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2017年11月19日日曜日

バルトロメイ・ビットマン『新構築』本日発売!


渋谷のタワーレコードさん、ありがとうございます〜

試聴機にも入れていただきました!!








でもまだオーダーが入っていない店も多く、まだまだ営業続行中です。

本日からチーフタンズのメンバーも少しずつ到着し、忙しい!!!

頑張ります〜

CDはこちらでも購入いただけます。

2017年11月18日土曜日

アンビョルグとローゲルの演奏にうっとり…


数日前に公開された7月のフォルデ・フェスティバルのガラ・コンサートでの映像。いや〜、素晴らしいわ。特にアンビョルグ・リーエンとローゲル・タルロート(ヴェーセン)のデュオ。もう気に入って何度も何度もみちゃう。このリンクで直接曲頭に飛べます。

最初のローゲルがステージ後方から登場するところなんて、とっても素敵よ。



こうしてみるとヒールをはいているとはいえ、アンビョルグも大きいよなぁ。180cmくらいあるんじゃないかしら。194cmのローゲルと並んでも全然小さくない。そして美人よねぇ。ローゲルもアンビョルグと一緒だと、ちょっといい男に見える。かっこいい!!

それにしてもこういう演奏って、余裕のある人じゃないと出来ないよね。本当にアンビョルグは素晴らしいわ。ハダンゲル・フィドルの演奏家って何人かいるけど、やっぱりNo.1のアンビョルグが来ないと何も始まらないわな…。あぁ、また来日してくれないかなぁ。

ちなみにこの2人について言えば、オープニングのサーミの女性シンガーとの共演も素敵よ。ちなみにこのElle Marja Eiraさんというシンガーは、ICE STATION VADSOでピーターやスコットたちとも共演経験がある人。なんとICE STATIONチームとヴェーセンがつながった?! 地球は狭い!


ちなみにローゲル作曲のこの曲はこのCDにもヴェーセンのヴァージョンで収録されています。こちらで購入いただけます。

「特別授業“死”について話そう」を読みました

14歳から大人まで読めるエッセイ集みたいなシリーズのうちの1冊。「14歳の世渡り術」というらしい。

うーん、14歳で世渡り上手になっちゃいかんだろう、と思いつつも何故この本を買ったかというと、もちろん角幡唯介さんが参加しているからなのだが…

しかし、内容も装丁は悪くないんだけど、前書きかなんか付けて「これは書き下ろしです」と、もう少し明確に書いておくとか出来なかったのかな、と思う。最後の広告で「書き下ろしシリーズ」とあって、そうか、これは書き下ろしなんだとやっと気づく次第。

せめて「これらのライター陣にはこういう形で発注してます」とか、もう少し編集がどういう気持ちでこの本を作っているのかが欲しかったな。パッケージという1つのまとまった形における読者への親切なガイド…が、足りない。これでは、あまりにも編集の作業をしていない。というのも、この本はただでさえ一貫性にかけるというか、あまりに1つ1つの文章の調子が違いすぎて、とても読みづらいのだ。「それがこの本の面白いところだ」と言う人もいるかもしれないのだが、編集者はいったいこの本をどういう人に向けて発信したいと思ったのだろうか。私にはその意図がまるで読めなかった。明らかに1つをのぞいて14歳向けには作られていない。人気のあるライターを並べて、それぞれのライターのファンが買えばいいという意図のもと作られた安直な本だと思われても仕方ないのではないか。すみません、のっけから厳しいこと書きましたが、正直にそう感じたのでした。

先日のディーリアス本とかの、なんというか、こうあまりにも美しいパッケージとしての、最高の完成度などに接した後には、こういう本はどうなのかと思う。確かに1,200円という超努力の値段は評価すれど、そもそも1,000円以上払って、こういう紙の本を持っている意味があるのかな。とにかく1つ1つがあまりにも調子が違いすぎて、大人はいいのだが、子供は混乱するのではないのだろうか。いや、14歳だったら大丈夫か…。

しかしお目当ての角幡唯介さんの文章は最高でした。角幡さんはここでもすごく角幡さんで、角幡さんを角幡さんたらしてめている「角幡唯介性」みたいなものは超満喫できる(笑)ちなみにツアンポーで死にかけた体験が書かれているのだが、まるでいつもの角幡さんの文章で、新しいことは何もなかった。ま、でも角幡さんはこれでいいのだろう。角幡さんはそもそも共感を得るために書いているのではない。そこがいいところだ。でも角幡さんがホントに14歳向けに、普段と違うスタイルの文章で書いたら、それはそれで面白かったのではないかとも思う。ま、でもそういう器用なライターってのとも角幡さんは違うから、これはこれで良いのであろう。というか、逆にこの文章に感銘を受けて14歳が角幡さんの『空白の5マイル』などを読み始めたら、それはそれで素晴らしい。そうなのだ、場は変わっても,自分は自分に正直に。しかしまるでロック・ミュージシャンみたいだな、角幡さんは…(…と、勝手に解釈して落ち着く/笑)

いずれにしても角幡さんのところだけ速攻で読んで、あとは積ん読になっていたので、先日お風呂の中で読んだり寝る前に20分だけ読みたい時に読む気楽な一冊として、再びこの本を手に取った。

角幡さんも最高に良かったが、酒井順子も同様。私の好きな人たちは場所が変わっても、いつもスタイルが変わらない。でも酒井さんこそ普段と違う酒井さんの文章を読みたかったよなぁ。一方で、他の執筆者たちは、実は知らない名前も多く、正直「なんだこれ、分け分らん」みたいな文章もあった。平仮名を不自然に多用した文は私は苦手である。あれはどういう意図を演出しているのだろうか。可愛い子ブリッ子?(死語)TwitterやSNSもそのスタイルで書く人いるけど、なんか自意識過剰というか、うっとおしいというか… 何が言いたいんだ、これ…と思ってしまうガサツなオレ…。はい、傷つきやすい人、ホントに苦手。

一方で最高に面白かったのは「生物」の先生『ウンコに学ぶ生き方・死に方』を書いた伊沢正名先生。いや〜食物連鎖ってこうなってたのかと妙に開眼。腐ることの大切さ、そして生きるということ=命をいただくという考え方。かなり面白かった。それにしても大人になっても人間はウンコの話が大好きだ。先生は野糞愛好家で(笑)21世紀になってからまだ一回しかトイレでウンコをしていないそうだ。もうなんだかそれだけで嬉しくなってしまう。野糞のように、命を返し、生きて来た責任を果たす喜びは、本当に生き物として大切なのだ。長生き=幸せと人間は勘違いしていないか…というごもっともな話で納得感マックス。

そして「介護」の先生「14歳の看取り…死にゆく人のためにできること」も良かった。川口有美子先生。特に14歳のあなたに出来ること、と言って14歳でも出来ることが列挙されているのには妙に安心した。それは例えば:*お祖父さんのそばで宿題をしたり一緒にテレビを見ること *自分の学校や友人のことなど話す(相手が聞いていなくても)*お祖父さんがしてくれたことを思い出して話す *妹や弟の面倒をみる…などなど。とにかく読んでいてすごくホッとした。この先生がいいのは、読者がしっかり14歳だと定められているからだ。こちらも読んでいてこちらも安心だし、なんだかすごく心が落ち着いた。

あと「現代社会」の「死を知らぬまま、死を“操って”」を書いた遠藤秀紀という先生も面白かった。「現代の高度医療は、人に幸せをもたらすことに関してはほとんど無力だ」という言葉が、とても力強い。確かに高度の治療は命を延ばすことは出来るが、本人の幸せはまったく違うところに存在している。そんな医療の無力感みたいなところから始まっているのが、すごく信頼できた。

ま、正直に書きました。本1冊というのは、でも文章の固まりである以上に1つの作品だし、1つの世界のプレゼンテーションだよね。 ま、そもそもこういう書き下ろし/発注内容不明/オムニバス形式の本を読んだこと自体、私には向かなかったのかも。でもとにかく「野糞の先生」は気に入ったので、本を探してみようと思う。
 

2017年11月17日金曜日

来日までもうすぐ:チーフタンズ物語 (20)

チーフタンズ、本で紹介された後の、それからの20年をざっくり紹介すると…

1997年
「サンティアーゴ」 ★グラミー賞受賞



1998年
「Fire in The Kitchen」
カナダのアーティストが参加。

「Long Journey Home」★グラミー賞受賞
TVシリーズのサウンドトラック。ヴァン・モリソン、メアリー・ブラック、シネイド・オコナーなどが参加。



「Silent Night - Christmas in Rome」

1999年
「Tears of Stone」
女性シンガーやアーティストをフィーチャーした大傑作。ロリーナ・マッケニット、矢野顕子、ジョニ・ミッチェル、アンビョルグ・リーエン他



2000年「Water from The Well」★グラミー賞受賞
アイルランドに立ちかえって地元のアーティストを紹介した作品。

アルタンとの共演、いいですねぇ〜 もちろんヴァンとの「County Down」も。


アイリッシュ・ミュージック・マガジン誌 特別功労賞受賞

2001年
ロンドン「シンガーソングライター&作曲家協会」より金バッジを受賞。

2002年 デレク・ベル他界。
英国BBCラジオ2・フォーク・アワード 特別功労賞受賞。

2003年
「Down the Old Plunk Road」★グラミー賞ノミネート
ナッシュビルで録音されたライヴアルバム。
米国IBMB(国際ブルーグラス協会)年間最優秀録音イベント賞受賞。

2006年「Live from Dublin : Tribute to Derek Bell」

2006年 これまでの功績が称えられ、チーフタンズがアイルランドの記念切手になる。



2010年「St Patricio」




2010年 パディ・モロー二、これまでの功績を称えられ米国のナショナル・アーツ・クラブの名誉勲章を授与。

2011年 英国エリザベス女王の前で演奏。
エリザベス女王の初の歴史的アイルランド公式訪問時に、エリザベス女王前でチーフタンズがコンサートを行った。
 

NASAの女性宇宙飛行士キャディ・コールマンが、国際宇宙ステーションでパディとマットの楽器を演奏した。




 
2012年「Voices of Ages」 パンチ・ブラザーズ、楽しそう!!!!



メキシコ政府より、パディ・モロー二がメキシコ最高の文化賞「オトゥリ賞」受賞。 

マーティン・フェイ他界。

2013年 スペイン・ガリシア政府より、最も栄誉ある文化賞「カステラオ勲章」授与。

2014年 ショーン・ポッツ他界。

そしていよいよ、まずは日曜日にパディが来日します!!! お楽しみに〜


チーフタンズ来日公演の詳細はこちら。

11/23(祝)所沢市民文化センターミューズ アークホール
11/25(土)びわ湖ホール
11/26(日)兵庫芸術文化センター
11/27(月)Zepp Nagoya
11/30(木)Bunkamura オーチャードホール 
12/2(土)長野市芸術館メインホール
12/3(日)よこすか芸術劇場
12/8(金)オリンパスホール八王子
12/9(土)すみだトリフォニー大ホール



2017年11月14日火曜日

来日までもうすぐ!:チーフタンズ物語 (19)

(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)からの続きです。この本から紹介するチーフタンズの物語の最終章になります。

 ★

「ロング・ブラック・ヴェイル」は大ヒットし、今までで一番売れたチーフタンズのアルバムとなりました。アメリカの新聞はこぞってこの作品を絶賛し、2週間のうちにビルボードのチャートで24位まではねあがり、イングランドで2万、日本でも1万(最終的には2万くらい売れたって聞いたことあります。このジャンルではすごい大ヒット)売れていました。

ローリングストーン誌「チーフタンズは知らず知らずのうちに30年以上もワールド・ミュージック・ブームの予言者として活躍し、世界中をまわりながらナッシュヴィルから北京にいたる地元の音楽とアイルランドの音楽が相容れるものであることを強くアピールしてきた」

ニューヨークポスト紙「チーフタンズのチーフ、パディ・モローニとそのバンドがどんな魔法を使って共演者たちから最高の演奏を引き出したのか、まったく想像すらつかないのだが、とにかく彼はそれを成し遂げている」

そして1959年に[ロング・ブラック・ヴェイル]を書いた当人のマリジョン・ウイルキンからの賛辞「あれを聞いた時、誰もそばにいてほしくないと思いました」「いにしえのケルトのメロディをスティングが歌うのと並んで、あの歌を聴いた時、私はただ座り込んで泣いていました。私にとっての文化的な遺産が1グラム残さずあのメロディから流れ込んできたのです」

とはいえアイルランドでは伝統音楽純粋主義者からの厳しい批判もあったようです。チーフタンズはポップスのスターたちの客を前にして、後部座席に引っ込んでしまった、と。

「しかし彼らにはもっと成功してほしい。検閲はもうたくさんだ。音楽の核心部分が生き延びるためには、保護されたり隔離されたり、あるいは集中治療室に入れられなければならないというのなら、結局生き延びることなどできないと私はこれまでも公言している。音楽のコアは開かれた市場で風に耐えなければならないし、チーフタンズがオープンな市場を見捨てることはないと確信している」と、とある音楽ジャーナリストは話しています。

またチーフタンズは、この年、オクラホマのチョクトー部族連合から名誉酋長の名誉を受け取ることになります。これはアメリカ・インディアンの諸部族以外には贈られたことのない名誉な賞で、150年前、この部族がジャガイモ飢饉の援助資金として175ドルをアイルランドに送ったことまで遡るそうなのです。素敵ですね。

(c) The Chieftains Web Site
そして大統領ビル・クリントンはセント・パトリックス・デイのホワイトハウスにチーフタンズを招待するのですが、残念ながらこの日はニューヨークでマリアンヌ・フェイスフルとのコンサートが入っており、チーフタンズは招待を断ります。なんとマリアンヌとはこれだけ仲良しなのに一緒のコンサートは初めて。

そして4月までに「ロング・ブラック・ヴェイル」はアメリカでゴールド・ディスクとなり65万枚を売り上げ、どうやら100万枚になりそうな勢いでした。パディは言います。「頑固な保守主義者は僕らが気に入らないようだが、100万人の新しい友達が出来た」「世界の主な指導者たちはティン・ホイッスルを覚えてパーティをすればいいんだ。そうすれば世界はもっと楽しいところになる」(これ、この前の来日時のトークショウでも言っていましたね。トランプもプーチンもティン・ホイッスルを吹けばいいんだって)

そしてパディはまた次の作品に向けて準備をはじめます。次の作品は「ケルティック・ウェディング」のブルターニュに続くガリシアでのレコーディング企画でした。カルロス・ヌニェスが当然企画の手伝いをしたわけですが、本来スタジオには20人しかミュージシャンを呼んでないのに150人近く集まってしまい大パニックに。そしてその数ヶ月後、今度はロサンゼルスで、ロス・ロボスとリン ダ・ロンシュタットとともにレコーディングを始めます(これはまたのちのアルバムに収録されることになります。こうやって出来る時に録音を少しずつ進めておくんですね。さすがパディ)

その後も「ブレイブハート」のサントラに参加したことから、プレミアショウに出演したり、ドン・ヘンリーの結婚式に参加したり、ひたすらチーフタンズは大忙し。ジャクソン・ブラウンらとも旧交をあたためたり…。「アップテンポのアイリッシュ・ジグは心配事を綺麗に洗い流してくれるんだ」とヘンリーはいいます。「あの音楽にはどこか原始的なところがあって、人の心の奥深いところに触れて来る。それだけではなくチーフタンズがこれだけ長い間生き残ってきたのは、演奏する音楽の質が高いこと、時を超越しているからだと思う。そしてやり手のパディ・モローニのエネルギーとねばり強さも一役買っていることに間違いはないと思う」ここでもチーフタンズはまた新しい映画や音楽関係者と人脈を広げることになっていくわけです。

そしてサラ・マクラクランとのツアーも楽しいものになりました。サラは特にデレクが大好きで、コンサートでの最後のデレクのソロの時にこんないたずらをしかけたそう…。「デレクはいつもあの同じ赤いセーターを着ているでしょ? だから彼がピアノソロを弾いている時、20人くらいのクルーが出て行って同じ赤いセーターで踊るの。彼には大受けだったわ」そしてチーフタンズの仕事ぶりはものすごいとサラも言う。「あの人たち狂ってるわ。私はまだ27歳だけど、あのツアーでくたくたになった。あんなにすごいのは音楽が好きで好きでたまらないからじゃないかしら。あのエネルギーは信じられない」



パディはこの時点で57歳。しかしペースを落とそうという気はまったくない様子。

そしてパディはまたグレイトルフル・デットのギタリスト、ジェリー・ガルシアに電話をかけてガリシアのアルバムに参加してくれないかと持ちかけるのです。このアルバムには「サンティアーゴ」というタイトルがついていました。ガルシアのお父さんはガリシア人で、母親はアイルランド人だということをパディは聞いていたのです。ジェリーは入院中だったのだけど、次の土曜日には連絡をくれる約束になっていました。「で、僕はジェリーにやってもらう曲を作りはじめたんだ。そしてその2時間後、ジェリーが亡くなったという電話をもらった。まったく不思議だ。ジェリーズ・チューンというタイトルをつけてトリビュートとして演奏したんだよ」

この頃までには「ロング・ブラック・ベイル」は160万枚売れ、アメリカではプラチナ・アルバムになろうとしていました。その後もWBOチャンピオンのテーマ曲になったり、パバロッティのチャリティ公演に出演したり,その合間をぬってロリーナ・マッケニットをつれて日本にやってきたり、とにかくバンドは大変な忙しさでした。

96年はチーフタンズがもっとも成功した年の1つで、「ロング・ブラック・ベイル」はタイムとニューヨーク・ポストの2紙で年間ベストアルバムに選ばれます。また「ベルズ・オブ・ダブリン」はアメリカでゴールドを獲得。再びチーフタンズはグラミーにノミネート。

この時のノミネートはヴァンとの「Have I told you lately」で最優秀ポップ・ヴォーカル。そして「ロング・ブラック・ベイル」が最優秀コンテンポラリー・フォーク・アルバム、そして映画「くまのプーさん」のサントラが再優秀児童向けアルバムを受賞したのでした。

(c) Chieftains web site

パディは受賞できるとしたら「くまのプーサン」だけだと思っていたそうです。というのもヴァンとのトラックのライバルは、マイケル・ジャクソン、ジャネット・ジャクソン、ボーズⅡメン、マライヤ・キャリーというすごいメンツが並んでいたから。名前を呼ばれてパディは何のことだかまるで認識できなかったそうです。マネージャーのサムが立ってたって!!と叫ぶのを聞いて我にかえった。すっかり舞い上がってしまったパディは考えていたスピーチも忘れ「ええと、ぼくはアイルランドという小さい島の出身です。そしてこの受賞はアイルランド人のためにいただきます」とだけ、言ったそう。翌朝の新聞は有頂天で「チーフタンズ、ジャクソンズをうち負かして受賞」というタイトルが踊ったそうです。ポップス部門で受賞したのは本当に仰天したよ、とはパディ。いや〜、ホントにすごい!!!

以上で、この本に載っている部分のチーフタンズの物語は終了です。このあとは簡単にその後、さらなら20年を1回分にまとめました。ここまで読んでくださった皆さん、ありがとう。さぁ、ツアーが始まります。プランクトンの皆さんと一緒に現場に行くのが楽しみ。みんな、がんばろうね!!

チーフタンズ来日公演の詳細はこちら。

11/23(祝)所沢市民文化センターミューズ アークホール
11/25(土)びわ湖ホール
11/26(日)兵庫芸術文化センター
11/27(月)Zepp Nagoya
11/30(木)Bunkamura オーチャードホール 
12/2(土)長野市芸術館メインホール
12/3(日)よこすか芸術劇場
12/8(金)オリンパスホール八王子
12/9(土)すみだトリフォニー大ホール



2017年11月13日月曜日

幸せなケンソー。素敵なコンサートをいつもありがとう!

昨日のケンソーの公演は最高だった。皆さん、おつかれ様でした。

しかし素晴らしい。外タレみたいな値段のチケットを、あんなにたくさん売れるケンソーは、間違いなく日本で最大級の動員を誇るプログレバンドだ。昨日はDVDボックスの発売もあって、我が物販チームもすごく忙しかった。昨日はプロの売り子さんが2人もついてくださったが、開場してから1時間、ノンストップ。(いつも45分はノンストップなのだが…)

それにしても素晴らしい。そんな大規模な公演をやっているのいうのにケンソーにはすべてにおいて音楽愛がちっとも失われていない。

忙しくてまるで公演が観れなかった。「海」と「美深」と「空にひかる」はかろうじて聞いたが,古い曲ばっか聞いて泣いてるの、私だけじゃないかと思った。新曲もたくさんやり…というか、新旧のキャリアから万遍なく選ばれた楽曲群は、ケンソーの素晴らしさを充分にあらわしていた。 「最終章」と言うが、最後の最後までそんな風に全速力で走るのもケンソーならではなのだろう。

ウチのCDもたくさん持っていったら(ヴェーセンとかルナサとか)なんだかんだで結構売れた。買ってくれたお客さん、ありがとうございます。本当に感謝だ。

それにしても良かった。次のライブは…3年後かな? 4年後かな? でも「ホントに無名で」「誰も知らないバンドで」って言い続けてきたけど、それはあくまで音楽がこれだけ素晴らしいのに、という意味で、なんかこれで充分幸せなんじゃないかな、とか思ったりもした。

清水さん、メンバーの皆さん、マネージャーのハナエちゃん、ステージスタッフの皆さん、そして素晴らしいチッタのスタッフの皆さん、おつかれ様でした。

今朝は身体中が痛い… とほほ。


2017年11月12日日曜日

木村智明 & スペシャル・フレンズ コンサートに行ってきました



昨日の午後は前橋まで行ってきた。群馬県も赤羽から行くと、すごく近い。最近ひょんなことでお知り合いになったピアニストの木村智明さんの公演を観に行くためだ。今回は木村さんのピアノにマリア・ヴォシュチョヴスカ(ヴァイオリン from ポーランド)、マシュー・フーバー(チェロ from 英国)が加わった演奏となる。

最初はマシューのバッハ無伴奏で始まり、後半にはマリアと木村さんとのスリリングなブラームスのハンガリー舞曲が演奏されるなど、1曲目こそマシューのソロだったけど、あとは木村さんが、2人の演奏をバックアップしていく感じ。もちろん木村さんのソロ:ショパンも素敵だった。とにかく、いろんな楽曲がプログラムされていて飽きることがなかった。

たいていのロック・バンドはまず友達ってのが前提にあって、そこからバンドが始まるのだけど、クラシックの公演では、そういう友達同士の有機的な「一緒になんかやろうよ!」的な活動は、もしかしたら珍しいことかもしれない。でも、これは、いわゆる「友達」同士の公演。

木村さんは最初マシューと知り合ったのだそうで「こんなすごい演奏家の人がいるなんて、とびっくりした」と語る。そしてのちのMCでは「マシューとマリアは付き合ってるんですよ、でもそれ言っちゃうと、どっちかが下手くそだと思われちゃうといやなので…」なんて話してらしたのにも笑った。でも友達なのが最初ってのは、いいことだ。 音楽よりも人間としても結びついている3人の、友情をそのまま音にしたような音楽だった。心が共鳴していなければ、一緒に音楽なんか奏でられない。

木村さんのステージは小さなライブハウスで観ても,大きなコンサートホールで観ても、人間・木村さんそのものだ。今は英国(ライという素敵な村に住んでらっしゃる)に拠点を構えている木村さん。木村さんの音世界がそのまま描き出されたステージに、風が冷たい土曜日の午後だったけれど、本当に温かい気持ちになった。特にアンコールでのトリオの演奏は多幸感に満ちたもので、こちらも幸せ一杯。友達っていいねぇ〜。

CD買おうと思っていたのに、なんと一瞬で売り切れてしまっていたみたい。木村さん、素敵な音楽をありがとうございました! これは昼間の公演だったのだけど、夜は別のコンサートに行く予定だったので、早々と会場を後にした。

木村さんのブログがいいんですよ。これまた音楽同様、木村さん、そのものって感じ。このフジコ・ヘミングさんのエピソードなんか最高(笑)



駅の看板でこれを見かけ、なんとか食べて帰れないものかと思ったのだが、名店はどこもランチのみという非常さ。うーん、次回は必ず!!!

高崎から快速のグリーン車に乗って、せめてもの「峠の釜飯」(笑)

絲山秋子さんのお膝元、高崎…。絲山さんの犬にも会いたかったのだが。

あいかわらずの美味さ〜

ご馳走様でした。容器は持ち帰る派です(笑)久しぶりにこれでご飯炊くかな…

2017.11.19 バルトロメイ・ビットマン「新構築」リリース決定!


じゃーん!!! はい、リリースします、このCD。CDが売れないことが言われて、だいぶたつし、自分でも「CDをリリースするのは、もう辞める」と思うわけですが… このCDがウチのレーベル最後のリリースになるかもしれませんが、とにかくリリースします。

輸入盤に帯/解説付き。タイトル「Neubau」をそのまま「ノイバウ」とかにしようかと思ったんだけど、このドイツ語読みがそもそもオーストリアで正しいのか裏を取る時間がなく、レーベルおよびアーティストに確認したら意味は「New construction」「New building」という意味でらしく、思い切って「新構築」と付けてみました。どうでしょう…

ま、タイトルはともかく、これ内容がめっちゃいいんですよ!!! バルトロメイ・ビットマン。最初に彼らをFacebookで見つけて、でも最初はあんまりピンと来なかった。でもCDをDLで購入して聞いたら、この曲が1曲目で、もうなんだかこの曲で私は彼らに惚れてしまったのだ…



すみませんね,スローな曲、好きなんですよね…。で、この作品にはもう1曲亡くなったアーノンクールに捧げられた「アーノンクール」って曲もある。これも、すごく綺麗で、もうチェロが低くなるところとか最高なんだわ…

ってなわけで、もちろんこの下の曲を中心にかっこいいスピードのある曲の方が多いんだけど、テクニックのある人に、スローでシンプルな曲を演奏されるとやられるのよ…ホント…って感じです。



というわけで大好きな作品です。ちなみに19日にはパディ御大が来日し、私はツアーのお手伝いで忙しくなるので、通販/発送が遅れたらすみません。ツアーの合間に帰宅した時にやりますし、19日より前にオーダーいただければ、速攻発送いたします〜。また、今,レコード店にも必死で営業をかけているので、たぶん大型店舗には入ってくれると思います。THE MUSIC PLANTのCDショップでは、もう発売しております〜 こちらへどうぞ。

ファーストも同時入荷。

どうぞよろしく!!! 

井上靖「氷壁」を読みました。

読んじゃったわ。時間ない時に限って読書したくなるのよね… でも面白かったよ,この本。井上靖大先生の「氷壁」。名作の1つに入るんだろうなぁ。スイスイ読めて、読むのは楽しかったけど、なんか70年代のドラマみたい…とか思った。

…ら、やっぱりドラマ/映画になってたよ! 




ただ山岳小説の必須事項…何故、人は死にそうな目にあってまで山に登るのかとか,そういう事の書き込みが弱いと思った。(…なんて、私、巨匠になって感想をっっ!?)

それに登場する女が、みんなうっとおしいし、私の好みではなかった。でもこの小説が最初に発表されたのは、新聞連載だったようで、なるほどなーと思った。話に起伏があり、とにかく読み続けることはまったく苦ではない。とにかくNHKオンデマンドあたりで、間違って昔のドラマ見ちゃいました…的なノリなのだ。

まぁ,この当時は(も)小説がドラマ化されるって、作家に取って大事な事だったのかもしれない。

ストーリーは、こんな感じ。小坂とペアを組んで氷壁を登っていた魚津だが、ザイルが突然切れて小坂は転落死してしまう。このザイルが切れた原因を巡る物語。ザイルが切れることが本当にあるのか? 小坂は実は人妻と不倫していた。そのことで悩んでいたのでその果ての自殺だったのではないかという説も出る。いや、山の男がいくら死にたかったとしても、そんな死に方をする訳が無い。そしていつしか魚津もその美しい夫人に惹かれていく。でもって、小坂の遺体捜索、ザイルのテスト、書きたてる新聞報道、そこに小坂の妹とやらも登場し、この彼女は兄が魚津のことを褒めるのを子供のころから聞いているせいか、魚津をヒーロー視して、(当時は珍しかったであろう)女の方からプロポーズ。…みたいな。悩む魚津はそんな気持ちを抱え、山へと向うのであった。

なんでこれを読み始めたかというと、「神々の山嶺」を読んだあと、角幡唯介さんの書くエッセイを再読したからであった。そのエッセイを読んだら 「神々の山嶺」のネタもとになった(らしい)この井上靖の小説も読みたくなったのだ。

でも角幡さんがエッセイで言うとおり、ストーリーラインは非常に似通っているが、主人公の心情的なものがまるで違う。「神々の山巓」の方は下界の女になど惑わされない、すさまじいまでの登山野郎が主人公だ。ちなみにあまりにすごすぎて、私には「漫画」っぽく感じられてしまったのだが、とにかくそのくらい突き抜けている。角幡さんの言うとおり、夢枕獏はこの「氷壁」を読んで、地上の次元の低いあれこれの象徴である女に惑わされ、最終的には判断を誤って死んでいく主人公にイラついたのではないだろうか。

一方の 「神々の山嶺」も 「神々の山嶺」で、超人気だ。読んだと言ったら、結構音楽の趣味があう男友だち2人から「めっちゃ良かったでしょう!」と言われた。凄い人気の本だ。いや〜、うーん、まぁ私かに面白かったのは間違いないけど、私にとってはあれは「漫画」だったな。間違いなく「少年漫画」。そしてこの「氷壁」は「70年代のテレビドラマ」である。

しかしこう思えば本も進化してるのね。クラシックな名作もいいけど、結局は絶対に後に書かれた物の方が面白い。今はフィクションだって、もっと現実的で面白いんだよ。これあまりにも安いドラマっぽくって、主人公の俳優さんの顔まで浮かんじゃったよ。女性は大原麗子とか…さ。

拡大してちょっと読みどうぞ〜
と、悪口を書いたように見えますが、いや、面白いことは間違いないですよ。でもなーんにも残らない。…すみません、巨匠の名作に。でも私は角幡さんの作品の方が同じ時間を使うなら、圧倒的に好きです。スタイルが全然違うから比較にならないのだけど、でもついつい比較しちゃう。ただこの「氷壁」の中では唯一、主人公の上司である東京支店長が面白い人で、時々彼の言葉にはハッとさせらるものがあった。井上靖が彼の口を借りて、あれこれ言いたいことを書いたに違いないね。

特に不倫相手の奥さんの旦那でもあるジイさんとの会話は最高だった。そこに出て来る。その人がお金持ちだったかどうかというのは、その人が亡くなり棺を閉じる時、使ったお金で判断される、と。お金持ちでお金をたくさん儲けた人でも、棺を閉じた時、お金を全然使っていなければ,その人は貧乏。一方で犯罪をしようが、泥棒をしようが、借金をしようが、お金を使った人はお金持ち、という発送。なるほどねぇ…

とにかく70年代のテレビドラマみたいな作品を読みたい人にはおすすめです。新田次郎の「アラスカ物語」とかもそうだけど、このテの作品は私はどうも苦手みたいだね…

 

2017年11月11日土曜日

ジュリアン・ラージ&クリス・エルドリッジ、ライブ最高に良かった!!!



良かった!!!

なんというか、レイドバックな感じなんだけど、ビシッと決めるところは決まった、って感じの音楽だったよ。不思議なコード感は1人がジャズの人だからかな。クリスの声もいいけどさ、とにかくギターの音にうっとり。

うっとり&ゆったり聞いていると、ジュリアンの方からもクリスの方からも、なんかソロの時とか「おおおっ」みたいなフレーズがそこここに飛び出し、思わずこちらも背筋がのびる。ゆったりしてるけど、もう一音たりとも聞き逃したくない感じ。パンチ・ブラザーズみたいに真ん中にコンデンサ・マイク1本たてて、それでギター2本とヴォーカルを拾う。だから音もすごく自然な感じ。ケーブル通ってないギターの音って、こんな感じだったのねぇ〜 ヴォーカルもすごく良かった。

なんかこう2人ってのがいいのよね。2人のコミュニケーションって感じで、お互い「すごい事やってやろう」みたいな気負いがまったくない。始終こんな風に家のリビングルームでコーヒー(ビールじゃないよ)でも飲みながらやってる感じ。



「日本に来れて嬉しい」って、すごく言ってた。このデュオで、アメリカ以外で海外に出たのはこの日本だけなんだって。光栄じゃないですか? コットンクラブさん、2人を呼んでくれてありがとう。 こんなクリップも見つけたから。気持ちよすーーーーー! 後半めっちゃいいでしょう?、これ! あぁ、もうずっと、ずっと、ずっと聞いていられるわい。



そして幸運なことに、こんなのまで当てちゃったオイラ。

コットンクラブさんでは、どうやら12周年ということでアンケートに答えてボックスの中からカードを引くやつをやってます。そしたら、シャンパン1杯プレゼントが当たったよ!! 



明日日曜日、そして明後日月曜日にも公演がありますよ。チェキラ!! オレももう一回くらい行けたら行く。

■11.12.sun
[1st.show] open 4:00pm / start 5:00pm
[2nd.show] open 6:30pm / start 8:00pm
■11.13.mon
[1st.show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd.show] open 8:00pm / start 9:00pm

PS
コットンクラブ初めてで、行きにくいよーと思っている方はこちらを参考に。あ、それから今日オイラが頼んだ自家製クランベリージャンジャーエール、お薦めでっせ!!

映画「GODZILLA 怪獣惑星」を観ました。

「GODZILLA 怪獣惑星」を試写で観ました。ありがとうございます。



予告のトレイラー、70万回?!!! すごい。な、ななじゅうまんかいですよ。すごい人気なんだね、ゴジラ。東宝のドル箱なんだろうけど…。普段私が観る映画とは桁が違っている。同じエンタテイメント業界でも、全然世界が違う!?

もともと特撮だったわけだよね、それがアニメーション/CGになって、新しいストーリーが展開されるのです。

巨大怪獣ゴジラの出現で、人類はついに地球を捨てて脱出。2048年に移民船(船っていっても宇宙船ですよ)で新しい星を目指して旅立つわけなのだけど、20年かけて辿り着いたそこは人間が住める環境ではなく、20年もの間の漂流で船の中は環境超劣悪。

これではいかんってわけで、危険な長距離亜空間航行(ヤマトのワープみたいなもんですな…、すみませんSFについてはその辺が理解の限界?!)を繰り替えし、やっと帰って来た地球は、なぜか2万年も経過しており、その間に生態系ががらりと変化。そこはゴジラが征する世界になっていた…。

それにしても、すごい迫力でしたな…戦闘シーンとか。大きな音でサラウンドで巨大スクリーンで観たら、さらにすごいと思う。で、うぉーーーーっってなんて、おおーーーーっっってなった瞬間、次に、これまたものすごい新展開が待ち受けているという。(すみません、ネタバレになっちゃうので、これ以上は書けません)

以上。私が書ける事は少ないな(笑)。でも異星人も一緒になって戦ったり、登場人物も多いし、とくかくあれこれ複雑なストーリーです。今後どんな風に展開していくのかが楽しみ。

11月17日より公開。 「シンゴジラ」が好きだった人はきっと好きだと思いますよ。

2017年11月10日金曜日

来日までもうすぐ!:チーフタンズ物語 (18)

(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)(17) からの続きです。


そしてチーフタンズはローリング・ストーンズとこのレコーディングしたわけですが…。ホントに構想ン年。ガレクの家でストーンズの連中がチーフタンズの音楽と出会ってから何年たったことでしょう。素晴らしいですよね!



さてそのレコーディングの様子とは… パディにちょっと話してもらいましょうか…。

相手は大物のローリングストーンズ。もちろん事前にテープや歌詞を用意したものの、わざわざそれを聞いたり歌詞を覚えようとした者は誰もいなかったそうです。「当然、一発勝負になるのは分かっていたよ」とパディ。「酔っぱらっていたかって? 向こうは専用のバーを持ち込んでいたし、こちらもギネスをしこたま用意した。まるでパーティのような状況だったんだ」

ミックは真っ先に午後5時にスタジオにやってきたそうで、他のメンバーがあらわれないのを心配したパディはダブリン郊外のロン・ウッドの家にバスを送ったそうです。そして土壇場になってこの録音にジーン・バトラーのステップをいれようと思い立ち、ジーンを捜索してエンジニアのブライアンが街へ自分の車を走らせます。ブライアンがジーンを連れて戻るとスタジオは本格的なパーティ会場と化していたのでした。

真夜中になってもまだ一音も取れないまま時間がすぎていきます。しかし… 真夜中に突然レコーディングが始まりました。誰も歌詞を覚えていなかったので、ケヴィンがうたい、他の全員がコーラスで声をあわせました。パディの指示で、キースがサティスファクションのリフを演奏します。キースはまったく理解していないまま、言われるままにギターを演奏したのだそうです。しかしこの時ばかりは、さすがのパディも録音セッションを完全に掌握してはいなかった、とのちに認めています。「みんなここに来たら,僕が頷くからフェイド・アウトしてくれな、と指示したのに、連中は何も聞いてやしない。仕方がないから(エンジニアが)フェイド・アウトをかけたのさ」

朝の2時、チーフタンズとガレクはストーンズの一行を街のリリーズ・ボルデリオというクラブ(ここ、ダブリンの会員制の高級クラブで、私もドーナルに一度連れて行ってもらったことがある!! セレブしか入れないんだって)に案内すると、そこではなんとアルタンが「アイランド・エンジェル」のリリース・パーティをやってたんだって。そこでチーフタンズとアルタンとともなってセッションになり、この日のリリーズは大変な盛り上がりになったそう。「朝の3時ごろキースが僕の肩に手を回して言うんだ“なぁ、パディ、日が終っても音楽は音楽でミュージシャンはミュージシャンで、それだけが大事ってことよ”」そして3つの音楽集団はそのままフェリーマンという伝統音楽バーに向ったのでした。すごいね…チーフタンズ、アルタン、そしてストーンズ(笑)そこで夜明けをみたそうです。「皺だらけのロッカーたちはあの年にしては見上げたスタミナを示した」とのちに新聞は報じます。

話はそれますが…アルタンの「アイランド・エンジェル」あれはすごいアルバムですよ。モレート・ニ・ウィニーとフランキー・ケネディの夫婦で始めたバンド、アルタン。この作品を作った時、フランキーは癌におかされもう長くないのが分っていた。それが分っていて録音したすごい作品です。93年、アイルランド音楽はホントに凄かった。



話をチーフタンズに戻します。

11月、日本に行く途中でチーフタンズははロンドンに立ち寄りマーク・ノップラーとともに「リリー・オブ・ザ・ウェスト」を録音します。もともとの計画ではインストを録音する予定だったのですが、パディがこの曲の古いヴァージョンを聞かせるとノップラーは自分がロンドンのフォーククラブで歌っていた頃を思い出します。「実に自然なことだった」とノップラーは言います。そしてノップラーの友人でもあるポール・ブレイディが呼ばれ(ポール・ブレイディ!!/笑)、彼の「Lakes of Ponchartrain」のメロディとギター演奏でこの曲を録音することになったのでした。「マーク・ノップラーは、生まれながらのバラッド・シンガーだ」とパディも感動したんだって。パディの音楽に対するエネルギーはすごい、とノップラーも語ります。「次に何を思いつくのか全然予想がつかない。ベルリンの壁が崩潰した時、彼があの上で演奏してなかったのはまったく驚きだ」

そして12月、クリスマスの全米ツアーでチーフタンズはロサンゼルスを訪れていました。パディはゲイルに電話をかけ、ザッパに会える段取りをつけてもらえないか頼んだのですが、非常に彼は具合が悪いと聞かされます。でも日曜日のお昼にランチを食べに来なさい、ということになり電話を切ったパディ。「僕らが行く前日にフランクは死んだんだ」「悲しいニュースはきいたんだが、それでも行こうと決めた」。一行が家につくとパディと一行はゲイルとその息子たちにお悔やみを言うと、ザッパのスタジオで1曲録音したんだそうです。「フランクのために演奏したい短い曲があるんだ」と。その曲の真ん中でデレクがフランクの曲の断片をピアノで弾きます。

ザッパの最後の数ヶ月、チーフタンズはとても大きな影響をザッパに与えた、とゲイルは言います。「私はあの人たち全員に感謝しています。音楽を通じて始まった友情が音楽の範疇をこえてゆくのは、他のどんなものも超越するものなのね。驚くほかないわ」フランクの意志により、葬儀ではケヴィン・コネフの「グリーン・フィールズ・オブ・アメリカ」が流されたのだそうです。「そのことはぼくがこれまでもらった中で最大の褒め言葉の1つだよ」とケヴィンは言います。「ゲイルから聞いたんだけど、亡くなる前の数週間、彼はあの歌のあの録音をよく聞いていたのだそうだ。それに蛇尾にふす儀式のときにも使われた曲の1つ だったそうだ。僕の人生で最高の賛辞をくれたのはフランク・ザッパとウイリー・クランシーとシェイマス・エニスだ。3人とも僕がもっとも調子がいい時に聞いてくれたに違いないんだけどね…」

そして94年2月。チーフタンズは再びヴァンと「Have I told you lately」を録音します。パディはヴァンに何か伝統曲を歌ってもらいたかったのだけど、ロッド・スチュワートのヒットが気に入らず怒りくるっていたヴァンはこの曲を再録音するのだ、と言い張ったそうです。さすが、Van being Van(笑)



そしてヴァンとのセッションの数日後、マリアンヌ・フェイスフルが「ラヴ・イズ・ティージン」をチーフタンズとともに録音したのでした。これも素敵なトラック。

マリアンヌいわく「チーフタンズはみんなとてもいい友だち。みんな大好き。特にデレクね。大騒ぎすることなんか1つもないの。ただプロとプロの仕事。ミュージシャン同士がうまくいくのってそれだと思うわ。まともなミュージシャンなら、チーフタンズと一緒にやってうまくいくのはもう当たり前だとパディは思っているのよ」

そしてパディはシネイド・オコナーのトラックにも着手しはじめます。シネイドは忘れかけていた伝統歌の世界に狂喜乱舞し、一時はアルバム1枚録ろう、と言ってたくらいだったそう。そして「She Moved Through the Fair」も候補にあがったものの最終的には「フォギー・デュー」で決定します。ものすごいテンションでレコーディングされたこの曲の存在感はアルバムの中でも際立っている、と、偶然レコーディングを目撃していたライ・クーダーも話しています。

そしてライ・クーダーとの録音「マラバーの岸辺」はなかなか困難を極めたのですが、パディが「南海の海みたいな雰囲気にしよう」とカリプソのリズムを加えたことで、録音は非常に上手くいったのだそうです。

3月1日、ちょうどツアー中のチーフタンズにチャールズ・カマーから電話が入ります。ケルティック・ハープが最優秀トラディショナル・フォーク・アルバムを受賞した、と。実はメンバーは前日の前夜祭には参加していたものの、まさか受賞するとは思わずツアーの次の場所へ飛んでしまっていたのでした。その受賞にはパディも本当に驚いたそうです。「人間そんなにほしがっちゃ、いけない」

そしてこの年にはジョニ・ミッチェルやボブ・ディランらとともに奈良の東大寺での企画公演に参加しています。これはユネスコから助成金を得た「グレイト・ミュージック・イクスペリエンス」という団体主催で全世界に放送されたものでした。ここでもチーフタンズはジョニ・ミッチェルの名曲「マグダレン・ランドリーズ(アイルランドの黒歴史とも言うべき女性強制収容修道院の歌)」に伴奏をつけて関係者をびっくりさせます。また楽屋では沖縄のミュージシャン(喜納昌吉&チャンブルーズ)ともセッションが楽しかったようで、のちの自分たちの日本ツアーで、アイルランドのミュージシャンとしては初の沖縄公演を成功させています。ここでも異なった音楽を結びつけてしまうパディとチーフタンズの柔軟さが発揮されていると言えるでしょう。後に「グレイト・ミュージック・イクスペリエンス」はどうだったかと聞かれてデレクは答えています。「派手なアーティストはたくさんいましたが、僕が思うに日本の女性たちは最高でしたね。とてもすてきに見えました」いいぞ、デレク!

6月、パディはスティグの自宅に電話をかけていました。その場で了解したスティングでしたが、なんとゲール語で歌う、と主張したんだそうです。(ある意味、さすがですよね、さすがスティング!)「あの時はオファーをもらってとても嬉しかった」とスティングは言います。「ただ家を離れられなかったのでイングランドでやろう、と提案したんだ」チーフタンズとスタッフはスティングのカントリーハウスにぞろぞろと乗り付けたのだそうです。当然のことながらスティングはお屋敷を案内してくれたのですが… デレクは百合の花の浮かぶ池にはまってしまった。(濡れた服はどうしたんでしょうねぇ…)あくまで笑えるエピソードを提供してくれるデレク(笑)

またスティングは自分の家の中プールサイドに設置した専用シェフによる豪華ランチをご馳走する、と言ってきかなかったそうで、一刻も早く録音をはじめたかったパディをやきもきさせます。「僕は気が気じゃなかったけど、食事を楽しんでる振りもしたさ…」

書斎のピアノの前に座ってスティングにゲール語を教え始めたパディですが、パディに寄ればスティングの歌詞の習得はものすごく早かったんだそうです。あっという間に歌詞を覚えてしまって、パディはホッと胸をなでおろします。それにスティングはしっかり予習もしていたらしい。さすが元学校のセンセ!(ストーンズの録音とだいぶ違う…笑)

スティングによると「ゲール語が分からなくてもそのことで歌唱に集中できないことはないんだ」と言う。すごいですね。確かにすごくナチュラルに響いてる。この[素早き戦士]はなんと2、3時間で録音を終えてしまいます。バンドはさらに将来の企画用にレナード・コーエンの「シスターズ・オブ・マーシー」をスティングと録音しました。

午後8時にセッションが終るころには、すっかり両者打ち解けていたそうです。「とても楽しいセショションだった。チーフタンズは優秀なバンドだ。彼らと一緒に歌えたことはぼくにとっては名誉なことだ」ロックスターたちの音楽的能力には簡単に感心しないデレクも「スティングは好きです」「彼には頭脳があり(ない人もいるからねぇ…/笑)、音楽家としての技量があり、何かはかり知れないものを持っています。歌もとても良かったです」と話しています。

さてこれは気づいていない人もいるかもしれないのだけど、ミック・ジャガーのトラックには実はボノがヴォーカルを重ねているんだって。ただ上手くいかないと判断したパディはボノの声を極限までしぼってデュエットという形にはしなかったそうで、ただボノのこの声は音楽に厚みをくわえている、とパディは話しています。「あの件ではボノも別に怒っていないし、僕らアイルランド人が一緒になれば何が良くて何がわるいかは自然と分かるんだ」

11月BMGはこのアルバムのタイトルをついに「ロング・ブラック・ベイル」と決めたが、パディはこの決定には反対だったといいます。「元々付いていたチーフタンズ&フレンズの方がアルバムのコンセプトを表していたし、レコード会社が発売を1月にしたのはクリスマス戦線を逃したという意味でまったく納得できない」と話しています。

さて音を聴いてみましょう。まずはマーク・ノップラーのトラック。



すみませんね、このトラックも貼らせてください(笑) マーク・ノップラーが参考にしたというポール・ブレイディのトラック。



続いてスティングのトラック。



シネイドのトラック。圧巻です。



いや〜ホントにすごいアルバムでした。「ロング・ブラック・ベイル」

次回(19)へ続く。


チーフタンズ来日公演の詳細はこちら。

11/23(祝)所沢市民文化センターミューズ アークホール
11/25(土)びわ湖ホール
11/26(日)兵庫芸術文化センター
11/27(月)Zepp Nagoya
11/30(木)Bunkamura オーチャードホール 
12/2(土)長野市芸術館メインホール
12/3(日)よこすか芸術劇場
12/8(金)オリンパスホール八王子
12/9(土)すみだトリフォニー大ホール




2017年11月9日木曜日

エリノア・マケヴォイ「トマス・ムーア・プロジェクト」



ウォリスがいなくなって寂しい日々だが、昨日は実は久しぶりにアイルランドのシンガー/ソングライター、エリノア・マケヴォイと会ってご飯してきた。エリノアはご存知の人も多いと思うが、ざっくり紹介すると、メアリー・ブラックのフィドラー/キーボード奏者として日本に初めて91年に来日し、その後、メアリーとデュエットした彼女の作曲である「A Woman's Heart」がアイルランドで大ヒット。(David GrayのWhite Ladderにやられるまで、アイルランドで一番売れたアルバムはこれだった)ヒットがもとでシンガー/ソングライターとしてユニヴァーサル(だったかな?)と契約し、アルバムを何枚もリリース。その後、インディペンデントになったけど、真面目にレコードをリリースしツアーを重ね、アイルランドの女性SSWの代表的な存在になった。あの一発の桁違いのヒットはラッキーだったと思うけど、その後のしっかりした着実なキャリアは彼女の「音楽愛」と「地道な努力」のたまものだ。私は確か5年くらい前にポール・ブレイディのUKツアーで前座を務めた彼女と再会。ツアーで、2、3日一緒に過ごしたんだけど、あれも楽しかったよなぁ。

で、なんでその彼女が日本にいたかというと(来日は91年以来だそう)、ここ数日JASRAC主催で世界中の音楽著作権団体の世界的カンファレンスがあったのだ。エリノアは、なんとIMRO(アイルランドの著作権団体)の会長で、アイルランドを代表してこの仕事のために来日した。実際、日本に来る直前まで3週間ドイツをツアーし、帰国翌日にはスコットランドで公演があるなど、超売れっ子の彼女なのだけど、この仕事は、また別の新しい側面ですごく楽しめているという。いいね! 

ミュージシャンがこういう職につくと、現場と役所の間に挟まれて、すっごいフラストレーションで大変だと想像するのだけど、 前向きな彼女の姿に、私もなんだか嬉しくなった。これは世界中の著作権団体の会長さんが集まるカンファレンスだったのだが、女性がこの職についているのは、アイルランドと、他にはアフリカの小国、あとどっかの島(笑)かなんかで、全部で4ケ国しかないそうで、音楽ビジネスって、そういう意味では一番コンサバな世界なのかも、と思った。他の国はだいたいレコ社を定年で退社したジイさんたちが着くことが多いからね。日本の場合はどんな人だったっけ…? カンファレンスでは文科大臣も来てスピーチをしたらしい。

エリノアは「今、音楽業界は大変な時期だけど、あと5年もしたら持ち直すと思う」「みんな真剣に音楽のマネタイズについて考えている」「あと5年生き残れたら、たぶん最後まで生き残れる」とか言ってて、なんか私はめっちゃ勇気をもらったのだった。

ま、何はともあれ、そんなわけで久しぶりに彼女と話したのだが、そこで、上のTwitterでも紹介したけど、こういった新しいプロジェクトに取り組んでいると言う話を聞く。

トマス・ムーア。コノポーザー。日本でも有名な「庭の千草」を書いた人で、確かにエリノアの言うとおり不遇の人かもしれない。もともとれっきとしたカトリック系のアイリッシュだし、アメリカで曲をいっぱい書いて大成功したんだけど、なぜかアイルランド人は彼のことをよく思っていない。

確かにかなり「チーズくさい」曲ばかりであり、優雅に「私のおじいちゃんが移民してきた時は」なんて高級ティーセットで優雅に紅茶を飲むアメリカで成功した大富豪アイルランド人が気取って行ったこともない故郷のことなど語る時に聞いている音楽、というイメージなのだ(はい、すみません、私もそう思っています)。そんなのは伝統音楽とは呼ばないぞ!というのが、アイルランド人たちのご意見(笑)

一方で似たような時代に活躍したロバート・バーンズはスコットランド人はほぼ全員に愛されているのに、なぜアイルランドのトーマス・ムーアはこんな仕打ちを受けているのか、ということで、エリノアはトマス・ムーアの再発見プロジェクトに着手した。実際、回りの人でこのプロジェクトに賛成した人は誰もいなかったという。

確かに今の「ケルト好き」はみんなイエーツ、イエーツ、イエーツで、トマス・ムーアやジョイス的なケルトを認めていない。なんか分るような気がする。私も実はイエーツって、ちょっとオカルト趣味なところがあって、ついていけない時があるんだ、ホントは。(またその点ででしゃばってくる妻の存在も大嫌い)…とか言っちゃうと問題かな。ま、そもそもこの点については、あれこれ偉そうに語れるほど書物も何も読んでいない(笑)

何はともあれ、この素敵な「The Last Rose of Summer」=「庭の千草」を聞かないテはないと思います。ミュージシャンも豪華で、Damn Butcher (Beautiful South)他が参加しており、ジャズなフィーリングと、フリューゲルフォーンがいい味を出しているバンド・サウンド。

それにしてもエリノアと会えたのは嬉しかった。私も興奮して、いかにウォリスが素晴らしいか、そしてこれから取り組む中央ヨーロッパ企画を話したり…。

ちなみにウォリスとエリノアはすごく仲良しで、私がエリノアが日本にいるのを知ったのもウォリスのツイッターからだった。エリノアが話してくれたんだけど、Woman's Hartの2回目のツアーの時、音楽監督やってたエリノアは「若い子も参加させよう」とウォリスを誘った。で、リハをしなくちゃってことで、出演者全員に召集がかけられたのだけど、そこにウォリス(まだ超若かった)はちゃんと時間通りにやってきたんだって。で、すっごく真面目に参加してくれた、それはウォリスだけだった、ってエリノアは言ってた。他の連中は「リハはいやだ」と言って酔っぱらったり(誰か分るよね…/笑)、全然時間通りに来なかったり(これも誰か分るよね…/笑)、ホントに大変だったんだけど、ウォリスはいつきちんとしてる、って。ウォリスのあとはチーフタンズの話になり、エリノアもパディはホントにすごいって言ってた。そんな風に真面目に頑張る人たちは、その人のことを考えるだけでも、すごく私たちの励みになる。

うーん,元気が出るなぁ。元気に頑張ることは、ほんとに友達想いの行為だと思うし、なんていうか、いい友達ってしょっちゅう会う必要はないし、SNSでしょっちゅう「いいね」しなくたっていい。ただ会えば、もうパッと分かるんだよね。エリノア、素敵な夜をありがとう。私も負けないように頑張るよー。

ってなわけで、これちょっと聞いてみて! トマス・ムーアじゃないみたいでしょ? 今まで彼の曲が嫌われてきたのも、要はアレンジ、そしてこれをどう伝えるか、というパフォーマーの力量が足りなかったせいだったんじゃないかな、と思えてきた。




映画「Me Before You」を観ました

ちょっと前になりますが、映画「Me Before You 世界1キライなあなたに」を観ました。機内放送(英語/字幕なし)です。



英国のよくあるラブコメと思ったのだけど、エンディングが結構「そうなのか!」という展開で度肝を抜かれた。でもそれで妙に心に残った。それがなければ英国ラブコメは時間潰しに最高ね…ってな結論で終っていたかも。賛否両論あったというエンディングだが、私はこのエンディングはかなり好きである。それがこの映画を特別なものにしているし、いつまでもこの映画のことを考えるきっかけになったと思う。じゃなければ、この映画を見て1ケ月たった今、内容すら覚えてないくらいの内容だっただろう。

主演の2人はキャラクターがたっていて、最高だ。そして、この類いのテーマはこれから多くなってくるだろうなと思う。いや〜ホントに良く出来ている。本当に心から愛していたら,その人が好きなようにさせてあげる、受け入れるという事が必要なのだ。

さて、映画の公式サイトをのぞいて楽しみの1つである有名人コメント欄。これが見事に1つも響かなかった! 誰もこの映画の良さを分ってないな!! でもきっと配給会社はこういう路線でこの映画を当てたかったんだろうね。分るような気がするよ。 「世界1キライなあなたに」という邦題でも、それは感じられる。

そして多くのコメントを寄せた女性たちが主人公のファションを褒めているけど…あれはいったいどうなんだろう。最後のパリのシーンで彼女が見せる落ちいた装いは、彼女の自立とかそういうことを示しているのではなかろうかと思うのだが。アーパだったころの彼女のファッションを褒めてどうするよ。確かに独特で楽しくはあったけど。(特に靴が最高!)

それにしても、元気で生きているということは最大の友情だわな、と思う。ちょっと話は変わるが、数年前に身辺を整理され自殺した中村とうようさんのことを思い出した。私はまったくとうようさんとは交流がなかったため、レコード会社の人たちが苦労してリリースした地味なしかし文化的価値のある音楽に平気で「0点」を付ける態度には老害以外の何も感じてなかったのだが、彼の生き様はちょっと理解できる気がしているのだ。自分らしく生きられないなら、死んだ方がいい。あの自殺は彼の美学の延長だったのだろうと思ったり…。でもそれは彼が付けていた0点と同じで、まったくの嫌味である。回りにいる人のことを思えば、元気に前向きに生きているというのは、それだけで友達想いの行為なのかもしれない…と、私なんかはみたいな小物は思うんだけどなぁ。



2017年11月8日水曜日

ウォリス、バイバイ、また来てね!

吉祥寺を出る前に最後のご飯。

空港でこれやってる人、結構いますよね…(笑)


荷物が多くて心配ですが、無事通過。ANAさん、ありがとう!

ばいばい、元気で!! また来てね!

2017年11月7日火曜日

来日までもうすぐ!:チーフタンズ物語 (17)

(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)からの続きです。


結成から30年、93年年明けのグラミーのミネートを見てメンバーは湧き立ちます。なんと伝統音楽のグループとしては異例の実に5部門でノミネートを受けていたから。「アナザー・カントリー」は3つの部門で賞を競ってきました。最優秀コンテンポラリー・フォーク・アルバム、チェット・アトキンスとともに最優秀ポップ・インストルメンタル、そしてニッティ・グリッティと一緒に最優秀カントリー・ヴォーカル共演。加えて「アイリッシュ・イヴニング」がトラディショナル・フォーク・アルバムで候補になっていました。過去数年で6度候補にあがりながらも受賞を逃していたチーフタンズは今回は「アンプラグド」で9部門の候補になったクラプトン、「アクトン・ベイビー」で候補になったU2と競いあっていたのです。ボノもチーフタンズの大ファンで「俺の夢はジョン・ライドンがチーフタンズとレコードを作ることだ」「パイプが1セットあって…すごいヒットになるぜ…泣き節がきっと止まらない」などと発言していました。

候補が発表されたときチーフタンズはレコード会社のBMGの流通業者会議で演奏するためにロサンゼルスにいたのですが、「ケルティック・ハープ」は3月発売が決まっていたのものの、その次のアルバムについてはまだ何も決まっていませんでした。マネージャーのピートは言います「3枚の共演盤を作ったあと伝統音楽のCDを1枚作って、そのあとは何も考えていなかったんです」

ロサンゼルスにいるチーフタンズに、ザッパの奥さんゲイルから連絡が入ります。BBCテレビが夫をテーマに作っているドキュメンタリーがあるので、それに参加してほしい、と。実は当時ザッパはすでに自分の命が長くないことを知っており、ゲイルはなんとか彼を元気ずけようと毎週金曜日にミュージシャンの社交サロンを開いていたのでした。その日のゲストにはジョニー・ギター・ワトソン、チーフタンズ、ドラマーのテリー・ボジオ、そして中央アジアはトゥバのミュージシャンたちが集められていました。「あぁいう人たちがスタジオに集まったらどうなるか、フランクは試してみたかったんだと思う」カメラが回るうちにチーフタンズが湧き立つような伝統音楽を演奏して、ザッパはそれを幸せそうにながめていたそうです。



またこの年、デレクは念願のインドへの巡礼の旅を実現させています。この旅にパディは家族で付き合うことにし、ガレクはお金持ちの友人を紹介してくれたのですが… 山登りの準備をしてこなかったパディたちは大変なめにあいました。特にデレクはいつものツアーに出る恰好と一緒。いつものジャンパーとスーツ、それにマークス&スペンサーのビニール袋という出で立ち。それでもなんとか目的を達成し、この休暇を満足いくものにしたわけです。(しかし仕事人間のパディはここでも山頂で地元の村民から歌をならい、それを息子がビデオカメラに収録してしたそうです)

そしていよいよグラミーのセレモニーが始まります。出発の前日パディはお気に入りのダブリンのシェルボーンホテルでインタビューを受けていました。「アメリカでは多くの人々がアイルランド音楽はお涙頂戴の[アイルランドの瞳輝く時]とか[お母さんの出身はアイルランドかい]みたいな歌(つまり観光向けのクールではない歌)みたいなものだと思っている。そうじゃないんだ、ということを伝えたいんです。アイルランド音楽は実に素晴らしい音楽であり、チーフタンズはそのことを伝える魔法のような手法を身につけています」

チーフタンズが会場に到着してみると、そこには大勢の取り巻きをつれたマライヤ・キャリーやビリー・レイ・サイラスといった連中が。ダブリンからの飛行機を降りたばかりでくたくたのマットはチーフタンズの他のメンバーとともにパーティに参加しました。みんな候補に上がっている者の証明として赤いリボンのついたメダルを身につけています。この日も働き魔のパディは翌日トム・ジョーンズとレコーディングする段取りを組んでいたというから驚きです(これは次の「ロング・ブラック・ヴェイルに収録されるトラックですね)。

まず始めに「最優秀ポップインストルメンタル」部門が発表されたが、残念ながら「美女と野獣」に破れます。続く「最優秀カントリー・ヴォーカル・デュオ」もマーティ・スチュアートとトラヴィス・トリットの「ウィスキーも効きやしねぇ」に破れます。そして「最優秀カントリー・インストルメンタル」がチェット・アトキンスとジェリー・リーズの「スニーキン・アラウンド」に弾き飛ばされる頃には、チーフタンズにとってはまたしてもグラミーを逃す年になるかのように思われました。目に見えて落込んだパディはプログラムをのぞいてメンバーに言います。「こういう部門でそれぞれ誰と競っていたのか,気づいてなかったよ。ジョーン・バエズ、T・ボーン・バネット、ミシェル・ショックト、インディゴ・ガールズときたもんだ。勝ち目はないね」そして「なぁ、みんな来年はラップのアルバムをつくらなくちゃいけなくなるぞ」と冗談をかましていました。

しかし次の瞬間、すべてが変わります。だしぬけに「最優秀トラディショナル・フォーク・アルバム」の封筒が開けられ、チーフタンズの「アイリッシュ・イヴニング」が受賞したのです!!! パディやった!!!

信じられない、というようにパディが他のメンバーを率いてステージに上がりグラミー賞を受け取ります。マイクの前にたつとパディはやおらゲール語で話しはじめ、コンサートでやるいつものジョークを披露しはじめました。そして英語で「今のはありがとう、と言っただけです」と言い直します。そして続いてすぐに「アナザー・カントリー」が「最優秀オンテンポラリー・フォーク・アルバム」部門を受賞し2つ目の受賞となるわけです。

ステージを降りながらも、お祝いを言う人々にもみくちゃにされるチーフタンズだったのですが、その時にケヴィンに声をかける若者がいたそう。その人は「ぼくらはチーフタンズが大好きなんだ」と。振り向くと1人しかいなかったので「僕らとは?」と聞くと、若者は「僕とマイケル」と答えたのだという。1時間後、マイケル・ジャクソンが「デンジャラス」で受賞した時、その若者もステージにあがったのをみて、ケヴィンは本当にびっくりしたそう。(なんとマイケル・ジャクソンもチーフタンズのファンだった!?)

授賞式の後、意外としけた祝賀ビュッフェでプラスティックのフォークとナイフで食事をしながら(パディはこういう事、よく覚えてますね!!)チーフタンズは翌日のレコーディングのことを考えていました。「明日は早く起きてザッパのスタジオへ行き、トム・ジョーンズとレコーディングをしないといけない」(さすがパディ、仕事魔です…。グラミー受賞翌日だからって休んでません)

当日担当したエンジニアによると、当初ザッパはこのレコーディングには興味をしめしていなかったのだそうです。何より具合が悪かったし、自分はスタジオを貸すだけで、あくまでこの企画においては外部の人間だと。コントロール室でザッパはアイルランド人のジャーナリストを相手におしゃべりをしていましたが、チーフタンズについて自分が感じていることを「記録に残して」おきたいと言い出します。

ザッパは熱弁をふるいます。「連中がやっている音楽のすべてが好きだ。この街にくるたび毎回ここでレコーディングしている」「U2はポスト・モダン・ロッカーとか言われているが、いったいそれはどういう意味かい?」「ケルト文化に直接つながる産物、チーフタンズの音楽はそういうことだ」(うううう、泣けますなぁ!)

あれこれぶちまけてしまい機嫌がよくなったザッパは、スタジオをのぞきはじめます。そしてスタジオの中であれこれ提案も初めてしまい、アレンジの変更を指示したりしたそうです。「最初興味がないとか言ってたのに、可笑しかったね。最終的に出来たものに大いに貢献してくれた」トム・ジョーンズも病気で死にそうになっているザッパが録音に立会っているのをみて驚いたと言います。「彼は死ぬ寸前だった。具合が悪いのは見てわかったし、実際、途中で抜けて病院に向っていったね」録音は3テイクであっという間に終ると、ザッパの奥さんが用意してくれたビールでやっとホッとしたチーフタンズはトム・ジョーンズとともにパーティを始めます。それがあまりも楽しくトムは飛行機をのがしてあやうくその日のウチにニューヨークに帰ることが出来なくなりそうだったと言います。

さてグラミー受賞のあとパディは本格的にチーフタンズにアメリカのマネジメントを付けようと動き出します。長年チームを組んだ宣伝担当のチャールズ・カマーの推薦で、パディはヴァンクーヴァーを拠点としてたマインド・オーヴァー・マネジメントと出会います。

スティーヴ・マクラム、サム・フェルドマン、そしてブルース・アレンという共同経営者たちはブライアン・アダムス、kdラングなどと係ってきました。このチームとチーフタンズは3年のマネジメント契約を結びます。そしてスティーヴとパディはチーフタンズの次作である「ロング・ブラック・ヴェイル」のためのブッキングに着手していくのです。

ちなみに、このスティーブはチーフタンズと一緒に日本に来たことがあるんですよ。写真、載せちゃえ。これは新宿にダブリナーズさんがオープンした時のキャンペーンでチーフタンズのポスター撮影があった時のもの。チーフタンズ、そして代理店の皆さん、カメラマンの皆さんに混じって私もちゃっかり写っています(白いシャツ)。パディがしっかり私の腰に手を回して来たのを覚えてますよー(笑)。

そして真ん中で偉そうにしているのがスティーブさん。隣りはプランクトンの川島恵子社長。恵子さんいわく「スティーブってこういう時、(自分が真ん中に座っちゃって)パディに全然気を使わないのよねぇ…」「でもジョニ・ミッチェルとの共演とかそういうのは絶対にハズさないんだからさすがだわ…」(なんかすごく覚えているこの撮影シーンとこの会話)
 
さてハリウッドボウルでの大きな公演を成功させ、チーフタンズはまっすぐロンドンに飛び、ローリングストーンズの30周年記念パーティおよびミックの50歳のパーティへの出演を受けて演奏しました。ここでミックとストーンズはチーフタンズの次のレコーディングに協力することを承諾してくれます。そして当時ミックが借りていた美しいキルデアの邸宅にパディは呼ばれました。ここでミックたちは「ヴードゥ・ラウンジ」を録音するかたわら、チーフタンズのトラックもどうするか話し合いに応じてくれたんですね。パディはミックにアイルランドのレベルソング(英国支配への抵抗を題材にした愛国的な歌)を歌ってほしかったのだけど、ミックはそれをいやがり結局曲は「ロング・ブラック・ベイル」に落ち着いたんだって。この曲はミックが昔からお気に入りの曲で、当時ザ・バンドが「ミュージック・フロム・ビック・ピンク」でカヴァーしているヴァージョンが好きだったんだそう。

さていよいよ名作「ロング・ブラック・ヴェイル」へ。チーフタンズは誰もが知っているバンドへと躍進するのです。

(18)に続く。


チーフタンズ来日公演の詳細はこちら。

11/23(祝)所沢市民文化センターミューズ アークホール
11/25(土)びわ湖ホール
11/26(日)兵庫芸術文化センター
11/27(月)Zepp Nagoya
11/30(木)Bunkamura オーチャードホール 
12/2(土)長野市芸術館メインホール
12/3(日)よこすか芸術劇場
12/8(金)オリンパスホール八王子
12/9(土)すみだトリフォニー大ホール



ご来場ありがとうございました〜



昨日、私たちは夜の1時くらいに吉祥寺を離れたのですが、そのあと、こんなことになっていたようです(笑)

ご来場くださった皆さん、本当にありがとうございました〜

2017年11月5日日曜日

ウォリス・バード、無事到着!!!

今の季節はとっても綺麗な井の頭公園。

元気に到着しました! ウォリスとエイダン。

ウォリスがこの名盤を聞いたことがないというので、コピー中。
アンディさん、すみません、でもこのアルバム、もう手に入らないよね…

 ついでにアンディが子役だったころの写真も見せてあげちゃおう。
しかしアイルランド人でも知らない人多いのね、
アンディがアイリッシュじゃないっての…
 
吉祥寺もすいぶん変わってね。丸井が丸井じゃないみたいだった…
そうしないと生き残って行けないのだろうけど。
丸井だけではなく吉祥寺の雑貨屋が全部ネコと化しているのが???
これ不気味!とかつぶやいたら、有名な作家さんらしい。

ウォリス・バードの公演は明日Star Pine's Cafeにて19:30から。
当日券ありますよ! 詳細はここ。

音楽ビジネスはどこへ行くのか


4月にオープンして結構業界内では話題になっていた(と思う)P-VINEさんのコンビニが半年で閉店という結果を迎えることになったらしい。いや、私なんぞより頭のいい方が複数集まって、豊富な資金力とともに始めたであろう事業だから、オイラなんかが何を知ったことを言えるのだろうと思うが、半年は早かったな。

でも、以前みたいに世の中が待ってられない、ってのもあるんだろうな。昔みたいに新規事業=2年とか、考えてられない。結果は半年で出せ、みたいなことでスタートしてたんだろうか。でも新事業で半年だよ。大変すぎるだろー。誰だって2年はくださいって言いたくなると思う。でもよくわからない。閉店直前にショップ・エコバックとか作ったりしてて、どういう意図だったのか。何はともあれ関係者の皆さん、おつかれ様でした。

CDのリリースだって最近は早い。例えば来日記念盤を1ケ月前にリリースすれば、せめて昔はその来日が終るまではCDを並べておいてくれたものだ。だが、それも今や容赦ない。商品が動かなければ、2週間で撤去。来日のニュースで世間が湧く頃に、店頭にCDはない。そんなんでは売れるものも売れないと思うのだが、次々リリースが続く昨今では、それがスタンダードなのだ。2週間。いや,最近はもっと早いかも…

それにしても、音楽にお金を使うということ自体がどんどん縮小している現在、大きな会社は従業員を食べさせるために別の事業を考えないと…ということなのだと思う。P-Vineのコンビニも記憶違いだったらすみませんが、確か「人材がいるから」ということで始めた事業だったんじゃなかったけか?(というインタビュー記事をどっかで読んだ記憶あり。間違いだったらすみません) 

CDは売れないのは、そうでしょうな…。私もspotifyなどでヴェーセンを聞いているが(笑)、sportifyは嫌いじゃない。膨大な音源の海が向こう側に広がっているというだけで、結構感動ものだ。

ウチも今、新規事業はいくつかかかえているが、それのどれが羽ばたくのか分らないけど、まぁ、どんどん変わっていかないと生き残れない時代であるのは事実だ。新し物好きで身軽な私には向いているかもしれないのだが、それが辛い時もある。

なんか今のエンタテイメント業界は、ユーザーというか、お客さんのお金どころか時間の取り合いみたいになっちゃってる。今やフリーのイベントだって人を集めるのたが大変で話にならない、という話をよく聞く。先日も海外のアーティストを集めたショーケース公演が行なわれていたが、その結果は散々だったようだ。それでも自分の表現の場を求めて、アーティストやミュージシャンは安くない参加費を支払い、そんな場所に希望をたくしていたりする。

そんなエンタテイメント業界の片隅で、たった100人集めることさえも、ホントに大変な作業だ。私も、この戦いにいつまで参加していくべきなのかって思う。最近は、自分のやりたい事よりも、誰か他の人がやりたい事を手伝うのがいいな、とか思ったりしている。

もうゆっくり毎日本を読んだり映画をみたりして毎日をすごし、そのレビューをブログに書くことで、のんびり過ごせたら,最高だな〜 このブログのGoogle Ad収入が月10万とかにならないかな。無理だろうなぁ。もっとアフィリエイトを充実させて、釣り記事みたいなのをいっぱい書くか。 

ま、頑張ろう〜っと。

ではウォリスを迎えに空港に行きます〜  もうトランプは横田基地についたのかな。道が混むといやだなぁ…



Wallis Bird Blossoms In The Street from MXX on Vimeo.


ウォリスは元気に向ってますよ。



ま、クサクサ考えていても世の中良くならない。私の仕事はこの素晴らしい音楽をより多くの人に届けること。ウォリス、エイダン、ありがとう。私もがんばらなくっちゃー!!!!

チケットは現在「当日精算」で今夜24時まで受け付けております。詳細はここ
公演は明日月曜日の夜です。

2017年11月4日土曜日

最近のウォリス

最近の映像をお届けしますよ。なんと最近のウォリスは、「ホーム」ツアーが終った!!ということで、髪の毛を全部切っちゃった!

Walis Birdさん(@wallisbirdofficial)がシェアした投稿 -

似合ってますよね。素敵!












そして今はこんな感じ。あいかわらず「芝刈り機」のことを聞かれて「子供の時に転んで指を全部無くしちゃったのよ。で、糊とホッチキスでくっつけた」とか言っています。



「Blossoms in the street」



皆さん、会場でお待ちしております〜

Walis Birdさん(@wallisbirdofficial)がシェアした投稿 -

これはもうちょっと前の写真かな…



明日はいよいよウォリス到着。昼の便なんだよな。朝早くなくて、助かるぅ〜。 即売用ポップも作りました。


昨日のウォリスのInstagramより。


ウォリス・バード、来日公演はもうすぐ。11月6日(月)19:30〜 Star Pine's Cafeにて。「当日精算」は明日24時まで受け付けます。詳細はここ。

2017年11月3日金曜日

畔柳ユキ「メタル現場主義」を読みました

ユキさんの本、今月2冊目。昨晩読み終わった! 今回はヘヴィ・メタル・バンドの数々のかっこいい写真と「現場」の様子を伝えるエッセイがぎゅっと詰まった1冊。メタリカ、オジー、メイデン、マイケル・シェンカー、ハノイ・ロックスなどなど、私でも(名前は)知ってるメジャーなバンドがずらり。圧巻です。そしてメタル界の巨匠、伊藤政則さん、酒井康さんとの対談は、爆笑ものでもあり、そうなんだ,メタルの世界って…と思うことしきり。

というか、ジャンルが違うとホントに違うのよ、ギョーカイのノリが…

それにしても、重鎮のお二人も、相手がユキさんじゃなかったら出てこなかったんじゃないかしら。そういう意味でもメタル・ファン、必須アイテムなのではないかと思う。

爆笑したのは、伊藤さんのツバキハウスの話。いったいクラブ(ディスコと言ってました、当時)でメタルかけて、どんな状態なんだろう、と思ったら、みんなエア・ギターしてヘッド・バッキングしてたのね…な、なんと。爆笑すぎるよ。しかもすごい人だとボーカリストのパフォーマンス用にマイク・スタンドまで持ち込んでたと言う… バカかこいつら!?(褒めてます、褒めてるんですよ)

それにしても、ウチの音源にはまったく関係ないお二人だったので、ギョーカイ歴がそれなりにある私でも、リアルにお二人を存知あげないのだが、実は伊藤さんの事務所には一度ロリーナ・マッケニットをお送りしたことがあるんですよ。

FMファンというFM誌で、編集者の人が「伊藤さんはロリーナのファンだよ。資料送ってみれば」と声をかけてくれたのだ。で、ちょうど「Live in Paris and Toronto」のCDが出た時で、さっそくライブ盤をお送りした。そしたら、私はチェックできなかったのだけど、ラジオでかけてくださったらしいんだよね。それは、すごい事なのだ。だって、伊藤先生のラジオでかけてもらおうと、レコ社の担当の皆さんは先生のラジオ番組とかに立会って先生の収録が終るのを待っているのだから!(すみません、ウチはスタッフ1人なんで、そういうおつきあい出来ないんですよね…)

その後、ロリーナがまた来日するようなことでもあれば、また連絡を取ってみたかったのだが、そんなこともなく、そこでこの件は終わり。でも妙に嬉しかったよなぁ。

そして、「バーン!」の初代編集長、酒井さん。ユキさんをリクルートするなんて、やっぱり人を見る目があったんだろうね。「分ってない人に触ってほしくない」ってのは、私も自分の仕事で同じように感じている感覚だから、すごく分かる。自分の現場には信頼している人以外、入ってほしくないの。そして人は昔お世話になった人のことはずっと覚えているもんだ…というのも考えた。雑誌立ち上げの時、(当時Music Lifeの編集長だった)東郷さんが応援してくれてね、という話には感動した。それからレビューの「点数制」の話に対するロニー・ジェイムス・ディオのエピソードも。そんな話を引き出せたのも、相手がユキさんだったからだと思う。

それにしても「現場」の話はやっぱりおもしろい。ユキさんには、実はアラマーイルマン・ヴァサラットを撮ってもらったことがあるのだが、それはなんだかいい経験だった。ライブ撮影だったのに、ユキさんは早めに来てくれてリハの様子をドキュメントしてくれたのだが、これが抜群にいいのだ!!! もっともリハの様子とか、公開する場もないので、ホントにもったいなかったのだが、ユキさんの撮影に対する誠実さは、この本を読めば分かる。ユキさんの写真が素晴らしいのは、媒体の向こうにいる、このアーティストが大好きなファンの事をちゃんと考えているからだ。「このバンドを大好きなファンな人たちが、写真を見たらどう思うか」というのを、常に考えている。そこが、やっぱりこの業界で成功する人としない人の違いだよね。そういや、ムーン・サファリが流れるというので、先日初めて聞いた伊藤さんの番組でも本当にリスナーとの絆をすごく大切にしてる感じがして、すごく良かった。スポンサーとか、番組Dとか、編成とか、局とか、目の前にはいろいろありそうなのに、リスナーにフォーカス出来るなんてホントのプロだ… なんて大先生に向って、私も失礼な… でも改めていろいろ思ったよ。 すごいなぁ、って。

それにしてもユキさんには、ウチのバンドを撮影してもらったことは何度かあるけど、全部ライブ写真なので、いつかポートレート撮ってもらいたいなぁと思った。本を読んで思ったのは、ポートレイト撮影の時って「こんなにディレクションするんだ!」って事。でもユキさんの場合、ファン目線を意識して、きっちりイメージ固めてからいくから、当然なんだけど。あと相手がビック・アーティストで撮影時間10分とかで、チンタラ撮ってる時間がないから、ちゃっちゃと指示して、ちゃっちゃと撮らないと…ってのもある。

あ、そうそう、マリリン・マンソンのエピソードには笑った。セキュリティに羽交い締めにされ、汚い言葉を吐きながら引きずり出されて行くユキさん。何が起こったか、知りたい人は是非、本書を購入あれ!(笑)

それから日本のバンドElectric Eel Shockの写真では、赤羽の、私もしょっちゅう行ってるおでんやさん(丸健水産)がしっかり写っていて笑った。そう、あそこの二代目はマルケンズというバンドをやっていて、毎年赤羽バカ祭りで素晴らしい演奏を聞かせてくれているのよ。だからあそこは赤羽の、ロックの聖地でもある。さすがだ。

あと、この本にも登場してるんだけど、ユキさんのもう1つの「R」であるRavenについては、もっといろいろ知りたいので、続編を期待!