モハメド・オマル・アブディン「わが妄想」を読みました!


いや〜、面白かった。最高に面白かった。高野秀行さんの野球仲間アブこと、アブディンさんの本。ずっと前に買ってあって、積ん読になってたものだ。

スーダンで生まれて視力を失い、ひょんなことから日本にやってきて、そしてこの本を書くにいたった。アブディンさんは語学の天才である。すごい勢いで日本語を習得し、点字を習得し(そして「読める!」というその感覚、感動。スーダンでは盲目の人にはヘルパーが読み上げるしかないのだそうだ)そんな話が書いてある。めちゃくちゃ明るくて面白い。

しかしそんな彼も「自分はもともとは怠け者」ということを理解している。時々発生する「鬱」みたいな怠け癖。それによって落込むが、また持ち前の明るさで復活する。

これは元気になれる本だ。いや、ホント、めちゃくちゃ面白い。ただ1つ言えば…なんとなく読後達成感というか、オチみたいなものが欲しかったかなぁ、とは思う。読んでる時は最高に楽しいが、あれ、おわっちゃった…という感じ。とはいえ、アブさんの人生は続いていくわけで、これはこれでリアルなアブさんなんだろう。

それにしてもとにかく文章の天才。文章が素晴らしいからスイスイ読める。同じ話をまた違ったスタイルで書く事も可能なんだろうが…この文章力で一気に読ませる。いや、このヘンは高野さんのサポートゆえか。文庫版は最後に高野さんとの対談もついていて、ファンは必読。

こんな動画も発見。アブディンさん、日本語、めっちゃナチュラル!!



まぁ、でも動画みるより、とにかく読んだ方がいいな…。それにしても楽しい本だった。ちょっと漫画読んでる感覚かも(笑)