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2018年4月14日土曜日

とあるミュージシャンからの相談

とある海外のミュージシャンから相談があるから会ってほしいと言われ,会う。ウチの結構重要なミュージシャンからの紹介だったこともあって、超忙しかったけど無視は出来ず、彼が東京滞在中だというその日、都内の某カフェで会うことになった。

いい人ではあったのだけど… うーん、正直、辛かったね。まぁ要は「日本で活動したい」「どうしたらいいか」という相談だったのだが、うーん、可能性がなさすぎる。というか、私が出来ることがなさすぎる。

それでもあまり相手をがっかりさせず、彼の活動に勇気を与えるべく(とか言うと偉そうだけど)私も頑張ってあれこれアドバイスしたさ。でも、まず彼の場合、基本的な活動が何もできていない。そもそもホームページに英語の資料もなければ、演奏している動画の1本もYou Tubeに上がっていない。とはいえ、彼の別の仕事で(こちらの仕事もステージにあがる仕事である)本国ではかなり知名度はあるらしい。

しかし、そういう基本が出来ていない状況で、人にアドバイスをもらおうというのは、ありえないだろう…。実際アドバイスの与えようがない。いったい日本で何がしたいと言うのか? そりゃあ日本に来て,何回か公演すればバイオグラフィーに「〜は日本でツアーしました」と書けるのかもしれない。だけど、そんなハッタリ、この時代にはすぐバレるぜよ。そもそもプロフェッショナルなレベルで活動しないのであれば、ウチに来ないでくれ、とも思う。何せこっちはホントに、どの案件も必死でやっているのだから…。

オレはどんなにみっともなくても、必死で頑張る人が好きだ。というか、頑張る人こそかっこいいと思っている。一応,今回の来日では、彼は同じ楽器を演奏する日本人にコンタクトを取り、どっかのライブハウスで一緒に演奏はしたようだ。だが、そんなの…知らないよ…と思う。そんな活動でいいんだったら、自分でやってくれ、オレを巻き込むな、と思う。そもそも小さすぎるライブハウスじゃビザだって降りない。そんなのに係りたくない。そのライブを見に来るように誘われたけど、しょぼいライブハウスのしょぼい公演って見てるとホント落込むから精心的にも良くないのよね… だから行かなかった。嫌な奴だと思われたかもしれないけどさ…

っていうか、ゼノギアスでのみんなの頑張りとか、それを受け止めるお客さんとか、そういうの見ちゃった日には、こういう「ちょっとした相談」に妙にイラつくのであった。やっぱり成功する人は、ものすごい努力をしているし、成功するべくして成功している(マイケルの言う「必然」って、マジで正しいよな)。

それが「僕はこんな感じでいいです、ちょっと日本に来れれば」なんて気持ちで日本に来たとして、日本でキャリアが積めるわけがない。ジョアンヌだって、アヌーナだって、ホントに必死でやっている。日本のオーディエンスをなめてもらっちゃ困る。私だって、自分が信じられない音楽を、ウチのお客さんに紹介するわけにはいかない。

その彼を紹介してくれた、ウチのアーティストだって、彼よりよっぽど本国では有名人だけど、必死で頑張っている。彼が頑張るから、私も頑張るのである。どうしてそういうことを近くにいる友人から学ぼうとしないのか、どうして側にいてそれが分からないのかなと思う。

うーん… まぁ、しかしだ。私は何を1人でカリカリと怒っているんだろう。彼としては、ちょっと知り合いのミュージシャンを担当している現地プロモーターに会って、何か美味しい話がないか、聞いてみたくてお茶に誘っただけなのだ…きっと。

あぁ〜、でも、そういう「ちょっとだけ」みたいなやつ、ホントにダメ。そんな「ちょっと日本楽しそう」くらいで来日されちゃ、こっちはたまらない。ただ最近そういうのが多いのも事実だ。でもウチのミュージシャンは違う。みんな必死でオレに着いてきてくれている。オレだって必死にプロモーションする。それで、現状、何とか来日が成り立ち、続いているにすぎない。誰も楽なんかしてない。そもそも英語のバイオすらないようなホームページ作っている奴に、どうして海外から仕事の話が来よう? 

が、でもなんか彼の感覚も理解できるような気もしている。そういう必死で頑張った成功体験のない人は、きっと分からないんだよね。必死でやることの素晴らしさを。そして収めた成功も失敗も、すべて自分の手の中に実感することの素晴らしさを。そういうのを若いうちに体験しておかないと、もう一生ぼんやりと「美味しい話、どっかにないかなあ」くらいで生きていくしかないのだと思う。まぁ、そういう穏やかな生き方もいいだろう。でもオレのスタイルはそうじゃない。

まぁ、いいや。オレはオレの仕事を頑張る。今日も皆さん,張り切って行きましょう!