映画『スリー・ビルボード』を観ました。これは世紀の大傑作。素晴らしい。


 『スリー・ビルボード』(Three Billboards outside Ebbing, Missouri) をやっと観た。機内放送にて。いや、絶対に好きだと思ってたら、ホントに良かった。

こういう映画はたくさんのメッセージを運んでくる。いろいろ考えた。一人一人、それぞれの登場人物に感情移入出来るし、そりゃあないよと思うところもある。 そしてちょっとした善意が意外に大きく作用する、という事も。

娘をレイプされ殺されたお母さん。警察は何をやってんだーとばかりに警察署長を非難する広告を街外れの広告看板(ビルボード)に貼り出す。そこから… 街のいろいろな物語が浮き彫りになる。

善人だと思っていた人が完璧ではなかったり、悪人だと思ってた人が心優しい場面を見せたり、とにかく登場人物全員が魅力的に描かれる。いろんな意味で、リアルな映画だ。それが、観る物に作用して、いろんなことを考えさせられる。こういう映画、とにかく大好き!

主演の女優さんがものすごい迫力だね。「Almost Famous」にも出てた人。



このあとどうなっていくんだろう、という部分もありながらも、映画はさわやかな見応えを残して終っていく。うん、これで終わりがいい。この感じがいい。そうやって、分り合えないと思ってた人に、たまに寄り添い、そしてやっぱり裏切られ、でもちょっとした善意が大きく作用することを願いながら、人は生きて行くんだよな。

町山解説がいい。この映画の良いところをするどく指摘してくれてる。確かにボッコボコにやられた広告屋さんの彼が、悪徳警官にオレンジジュースを手渡すシーンは、グッと来たよね。署長の手紙、オレンジジュースあたりから流れがグッと変わった。



この方の解説が秀逸なので,是非。そう,見ていて、すごく引き込まれた。この脚本はすごいと思う。そしてすべての登場人物がヴィヴィドで、リアルだ。