和田靜香「スー女のみかた」を読みました。


面白かった!!!! 和田靜香さん「スー女のみかた」を読みました。

いや〜 私は知り合いの音楽ライターの中でダントツで文章が上手いのは和田靜香だと、いつも思っているのだが、いや、今回もホント読ませる。どんな事を書かせても、やはり和田靜香はすごい(笑)

その和田靜香が、ここ10年の相撲愛を凝縮したのが本作「スー女のみかた」だ。「スー女」とは相撲の女性ファン。そして「みかた」は「味方」とも「見方」とも取れる。とにかく相撲のことが初心者にも分るように面白く書かれ、最高に読みやすい。さすがだよなぁ、ホント。いや〜、才能とはこういうことを言うんだろうな、と思う。

でもって私が心からいいなぁ、と思ったのは、和田靜香ならではの正義感あふれる記述だ。相撲は別に日本で生まれて日本だけで育ったものじゃないって下りとか、あと相撲だけじゃなく、スポーツ中継とかいつもちょっと違うだろって私もいつも思っていたし(特に日曜日の朝、TBSでやってる元野球の某とかいうおじさんには野球がまったく分らない私ですらも不快感しかない。あと相撲のことは何もわからないが、舞の海はホントに意地悪でイヤな奴だと私も思う)、最近の「モンゴル帰れ」発言じゃないけど、白鵬や朝青龍の下りとかホントに泣けた。

思わず朝青龍とか、You Tubeの動画引っ張りだして観ちゃったよ。和田さんが惚れたのもよく分かる。今でもYou Tubeであの勇姿をみるとぐっと来ちゃう。でも彼は横綱には相応しくない、っていつも叩かれていたんだよね。でもあの「勝ち」に行く、あの感じはたまらないものがあるよね。そして白鵬のある意味ストイックなスポーツマン精神というか、お相撲ごころというか… ホントに相撲を愛してやまないお相撲さんたち。あぁ、帰化しないと親方になれないとか、そういうの全然知らなかったよ!! なんでこんなに融通が効かないんだろう!

相撲はどうやら元々モンゴルで始まったものらしい(いや、メソポタミアかもしれない…)という説もあり…。いや、ある意味シンプルな戦い方だ。世界中どこが発祥でも、まったくおかしくないだろう。同時多発的に発祥していた可能性だって高い。それを日本で始まって日本だけで育った神事みたいなこと言っちゃって、日本人ってやっぱりどうかしてる。高野秀行さんの納豆本を思い出した。どうして日本人は日本だけの素晴らしい、これは日本人にしか分からないもの、ってお気楽な勘違いをしてしまうんだろう。

さてさて… 相撲とは縁遠い私ですが、実は朝稽古は見に行ったことがあるんです。ナヌークのこんなエピソード。 今,思い出してもすごい経験だった。でも彼らがお相撲に憧れる気持ちはよく分る。自然が厳しいところって身体能力が高い者が尊敬されるのだ。そしてスピリチュアルな神々しさも…。お相撲さんはその両方を持っているからね。

とにかくこの本、お薦めです。和田さんの他の本、同様、ギャハギャハ笑って読むことが出来るので、電車の中で読む際には注意が必要です、はい。