてあげるお友達役の彼も良かったなぁ。

兄弟に弱いのよ…オレ
そして脚本がすごくよく出来てる。テンポが良く話がどんどん流れて行く。しかし気持ちは丁寧に描かれており映画としても200%楽しめます。(いや、楽しくない映画だけど)そして、なんというかスリリングな話の展開など、ハリウッドの大作映画に負けないくらいの素晴らしい作品でもあります。もちろん内容はヘヴィだけれど、本当にすごいわ、この映画。北欧の映画だと言って軽くみるなかれ。一流の映画ですから、これ。

東京では8月5日より恵比寿のガーデンシネマにて公開になる。もう絶対に絶対に絶対に観て!!!!

PS
あ、あと忘れちゃいけないのは、デンマークですらこういう黒歴史を経て,今の厚い児童福祉社会を作り上げた、って事だよね。過去の過ちを反省し、改善していくのはとても重要。この映画の制作陣に、そしてつらい思いをしたけど頑張って生きていく子供たちに拍手を…