角幡唯介『極夜行』 最高傑作決定!

 めっちゃ、かっこいい装丁の角幡唯介さんの新刊。
 帯を外すとこれまたかっこいい。
めくったら、ウヤミリック。














たった今、この本、読み終わっちゃいました。すみません、明日からツアーなのに。ツアー中、具合悪くなったりしたら,プロフェッショナル度が足りないと皆さん、怒ってください。すみません。

それにしても良かった。明日からツアーなんで発売日の1日前に手に入って。ホントにホントに待ってました。ずーーーっと待ってました。「アグルーカの行方」に続く、角幡唯介さんの北極もの新刊「極夜行」

極夜ってのは白夜の逆で太陽が昇らない世界のこと。 まず思ったのは、文春オンラインで連載してた物と全然違う!ということ。

なんと始めは奥さんの出産シーンから始まる。そこでいきなり引き込まれる。役に立たない角幡さん、そしてまぶしそうに目をあける生まれたばかりのお嬢さん。そして角幡さんは家族を残し太陽の意味を知るための極夜の北極へ出かけるのであった。

もうファン大満足なのは、今回は、自虐ネタが満載だということだ。外で読んでいると危ない危ない、声を出して笑いそうになる。本当に申し訳ないのだが、読者は角幡さんが失敗したり、窮地に落ち入ったりすることで、異様にワクワクするのだ。今回もさっそく「角幡スペシャル」という極夜の旅では生命線ともいうべき六分儀をあっという間に紛失。また前半最大の難所になるのだが、ぼーーーっとしていてソリの1つを見失うという(しかもそっちにすべての装備が収納されているのであった…)あまりに単純なミス。 しかし酷い事言うけど、ファンは残念ながら角幡さんの自虐ネタが大好きなのである。そして中学生みたいな下ねたも本当に大好きなのだ。今回もウヤミリックとの危ない事件で…(以下自粛)

前半はなんとなくそんな自虐ネタに笑わされながら楽しく読んでいたのだが…デポ小屋にいたる前の「極夜の極夜性」に触れたシーンは圧巻のひと言。そこからはイヌイットの伝説やら、犬の何やら、もう角幡ワールドで、グイグイ、グイグイ引き込まれる。

そして角幡さんがたどり着いた結論は、これはあえて書かないけど、ずっとリアルで追いかけて来たファンなら、もう感動もののクライマックスだと思う。っていうか、角幡さんがここ数年書いてきたものすべて、育児エッセイや奥さんにとっちめられる爆笑ネタやら、犬のネタやら何やら、すべてここに集約されるためにあったんだね、と思う。凄い,本当にすごい本だ。

めっちゃ感動した!!!! っていうか、これ家族だよね。ホントに素晴らしい。家族ってことに対する最高のプレゼントなんだと思う。

よくソングライターにはよい作品を書く為に旅をしなさい、と声をかけるのだけど… いや、これはホントにホントにホントにすごい作品だ。この探検あっての角幡さんだし、この本だ。これはもう最高のノンフィクションだと思う。

っていうか、今読み終わったばかりで、全然うまく言葉が見つかりません。

あーーー、もう1回、ゆっくり味わって読みたい。ま、でもそれはツアーが終ってから。すみません、もう寝ないと。睡眠時間が足りない。消えます!!